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そんな許可は出せない!と言った夫人は続けてこう言った。
「そんな小娘が今回の任務に貢献した?ふざけているのですかヘンゲル卿?それともなんですか、ヘンゲルの騎士はそんな小娘に手柄を取られるほど衰退してしまったのですか?それに冒険者に払う報酬があるなら我が領地で使います!」
この人領主に喧嘩売ってるのかな?
この言葉を聞いてすぐにルーミアのお父さんが訂正に入った。
「ヘ、ヘンゲル卿申し訳ない!つ、妻はどうも領地が関わると熱くなってしまって、、、本心でヘンゲル卿の騎士をバカにしたつもりはない!」
そう答えたルーミアお父さんに少し微笑んで返事する領主様。
「わかっていますよ。夫人はリンロット侯爵家の出でしたかな?かの侯爵家の方でしたら納得です、とても領地思いで良いではありませんか。こちらも不躾なお願いでした。このものに関してはこちらでなんとかします。」
「も、申し訳ない、、、」
「まぁまぁグロチ伯爵がそこまで謝らなくとも、、、それで例の件に関してお話ししますか」
そう言って領主はロイドさんに目配せをする。
「ルカ殿別室の子供達の所に向かいましょう」
そんな感じで退室を促された。
私は退室する前にルーミアに声をかける。
「、、、ルーミアまたね。私はいつでもルーミアの味方だから何かあったら遠慮しないで言ってね、じゃあ」
手を振りながらそう伝えて部屋を後にした。
ルーミアは少し寂しそうに手を振り返してくれた。
閉まった扉に耳を澄ませてみると「あの者はなんなのですか!平民風情が貴族に対してあの態度!」「まぁまぁルーミアの恩人なんだから少しは大目に見てやってもいいじゃないか」
などそんな感じのことが聞こえてきた。
ルーミアのお父さんはどうも優しすぎるのか、奥さんに強く言わない感じがする。
部屋から少し離れたところでロイドさんに話しかける。
「あの人凄いですね?ルーミアのお母さんだから言いたくはないんだけど、貴族ってやっぱりみんなあぁなんですか?」
「そんなことは無いぞ、うちの領主なんかは無愛想だが全然貴族っぽく無いぞ、一緒に冒険者やってた俺が保証する」
おっと凄いこと知っちゃった。あの領主冒険者やってたんだ!しかもロイドさんと。少し気になるかも。
「それであの人は確かルーミアと血は繋がってなかったと思う、ルーミアの実母は既になくなっているって聞いている」
「、、、そうなんですね。仲が悪いとかあるんですか?」
「そういう話は聞いてないが、、、あの夫人の実家の方がよくない噂はたまに聞くな、、、」
そんな事を話していると、3人のいる部屋についた。
「それじゃあ俺は向こうに戻る、後話が終わったらリハイムから話があるからまだ屋敷にいてくれ」
「リハイムって領主のことですか?」
「そうだ、まぁ話っていうのはその時聞いてくれ」
そうしてロイドさんは戻って行った。
その後部屋に入って見たのはみんなの服が綺麗になっていて、テーブルのお菓子に夢中な姿だった。
「みんな寛いでるみたいだね、その服はどうしたの?」
美味しそうにお菓子を食べている3人に聞いてみた。
「あ、姉ちゃん戻ってきたのか、これはなんかメイドの人が着替えろって」
ゴッツがそう答えると部屋の端に控えていたメアドが捕捉してくれた。
「ルカ様、そちらのお召し物は差し上げますのでお構いなく。先程のお召し物はだいぶ使われていたみたいなのでこちらで処分させて頂きました。」
「まぁ領主様のお屋敷だもんね、みんなお礼は言ったの?」
「言ったよ、そしたらお菓子出してくれた。」
どうもここの人はスラムの子とか気にしないようだ。
貴族に関わってるから以外で好感がもてた、ただ単にその服で出歩くなって事かもしれないけど。
それからは後で呼ばれるって事だからメイドさんと話しながら時間を潰した。
領主の昔話のことを聞いてみたけど「私の口からは申し上げられません」との事だったので、街のことなんかを聞いてみた。
そしたらどうも、孤児院はあるみたいなんだけど人手が足りないみたいで上手く回ってないみたいだ。
その事を何となく子供達に聞いてみたら、
「たまにご飯もらいに行く、でもないことの方が多いけど」
との事だ。
何かできる事があればいいんだけど、なんて事を考えてたら向こうの話が終わったみたいで領主の所に向かうことになった。
入った部屋はこの間入った執務室みたいな所だ、そこの部屋のテーブルについてる領主が私たちに席に勧め話しかけてきた。
「こうして会うのは2度目か?今回は随分と助かったと聞いている。とんでもない実力もあるともな」
「はぁ、、、それで私に何の様なんですか?」
「まぁ君には後でお願いを聞いてもらいたいんだが、先にそっちの子供達に聞きたい事があってなそっちを先に済ますとするよ」
そう言って子供達にスラムでの事を聞き始めた。
内容は孤児院からの支給、スラムの様子などだ。こういう食べ物が食べれない子供がいるってだけで、領主なんだから何とかしろよって思うけど、よくするために聞いてるのかな?
「全く、、、お前たちすまなかったな。、、、ロイド、ベスターを呼んでくれ」
「わかった」
そう言ってから私への用を話してきた。
それと同時に手のひらサイズの箱のようなものを出してそれに魔力を注いでる。魔道具かな?
「、、、これで俺ら以外には声は聞こえない。で本題なんだが、、、」
あの箱は音を遮る効果があるみたいだね、それで聞いた話、頼みは
さっきあった貴族の護衛だった。
ルーミアかルーミアのお父さんが他の貴族に狙われているかもって事で相手の油断を誘いやすい見た目の私に依頼するって事を考えたみたいだ。
それに伴って私の冒険者ランクもCランクにするって話も出た。
貴族の指名依頼はCランク以上じゃないと受けれないらしくてこの依頼を受けるなら領主権限であげるって言ってきた。
「それよりこんな話私にしていいんですか?」
「あぁ、俺が問題ないと判断した。君、、、ルカは子供の味方なんだろ?そういう奴には悪い奴はいない、そうだろ?俺も3人の子供がいるからな、スラムの子達にも援助をしている。どうも俺の管理不足で迷惑をかけたみたいだがな」
「まぁルーミアが狙われてるなら手伝いますよ。スラムのことはよくわからないけど子供達が理由もなく苦労するのは見過ごせないから手伝える事があればします」
この人は意外といい貴族なのかもしれない。




