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決闘が始まったがボンゴツは攻撃してこずこちらをニヤニヤこちらを見ている。
「なんだおめぇビビって動けなくなっちまったのか?へへッ。俺も中々にツイてる男だぜ、コレクションが増えて上物のガキも手に入る、、、」
「そう?じゃあ私もラッキーだな、お金手に入るし。あっでもあんたが貧乏だったらそんなに手に入らないか残念」
「、、、殺してやるぜ!」
こいつと話してるとイライラしてくる、、、
だから私もとことん挑発することにした。
最後の言葉を皮切りに素手での肉弾戦が始まった。
まずは相手の攻撃を避けながら様子を伺う、そんな事をしていると周りからもボンゴツからも声が聞こえる。
「コイツただのガキじゃねぇな、調子に乗りやがって、、、」
「おいおいあの子ボンゴツの攻撃避けてるぞ!」
「すっご!全然当たってないじゃない」
「ン“ー、大穴狙ってあの子に賭けとけばよかったかも、、、」
周りからはそんな声が聞こえた、簡単に避けられるけど
cランクってこんなもんなのかな?
周りの声を聞きながら攻撃を避けていると、ボンゴツがラッシュを、仕掛けてきた。
パンチの合間に私を掴もうとする攻撃も見える。
まぁそれは避けられ続けられたら掴みたくもなるけど、掴みたいのが丸わかり、そんなんじゃ捕まらないよ。
顔に掴みの攻撃が来た、これも軽く躱わそ、、、あぶっ!
咄嗟に後ろに引いたけど本命のパンチの追撃が来る、これは躱せないかな?と思うよりも先に体が動く。
右手の攻撃に合わせてコイツの懐に潜り込んで襟を掴み背負い投げをする、落とす際に少し勢いを付けるのも忘れない。
ゲーム時代は武器だけじゃなくて色んなジョブも経験してきた、
その中の肉弾戦に特化した拳闘士、柔スタイルと剛スタイルの2つを使い分けて戦うジョブでその中の柔派生のスキル【レミスター】が無意識に出てきて嬉しく思う(こんな大層なスキル名だが単なる背負い投げだったりする)
「がっ!はっ!」
打ち付けられたボンゴツ息ができないのか苦しそうにして、
野次馬たちも息を忘れたように静かになっている。
「今の見たか?」「あの巨体を投げ飛ばしたぞ!」「すげぇぞ!あの嬢ちゃん」
そんな声が段々と聞こえてきて、決闘は益々の盛り上がりを見せる。
「、ぜっ!、ぜってぇ殺してやる!」
息を整えたボンゴツの魔力が身体を巡るのを感じる
身体強化かな、ちょっと厄介そうだしそろそろ私も戦おうかな。
そう思うと同時に結構早い速度で迫ってきたボンゴツの攻撃を流してボディに攻撃を加えていく。
段々と籠める力を上げていく、今更ながら『ギリギリ勝って』、って言うのは途轍もなく難しいんじゃないかな?攻撃も受けたくないし。と思わなくもないので予定変更でギリギリ勝てるだけの力をコイツに当てて行く事にした。
「このっ!この! っ!ヴァボっ!」
この辺がギリギリ耐えられない限界か、やっと膝をついた。
根性だけは中々あって困った、
「もう、降参?負け認めたら終わりでもいいけど?」
「、、、ゃがって、、、な!めやがってぇ!」
そういったと同時に屈んでいる状態からアッパー気味にパンチが来た、
簡単によけられたけどこいつ暗器使っている!拳の間から出た1cmほどのキラリと光るものが確かにみえた。
軽く周りを見てみるが武器を使っていることに気が付いてる人はいなさそうだ。
どうしようかと思っていると勢いよくこちらに迫ってきた。
「これって武器使っていいんだっけ?」
「バレなきゃいいんだよ!お前は黙って死んどけ!」
私は攻撃をよけながら会話した。
ほんとにどうしようかな、『武器使っている』って止めてもなんかうまく隠される気がする。
「ん~,,,まぁいいかどっちにしろ私が勝し」
「,,,!」
いい感じ、大分頭に血が上っているみたい、攻撃が凄い単調になっている。
こういう相手は戦いやすい。
一発もかすりもしないから更に力を入れて仕掛けてくるボンゴツに、これ!っと思い攻撃に合わせる。
私がしたことは考えるだけなら簡単そうに見える芸当、今のボンゴツの状態だからできることかもしれない,,,一般人なら死んでしまうんじゃないのかと思うほどの力を込めて大振りで私の顔めがけて攻撃が来る。
それを半身後ろに素早く下がり、少しだけ身体強化をして、文字通りボンゴツの拳に合わせる。
さっき言った芸当はこれの事。
武器が拳から出ているならそれを躱せばいいだけ、
私より3倍ぐらいありそうな拳と突き合わした私の拳は無傷,,,なぜなら相手が持っている武器,,,暗器を躱せばいい。
軽く握った拳の人差し指と小指に少しだけ金属の冷たい感触がする。
「ッゥグ!」
拳を交わしたボンゴツは一歩後ろに下がり小刻みに震えている右手を抑えている、手の甲には出血と白いものが見える、そんな見たくもないけど見えちゃったものはしょうがない。
それと同時にボンゴツの手からコロンっと暗器が落ちた。
「ギルド決闘終了!」
そういったの審判の受付嬢じゃなくギルマスだった。
「ボンゴツの不正をオレが確認した。よってボンゴツの反則負けで冒険者ルカの勝利とする!」
周りの野次馬たちは一部を除きよくわからない顔をしている。
そんな冒険者たちを見たギルマスは説明をする。
「ボンゴツは決闘ルールに決めた素手のみの決闘に武器を使用した!証拠はそこに落ちている」
そう指をさしながら場をまとめた。
「こっ、これは,,,」
「てめぇ言い訳もいいが、ギルドから逃げれると思うなよ,,,」
「チっ,,,」
「別室に行くぞついてこい,,,冒険者の掛けに関してはニファーに任せる!黙って従え!」
「え!?、あ、は、はい!」
受付嬢の名前はニファーと言うらしい、その人が少し戸惑った感じで返事をしていた。
そんなこんなで
金策イベントは幕を閉じた。