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果てぬ戦場の物語  作者: たぴぴ
6/15

2層への挑戦

続きます

初めてダンジョンへ潜ってからしっかりと1日丸々休んで旅の疲れを癒した俺はダンジョンの2層へと足を踏み入れようとしていた。


「ゴブリンを相手にするのならこの籠手に付いてるとげで十分戦える気がするんだけどどうだろう?」


正直ゴブリン相手にもまたとげを生み出して戦うというのは少し気が引ける。


というのもスライム相手にはとげが短すぎて核まで届かなかっただけで、普通に考えてとげの付いた籠手で殴られてノーダメージなわけがないのだ。


「魔力の消費を抑えられるのならそれに越したことはないよな」


よし、今日はできるだけ魔力を使わずに戦ってみよう。





「いらっしゃい、今日は何をお求めだい?」


もちろん、魔力を使わずに戦うからその分安全には気を配るつもりだ。


だから俺は今雑貨屋に来ていた。


「回復ポーションの最も効果が低いものを2つお願いします。」


「効果が1番低いやつか?お前さん見たことない顔だし新人だろ?もうポーションが必要なのか?」


「はい、俺武器が籠手なもんでリーチがない分回復には万全を期しておきたいと思って。」


「ほう、籠手とな。それはまた難儀な祝福を与えられたもんだ。よくそれで冒険者になろうと思ったな。」


「騎士団に入るよりは冒険者になった方がいいと思ったので。」


「それもそうか、ほら低級ポーション2つで銅貨二枚だ。」


あれ?銅貨二枚?


「思ったより安いですね。」


「特別だよ。これからも苦労しそうだしな。適正ランクの低いうちは難儀な祝福でも頑張ろうとするやつもいるもんだ。俺はそうやつらの助けになりたくて店やってるとこもあるしあまり気にしないでいい」


このおっちゃん良い人すぎるだろ。


「ありがとうございます!」


「おう、俺はガンっつーんだ。お前さん名前は?」


「アズマっていいます。」


「アズマか、いい名前だ。そんなお前に1つアドバイスしてやろう。」


「アドバイスですか?」


「そうそれ、敬語だ。」


「敬語?」


「冒険者相手にはあまり敬語を使うな、俺たちのような商売人にもだ。」


「わかり...わかった。」


「そうそれでいい。特に商売人相手に下手に出ると踏み倒される恐れもあるからな。」


ガンさんすげえ頼りになるな。


「ただし女には敬語を使え、特に目上相手にはな。覚えておけ、男は女には絶対に勝てん。分かったら行って来い。」


なんか一気に頼りなくなったな。


「ははは、分かったよ。それじゃあ行って来る。」


「死ぬんじゃねえぞ!」


「おう!」






店を出た俺はそのままダンジョンの2層に来ていた。


1層?素通りだよ。


ここからは本格的な戦いが要求されるから気を引き締めて行こう。


警戒しながら通路を進んでいると、


「来たか」


「グギャッ」


緑色の身体、子どもくらいの背丈、装備は腰布とこん棒


間違いない、事前に調べた通りだ。


つまりあいつがゴブリンだ。




スライムとは違いゴブリンは出会うとすぐに襲いかかってくる。


そのことを頭に入れてまずは相手をよく観察する。


対ゴブリン用の作戦は考えてある。


相手の出方次第だ。


「グギャッ!」


やはりゴブリンは駆け引き無用とばかりに真っ直ぐ突っ込んで来た。


考えられるこん棒の振り方は主に2通り。


縦振りなら横に避ける、横振りなら籠手で防ぐ。


果たして...


「縦!!」


縦振りなら避ける!!


「グギャギャッ!?」


そして隙ができたところを...!


「おらぁ!」


「グギャッ!」


俺はゴブリンの喉を殴りつけた。


やはり籠手にとげが付いているからであろう、ゴブリンは喉にとげが刺さりそのまま粒子となって消えて行った。


「よし!よしよしっ!!」


いいぞ!相当冷静に戦えた!


これは喜んでもいいだろう!作戦を立てた甲斐があったというものだ!


しかしここはダンジョンの中、あまり気を抜きすぎるわけにもいかない。


気を引き締め直し俺は探索を再開した。





その後も同じ作戦で3匹のゴブリンを倒したが1度だけ籠手で攻撃を防ぐ機会があった。


「この籠手、盾としても優秀だな。」


この籠手自分の腕を盾として使うため意外と攻撃を防ぎやすいのだ。


ただ、


「正面からの攻撃は防ぎやすいけど横の防御は絶望的だな。」


手で持つ盾とは違い腕そのものが盾のため横からの攻撃を防ぐにはできるだけ身体をその方向へ向けなければならないのだ。


「しかも飛び道具は防ぎにくいしな」


そんなことを考えていると、


「グギャッ」「ギャ?」


「っ!2匹か!」


初めてゴブリン2匹と遭遇した。


「グギャ!」


こん棒の縦振りを躱しカウンターを叩き込もうとしたが


「グギャッ!」


「っ!?」


もう1匹がそれを許さない。


連携してくる魔物がいると聞いていたがこれ程厄介とは...!


「グギャッ!!」


「1匹隔離するか!」


「ギャッ!?」


飛び掛かって来た1匹を蹴飛ばして2匹に連携を取れなくする。


「今の内にこいつを...!」


その間に今度はこちらからもう1匹に攻撃を仕掛ける。


「おりゃぁ!」


「ギャギャッ!!」


殴りつけたのは身体、これでは一撃では倒せないが...


「これでさっきのやつを先に倒せば!」


大ダメージを受けたゴブリンはすぐに戦える状態ではない。


その隙にさっきのゴブリンが体制を立て直す前に攻撃を仕掛ける。


「よいしょ!」


「グギャッ!?」


蹴飛ばされたゴブリンはまだ体制を立て直しきれてないため一撃で仕留める。


「そんで!これでとどめだっ!」


そのままもう1匹にも攻撃を加え確実にとどめを指す。


「勝てた!勝てたぞ!」


2匹のゴブリンが粒子となって消えていく中、俺は勝利の余韻に浸る。


危ない場面も少しはあったがほぼ無傷で勝利を納めたのだ。


完勝と言ってもいいだろう。


こうして俺は初めての2層の攻略を終えたのだった。






もしよければ評価や感想など作者の励みになりますのでよろしくお願いします。


お金の価値は


銅貨 100円

銀貨 1000円

金貨 10000円

聖金貨 100万円

白金貨 1000万円


くらいに考えてください。

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