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「ん~,,,夜は魔物とかは出なかったな」
少し明るくなったころに起きた私は伸びをしながら少し残念そう言い起き上がった。
収納空間からパンを出し軽い朝食を済まして、まだ少し熱を持っている炭を処理し今日も未知なる冒険に期待を高ぶらせ足を進めた。
しばらく歩くと森が浅くなってきたのか魔物が減ってきたと思う
更に5分ほど進むと森が切れたのか奥から草原が見えてきた。
「やっと抜けられたか、それより今はどの辺にいるんだろ?
とりあえず人探してみようか」
森を抜けると視界のほぼ全てが綺麗な緑の草原で埋め尽くされている、左を見ると森の境目が北の方に伸びているのがわかる。
相当大きな森林になっているみたいだ。
精度が落ちるが探知魔法の範囲を広げてみる。
「誰かが魔物に囲まれてるのかな?まずは行ってみようか」
範囲を広げて早々に左の森林沿い約1km先に反応があった。
「おいレーナ!そっちは大丈夫か?」
「今は何とかなってるけど、ハイド隊長こそ大丈夫ですか?」
近くに行くとそんな声が聞こえ、若い女性と男性が2回りほど大きいフォレストウルフに率いられてる30匹程の群れに囲まれていた。
そんなに危ない感じはしないけど一応声を掛けてみようかな
「お二人さん、一応戦えるけど手伝いますか?」
「「っ!?」」
2人揃って振り返り驚いた顔をしているそんなに戦闘に集中してたのかな?
「お、お嬢ちゃん、ここは危ないからすぐ逃げるんだ! っ!レーナ1匹行ったヤレ!」
「わかっていますよ!」
私に気づいた1匹が向かってきた、2人は心配そうな顔をしていたので安心させる為自分から向かってくるフォレストウルフに向かい一振りで首を落とした。
「安心してよ、このぐらいの敵なら遅れを取らないから」
「な、なかなかやるな、お嬢ちゃん」
「たいち!、、、ハイドさんちゃんと見ました?、凄かったですよ?」
この人今隊長って言いかけた?何か隠すことがあるのかな?
とりあえず2人に合流しよう、ウルフたちに注意を向けながら2人に近づいて行った時、少し離れたところにいたボスっぽいデカいフォレストウルフが吠えた。
それを聞いた周りのフォレストウルフ達は森に引き返していき、最後に残ったボスウルフは私をジッと見ながら森へと消えて行った。
「なんか、行った様だな」
「よかった〜、普通のはともかくあのでっかいの絶対ヤバい奴でしたよ!」
女性は地面に腰を下ろし、男性は剣を仕舞いながらそういった。
「それよりお嬢ちゃんは怪我ないか?」
おじさんが心配して尋ねてきたが、お嬢ちゃんと呼ばれるのはなんかしっくりこない。隠してるから言えないがこの人より絶対長生きしてるし。
「何も問題ないよ、それと私のことはルカって呼んで」
「そうか、怪我がなくて良かったよルカ。それにしてもいい腕じゃないか。子供に見えるがこの国の冒険者なのか?」
そんなに子供っぽく見えるかな?少しだけ心外だ反論しようかと思ったけどやめておこう
「実は冒険者になろうとして近くの町に行こうと思っていたんだよね」
「冒険者じゃないのにそんなに強いのか、すごいな!」
「森の奥にお父さんと住んでて狩りとかしていたからね」
これは少し前に思いついた設定でそんな考えないで決めた、本当は島だけどボロが出なさそうだしいいかなって思って。
「それよりも二人はどうしてここにいたの?」
「俺たちはって自己紹介がまだだったな、俺はハイド、こっちはレーナだ」
「レーナって呼んでね、よろしくルカちゃん」
「よろしくレーナにハイドさん、それとレーナの耳可愛いね!」
ハイドさんはなんかどこにでもいそうな茶髪の30代ぐらいのおじさんだ。
