プロローグ
もっと遊びたかったな、、、
諦めた人生のはずなのに自然と涙が出る
16歳の夏俺は事故にあった、バイクで調子に乗り単独事故だ。
家族みんなで泣いた、母さんも、父さんも、妹も、もちろん俺も
ただ俺だけ声は出たなかった
そうだよな眼球以外動かせねぇんだもん、
日常が急に奪われ、後悔、恐怖、自由への渇望それらの負の感情に心が耐えられなかった
だから俺は人生を諦めた。
半年くらいは死にたいと眼だけで伝いていた。
だけどやめた母さんが何も言わず涙を流した、それを見て伝えるのをやめた。
それからは心の中で死を渇望することにした。
なんと退屈だったか
早く迎えに来てくれないかな、、、
何年、何十年たったか分からないでもやっとこの時が来た、自然とわかる、、、
――――――――――――――――
目が覚めたら灰色の雲っぽいとこにいた。
「やっとおきよったかお主」
ザッ神様ぽい、白髭、白装束のおじさんが俺に声をかけてきた
(やっと、、、やっと解放されるんですね)
終われるのかもしれない安堵で自然と涙が出る。
「何か勘違いしとらんかお主?」
(何がですか?神様?、、ですよね?)
「そうじゃわしは神じゃぞ、勘違いはそこではない。
、、、死を望んだものが輪廻に還れるとおもうとるのか?」
(えっ?なに、俺死んでもう楽になれるんじゃないんですか?)
「負のエネルギーで満ちた魂を輪廻に還す意味があると思うか?伊万里森羅」
「そういえば俺ってそんな名前だったっけ、忘れてた…」
(長い年月廃人になってたせいか名前すら覚えていないなんてな、
しかも今の俺体あるのかのか?)
多分魂だけみたいになってるのかな
俯いた時に体がないのに気がついた
(まぁ…輪廻とかよく分からないしいいか…早く終わりたいな…)
自分で言って出るはずのない涙が出た気がした。
輪廻に還れない、、、世界に除け者にされてるみたいだ、、、
「お主!消えるぞ!」
神様に言われ暗くなってきた視界が少しだけ明るくなった気がした
「そんな無下にするものではない、
今回わしは輪廻に還れないお主に提案をしにきたんじゃ」
(俺はもう消えるだけじゃないのか…疲れたからもう終わりにしたい…)
「まてまてお主にとっても悪いことじゃないぞ
なんたって輪廻に還らん魂を転生させたいと言っとる知り合い がいるもんでな、ちょっとは話聞きたくなったか?」
冷え切った心が少しだけ高鳴った気がした
「お主こういうの好きでわはなかった?」
そうだよ俺は冷え切った心の中、終われ終われと言い聞かせていたどこかで思っていたはずだ
もしかしたら…これが終わったら…もっと我慢したら
きっと…きっといいことがあるんじゃないかと、夢にも見た展開が待ってるんじゃないかと
(そ、そうだよ、俺こういうの待ったたんだよ!
聞かせてください!その話!)
視界の端の空が少しだけ明るくなった気がした。
「それでわしからの提案なのじゃが
単刀直入に言うとお主、異世界の神に買われんか?
ということじゃな」
(買われるってどういうことですか?)
「まぁなんだ、その神にちと借りがあっての
『なんか〜頑丈で忍耐強い魂あったらちょぉだぁい』
と言われての、でちょうど輪廻に還らんお主がいたからな…
という流れじゃ」
(それ俺大丈夫なんですか?)
「わからんただ、こっちの世界で転生させる云々言っておったから生まれ変わるのは確かじゃと思う。人格も心配無いと思うぞ
消したらわざわざ世界を跨がせる意味がないからの
あと中身がある魂は自我を保たんと渡らせることができないから
お主の確認が取れたらすぐにでも飛ばせるぞ。」
(も、もちろん行きます!虫とかに転生ってなったらちょっと嫌ですけどせっかくのチャンス頑張ります!)
「そうかそうか、それはよかった
これでやっと借りが返せそうだ。
そうそう、そういえば、、、」
最後まで話が終わらないまま俺の意識はプツンと消えた。