8
私はシンラ殿を見送った後休憩がてらカイルと世間話をしていたらローリエとローラがやってきてネックレスを貰ったという。
別に危険がなければいいんじゃないかと思ったが、事の顛末を聞かされ点と点が繋がったとともにひどい疲労感に駆られた。とりあえずアランを呼ぶようにローリエに言った。
可愛い、わが娘がにこやかに笑っているのに全然疲れが取れない。
「アラン、どうだ?」
「特に悪いものには見えませんがどちらで?少しどこか覚えのある魔力も少し感じますし」
「これはリリー様が連れてきたシンラ殿が中庭でローラのために作ったものだ」
「どおりで覚えがある魔力だと思ったら紅葉神樹の魔力でしたか、ですがあの葉をとってもすぐ魔力が抜け普通の葉に戻りますがどうやって作ったのですか?」
「それがどうもシンラ殿はこの葉を魔法で生成したようでな」
「んなバカな。、、、失礼しました陛下。ですが土魔法や生成魔法が得意なら形が一緒のものは出来ると思いますが、魔力まで似せるのは不可能だと思うのです」
「それでお前を呼んだんだがわからんか」
「申し訳ありません陛下、私には悪いものでは無いぐらいしかわかりません、これ以上はリリー様にお聞きになった方がよろしいかと」
「そうなんだがリリー様がいつくるかわからんしローラもこんなだからな、リリー様の友人のようだし危険がなければローラに返そうと思う」
私たちが話してる間ずっと取られるんじゃないかと心配そうにしてたローラの顔が俺の言葉で笑顔になった。
「では私が最初に付けてみますね」
そう言ったアランがローラになんとも言えない顔をされている
あれは怒っている時の顔だな。
「アランありがたいが多分大丈夫だろう、はいローラ大事にするんだぞ」
「はい!お父さま、きれいな人にまた会えますか?」
「いい子にしていればきっときてくれると思うぞ」
「わかりました!」
「そういうことだとアラン、そんなもっと見ていたいような顔をするな後シンラ殿の事は他言無用だ」
後半の言葉はローリエとカイルも含まれている、アランはリリー様ほどとは言わないが魔法に詳しいから、シンラ殿の正体に薄々気づいてるような感じだったので一応口止めをしておく。
私は王家に伝わる真の歴史書を見たことがあるので正体は分かったが正直半信半疑だ。
なんせ突然目の前に神が現れたようなものだ常人ならプレッシャーに押し潰されてもおかしくない出来事だが不思議と彼からはそのようなものは一切感じなかった。
リリー様が来ることがあれば聞いてみることにしよう。
♢♢♢♢
「ありがとうございます、それじゃあリリーの部屋まだ案内お願いします」
俺は酒を回収して色々考えた後リリーの部屋で転移することにした。
このメイドもリリーの事を知っていたみたいでスムーズに部屋に案内され、俺はそこでシン爺さんのいるガラード山の水色の苗木に転移する。
転移した先は山頂より少し低い開けた場所だ周りには何もなく黒い岩肌しか見えない、緑が極端に少ないこの山は大陸の北に位置するアースルドラグーンという竜人が治る国にある。
シン爺さんはこの国では結構自由にしているようだ「この山はワシのも物だ」とか言っていたし、実際前に来た時にいた竜人に慕われていたし伊達に俺より長生きしていない。
そんなことを思いながら爺さんの家に向かって歩いていると前の空から見覚えのある人が降りてきた。
「シンラ様お久しぶりで御座います。お迎えに上がりました。」
そう言って今まで飛んでいたのが嘘だったかのように静かに着地し、一礼しながら挨拶してきた。
そんな彼女は王宮のメイドより装飾品がついて豪華なメイド服に少し気が強そうな顔だがとても綺麗な顔立ちで、出来る秘書みたいな感じだ。
髪は白と黒が半々で入り混じった長い確か姫カットだったかそのような髪型だ。
向かって左眼が赤色で右が青色のオッドアイ、俺と同様滅多に見ない容姿だ、そんな彼女の名前はオーパス=シェリー
爺さんの子?と言っていいのかわからないがとにかく爺さんから生まれた様でこの世界にわずかしか存在しないエンシェントドラゴンの一体多分俺より強い。
昔怒ったシェリーさんの攻撃に巻き込まれて痛い目を見た
まぁとりあえず今は爺さんちに行くか。
「シェリーさん久しぶりだね、爺さんまだ生きてる?」
「シンラ様お戯を、私ごときが語るのも烏滸がましいですが、主は不滅なる方万が一にもあり得ません。(まぁそれを可能にしそうだったのがシンラ様だったんですけど忘れたのでしょうか?)」
「冗談冗談、爺さんの強さはしってるって」
「はぁ、シンラ様はお変わりない様で、それと私以外の竜族にはご冗談は控えてくださいませ、頭が固いものばっかかりなので」
「そうだね、昔みたいにレックスに絡まれたらやだからねぇ」
俺は昔ここにきた時に赤いドラゴンに絡まれた時の事を思い出しながら返事したり
「その節はルカ様を泣かせてしまい申し訳ありませんでした。レックスにも良い薬になりましたしありがとうございます。」
「帰ったときルカも楽しかったって言っていたし気にしなくて良いよ、俺も大人気なかったとおもうし」
あの時はレックスが絡んできてルカが泣いてしまったが結果的に楽しかったと言ってくれたので爺さんに会いに行った甲斐がある。
冗談を言いながら話していると目の前に山にめり込んだ様なでっかい洋館が見えてきた。
ここが神によって世界の危機が来るまで不干渉を命じられ(本人談)この山に籠ってる不滅なる存在、シン・ガラードが住んでいる場所だ。