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幽霊公女のやり直し  作者: 猫の靴下
6/19

5.映像②王家お茶会

題名が長すぎたので短くしてみました。

引き続きアニマルセラピーが功を奏したのか、少しずつ元気になるメイビスをお楽しみください。

今日のおやつは卵サンドとレタスサンド。

私が食べたかったので作ってみた。

メイビスは生のレタスに驚いていた。

衛生上の問題で生野菜は食べないんだっけね。

日本のはちゃんと管理されてるから大丈夫よ。


メイビスはグレールをひっくり返してお腹のよく伸びるとこをモフモフしてるようだ。

気持ちよさそうに伸びてる。やっぱり元は猫なのね。





映像は7歳メイビスを王家主催のお茶会に連れ出すところから始まる。


わたくしこの王城主催のお茶会で失敗してしまうの。

 同じ年の子と話したことがなくて緊張してしまって」

「私ならきっとマナーの問題でそれ以前に失敗してるわね」


顔を見合わせてお互い苦笑する。



サンドイッチを食べながら猫のグレールが私に指示してきた。


「ユーリ君、ここで王に挨拶するんだが一発やらかしてきてくれ」

「もちろん。お姉さんの場合ならどうなるか見せてあげましょう」


どうやら父伯爵はメイビスを王太子妃候補に押しまくっているらしい。

根回しに飛び回っている。

そして今日は貴重な顔つなぎの絶好の機会だ。

『聖女』じゃないかぎり可能性は低いが潰しておいたほうがいいかもしれない。




グレールが「映像のメイビスに触れるように」というのでやってみたら上手く入れ替わることができた。

見た目はメイビスそのものだ。

急に背が低くなって戸惑う。


王に挨拶をするために父と並ぶ。

礼儀正しく父の後ろに控える。


「招待ありがとうございます」

「レイモンド伯か。夫人はいかがかな?」

「はい。療養院で寝てる分にはなんとか持ちそうですが長くないかと」

「そうか。最後までよろしく頼む」

「かしこまりました。こちらは娘のメイビスです。挨拶を・・・」

そういいながら力をこめて背中を押された。

歩く気のなかったメイビスはそのまま倒れて転んでしまう。


よし!チャンスだ。

「うわあああ!!いたい、いたい。突き飛ばされたぁ~」

大声で泣きわめく。


「な、なにを!あ・・・すみません。御前失礼します」

父はあわててメイビスを脇にかかえて壇上を降りる。


「ごめんなさい。むち打ちいやー!物置に閉じ込めるのいやー!食事抜きはもっといやあああ」

「ごめんなさい。ごめんなさい。

 お胸小さくてごめんなさい。太ももにホクロなくてごめんなさい。篭絡できなくてごめんなさい」

「この世で王よりも偉い伯爵様に逆らって・・もがもが」


父に口を塞がれた。

ううむ残念。


周りのご婦人方は扇子で顔を隠し、意味の分かった殿方は顔をそらしていた。





映像からもどってきたらメイビスは眼を白黒させて酸欠状態だ。

あわてて猫のグレールを渡して癒しを補給させる。


「これはただの映像。現実が代わるわけじゃないから安心して。

 あと、ごめんなさい」


グレールもびっくりしたのか間抜けな顔してた。

ここまで動揺するとは思わなかった。

メイビスはやはり令嬢なんだなぁ。

がさつな日本人の私とは大違い。



お茶を飲んで落ち着いた後、メイビスは話し出す。


「あそこまでやったら・・・婚約はなくなる・・・。

 いえ、むしろあそこまでやらなくてはいけなかったのね」

「め、めいびすぅ?あの・・・私がやりすぎちゃっただけで・・・

 そ、その他の方法があったらそのほうがいいと思いマス」


「ユーリ違うのよ。

 あの時のわたくしは覚悟が足りなかったのだわ」

「でも篭絡の話や王より偉いは無しですね。すみませんでした」

「本当にいいのよ。それに・・・ちょっとだけスカッとしたわ」


顔を見合わせてお互い「ふふっ」と笑った。





「子供なら大目にみてもらえたのね」

「そうよ。幼児最高!『泣く子と地頭には勝てぬ』という諺もあるんだから」

「あらなにそれ?」

「聞き分けのない子や横暴な伯爵とは、道理で争っても勝ち目はないってこと」

「確かにそうなんだけど、ユーリがすごいだけで・・・」

「そんなこと言ってるから死んじゃうんでしょ」

「うぅ・・・」


困った顔で猫を伸ばしたり、撫でたり。

グレールは知らんぷりして伸ばされながら寝てる。

メイビス頑張れ。

次はちゃんと自分の意思で正しい道を選ぶのよ。




もし、少しでも面白かったと思っていただけたのなら、

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