レーナは20歳くらいで、薄ピンクの長い髪に一番目立つウサギの耳を生やしている兎人族だ、昔に獣人は見たことあるけど兎の人は初めてで思わず可愛い耳を誉めてしまった。
「ありがとルカちゃん、獣人は見たことあるんだねあんまり驚いていなさそうだし」
「そうだね昔に一回見たことあるよ」
「まぁでだ、俺たちは森で少し迷ってあいつらに追われてここに出てきたんだよ。あのデカいのと戦ったたら無傷とはいかなかったと思うし改めて礼を言うよありがとうなルカ。」
「気にしなくていいよ、でも残念だけど私も森からそんなに出たことないから町とかわからないんだよね」
「それなら俺がわかるから大丈夫だ、森から出れれば行先はわかるからな それよりルカのお父さんは相当森が好きなんだな」
「ま、まぁね,,,」
笑いながらお父さんのことを森好きとたとえたのに少しわかる気がして苦笑いで返した。
「それじゃあ助けてくれたお礼も兼ねて案内してやるよ」
「そう?じゃあお願いしようかな、それとこのフォレストウルフどうする?」
悪い人じゃなさそうなので案内してもらうことにして、周りの6体のフォレストウルフを見ながらハイドに訪ねた。
「そうだな数日なら持つし俺が持って行ってやるよ、ちゃんと一体はルカに渡すぞ」
そういって腰の茶色い革袋の口をフォレストウルフにつけた、すると吸い込まれるようにフォレストウルフが消えていった、収納空間か拡張空間が付与しているマジック袋になっているようだ。
「それは収納空間?」
気になって聞いてみた
「よく知っているな、でもこれはそんなすごい魔法は付与されていない、収納空間の下位互換の拡張空間の魔法が付与されているんだよ。収納空間が付与されてるのなんて貴族お抱えの商人か王族ぐらいだよ。なんだ?ルカも持っているのか?」
「ま、まぁねお父さんからの餞別で貰った、か、拡張空間だけど,,,」
き、聞いといてよかった~、なんか面倒臭くなりそうだから黙っておこう,,,本当は私の読んでたラノベみたいに自重しないで冒険したいけど、やっぱりリアルとフィクションは違う
昔の病室でゲームができないメンテナンス中、唯一現実で楽しめたラノベの主人公が俺tueeしてたことを思い出しながら思った。
でも異世界に来た今となったら体験してみたいテンプレは数ほどある、体験したいことを数えてるとハイドの声で話中だったと意識を戻された。
「それなら自分のに入れておくか?」
「そうだね、そうしておくよ」
私はそう言って指輪を自分が倒した獲物にかざして収納した。
「なんだ、いいもん持っているじゃんか、指輪型かすごいものくれたなルカのお父さん」
「そ、そうなんだ。ありがとう」
「袋と違って加工が難しいからな、大事にしな」
「あたりまえだよ、お父さんから貰った大事なものだし」
私がお父さんから貰ったものを粗末にするわけがない。
「よしこれで最後だな、それじゃあいくか。少しの間だが旅の仲間だよろしくなルカ」
「うん、こちらこそよろしく」
そして私は二人に付いて行く
しばらくするとレーナが話しかけてきた
「ルカちゃん子供っぽく見えるし、よくお父さん一人で行くの許してくれたね。」
「最初はダメだって言ってたけど強くなたらいいいってなって最近許してくれたんだよね」
「そうなんだね、それじゃあ今いくつなの?」
「そ、それは秘密」
「いいじゃン女の子同士だし~」
「レーナの年齢も聞かないから私も聞かない」
そんな答えずらい質問をされながら年齢も決めておけばよかったと後悔した私は
後ろの森が離れていくのを見て他人との旅も中々いいなと昔のソロプレイ時代の苦労と達成感を思い出しながら、もっとパーティープレイしておけばよかったかな?そんなことを思った私だった。