ねがいごと。
あるところに明るくて、元気な女の子が住んでいました。その子にはベスというお友達がいます。兄妹のように仲が良く毎日二人で遊んでいました。
ここのところ、女の子に元気がありません。ベスはそんな女の子のことを心配していました。
ある日、女の子が倒れてしまいました。お医者さんが駆けつけて診察をすると、女の子が大きな病気にかかっていることがわかったのです。
その日から二人で外に出かけることはなくなりました。女の子は一日の大半をベットの上で過ごします。
日に日に病気は悪化していきます。ベスは女の子のそばを離れることはありませんでした。ずっと女の子の手を握って神様に祈っていたのです。
「どうか彼女の病気を治してください」
ただ祈り続けました。
ですが、神様がベスの願いをききいれることはありませんでした。
ベスはある日思い出しました。お母さんが小さい頃にしてくれた流れ星の話を。
「流れ星にお願いをすれば、なんでも叶えてくれるのよ。」
お母さんはこういっていました。
その日の夜ベスは丘の上に流れ星を探しに行きました。流れ星は見つかりません。何日も何日も、ベスは丘の上で流れ星を探し続けました。
ですが、流れ星は見つかりません。女の子はどんどん弱っていきます。
もう女の子の命が長くないことは、お医者さんに言われなくてもわかっていました。
ある朝、流れ星探しから帰ってきたベスに知らされたのは女の子の死でした。ベスは泣き続けました。ただただずっと涙を流していました。
その日の夜もベスは無意識に丘の上に来ていました。女の子に会いたいと丘の上でもベスは泣き続けました。
その時、夜空にキラリと動く光が見えました。丘の上が昼間のように明るくなりました。ベスの耳には、はっきりとこう聞こえました
「あなたの願いを叶えて差し上げましょう」と。
ベスは眩い光に包まれました。そして次に、気がついた時には女の子の部屋にいました。
そして、ベットにはスースーと気持ちよさげに寝息をたてる女の子がいました。
ベスはまた涙を流しました。今度は嬉し涙です。流れ星の妖精が僕のお願いを聞いてくれたんだ。
次の日の朝はみんなびっくりしていました。女の子はとても元気に、病気にかかる前の女の子に戻っていたからです。
そして、ベスと女の子は幸せに暮らしました。
おじいさんと、おばあさんになるまで。