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対人戦。
ゲームとお父さんとは飽きるほどやってきたけど知らない人との真剣勝負は初めてかもしれない。
「ルカちゃんは私の後ろにいていいからね」
そういってタリアさんは私に気を使って言ってきた。
「大丈夫です、ドラゴンでもこなきゃ負けないですよ。」
「、、、今はふざけてる場合じゃないよ」
タリアさんに少し咎められた、別にふざけてるわけじゃないんだけどな、、、釈然としない。
けど少しばかり集中はしよう、油断大敵だからね
そう言って私は左の腰に差してある皎姫を抜き戦闘準備に入る。
今更だけど前に差してた黒い刀。
龍刃=孤玖劉勿論お父さんがつけた。
「、、、それ実戦で使うためにしてるの?腰のナイフの方がいいんじゃ、、、」
「こっちのナイフより硬いし使いやすいし良いんですよ」
「そ、そうなのね、、、それじゃあ始めようか。着いてきてね」
タリアさんが向かった先は戦闘してるところより少し奥のところで。
5人ほどが留まっている私は魔法で見てるけどタリアさんは魔法を使ってはいないので気配か何かを感じているんだと思う。
真っ直ぐにそこに向かっている。そんなタリアさんの顔には目元まで隠したマスクをしていた。
なんでか聞いてみたら「ただ単に顔を見られたくないからよ」と返された、仕事は大体予想はついてるから深くは聞かなかったけど。
「そういえば向かってる所にボンゴツがいます」
「例の冒険者の話は聞いてるけど、中々厄介ね、確かじゃないけどcランク以上の力を隠してるって噂を聞いたから、決闘で勝ったからって油断しちゃダメよ」
「わかりました」
、、、それを聞いて油断大敵とか言いながら少しばかり舐めてたのを自覚して心の中で自責する。
ミスったら簡単に死ぬし、リアの命だって懸かってるかも知れないんだ、、、しゃんとしないと。
「、、、ここから一気に行くよ」
小さな声で言ってきたタリアさんに私は声を出さずに頷いて返した。
敵との距離は150m程
相手は私たちのことに気がついてると思う、5人がこちらの方に3.1.1で逆T字陣形のように動いたからだ。
「タリアさんバレてるよ!あと魔法も来るから!」
私は走りながらすぐ前のタリアさんに伝える、知ってると思うけど一応だ。
2人とも身体強化してるのでものすごい速度だ。150mなんて森の中だけどあっという間、すぐに敵が見えてきた。
剣を持った奴が3人前にいてその後ろに魔法使い、で1番後ろにボンゴツ
前衛の隙間から魔法が飛んできた、ロックバレットだ。
来るのはわかってたから私もロックバレットで撃ち落とし相殺した。
タリアさんは少し驚いた様子だ。
「魔法使いは任せて」
短く言い素早く右に移動して魔法を打ち始めた、アイスバレットを魔法使いに何発も打ち続けた、一応牽制のつもりだ。
魔法のことを気にしなくて良くなったタリアさんは真ん中の男へと一気に近づいた。タリアさんの武器はダガーだ。
近づき懐に入ろうとした時比較的近くにいた、左の男の方に方向転換しフェイントに気が付かなかった相手は腹に蹴りを喰らい膝をつく、そこに顔面目掛けてトドメの右蹴り。
真ん中の男もフェイントにかかり剣を振り下ろしすぐさま横に切ろうと切り返そうとした時には既に仲間の顔面に蹴りが入る直前だ、
攻撃のタイミングは完璧。
蹴りが当たり右脚を着いたら少なからず隙ができる。
タリアさんは後ろの攻撃を知ってか、顔面を蹴り抜き左脚を軸に回転しながらしゃがみ頭の上を剣が通り過ぎると同時に後ろ向きにしゃがんだまま片手を地面に突き顎目掛けて、蹴りを突き上げた。
クリーンヒットした男は上に2m程飛び頭から落ちた。
あれ死んでるんじゃないかな?
て言うよりタイアさん体術強すぎ、、、
横目で見てたタリアさんと3人との速すぎる決着と同時に私も動く。
魔法を打ちながら魔法使いに近づき、少し細工したストーンバレットを放つ。
相手は勿論撃ち落とす、当たりやすい軌道で放ったからね。
当たった瞬間結構な量の粉塵が舞い上がった。
ストーンバレットの中を粉塵に変えたんだ、そうすることによって着弾したら周りに粉塵が舞って相手から私の姿が見えなくなる。
勿論私は探知魔法で丸見えだけど。
それで私は一応囮として弱くウィンドバレットを前にはなってから横に回り込む。
「どっか行った!、、、そこか!」
相手は私が放ったウィンドバレットが人が通った時の粉塵の流れだと思ったのか、そこに向かって魔法を打ちまくってる。
嬉しいほどにハマってくれる。
「、、、残念」
声に反応した魔法使いと目が合った。
けどそれは蹴りが当たるのと同時。
「あっ」
ちょっと強すぎたかもしれない。
人が横に飛んでる、、、しかもタリアさんのすぐ横を通り過ぎて。
「ル、ルカちゃん、やりすぎよ!」
「ご、ごめんなさい。で、でも多分生きてます、、、」
充分タリアさんもやりすぎじゃないかな?って思ったけどここは黙っとく、、、
短くそんな会話をしてると鬼の形相のボンゴツが話しかけてきた。
「女とガキにやられやがって、、、後で半殺しにしてやる、、、
それと、テメェ昨日のガキか?なんでいやがる、、、」
「、、、別にいてもいいでしょ。それより宿屋の子供攫ったでしょ?
どこにいるの?」
「はぁ?俺がどこのガキさらったかなんて一々覚えてる訳ねぇだろ!売れりゃぁどこのガキだって変わりわしねぇんだから」
「タリアさん。コイツ証拠出てないのに自白しましたよ。バカですね?」
「、、、追って全滅させたら、売り払おうかと思ったがヤメダ。テメェも殺す、、、」
挑発が効いたのか更に眉間にシワを寄せたボンゴツがそう言ってくる。
そんなボンゴツの手には先ほどまでは無かった、刃渡が私の背丈程で幅が4、50cmほどの赤い血管のような模様が浮かび上がってる大剣が握られていた。
「テメェもコイツのエサにしてやる、、、」
その言葉が第二開戦の合図となりお互いに武器を構える。




