125.悪魔
あと1日で最終回となります…!
ぜひとも最後までお願いします!!
「・・・はぁ~。」
兄様は呆れたような表情で頭を抱えた。
そしてスズネちゃんが掴み続けている腕を振り払った。
「みな!よく聞け!!私はハールティアを愛している!!ここに居る全員が証人だ!!」
兄様がハールティア様の元へいき、言葉を発するとスズネを除いた会場にいる人が兄様を中心として膝まづく。
そして、スズネちゃんの方へ兄様が向き直る。
「それ以上の我が愛する婚約者・・・いや、妻に何かを言うなら許さない。我が権限をもって貴様を処す。」
スズネちゃんは予想外だったのか、兄様の強い眼光に刺され、後ずさりをする。
そしてスズネちゃんは私の方を向いて、肩を強くつかむ。
「レンド君は・・・?レンド君はあんな女狐と結婚なんて嫌だよね!!」
狂気なその瞳には光はもうなかった。
そして、私もスズネちゃんを押しのけるなのところへと向かう。
ルナは心底安心したような表情をした直後、恐怖に満ち溢れた顔をしだした。
後ろをバッと振り向くと、そこには元の容姿を失ったスズネちゃんだと思われる物体と私たちのような形をした嫌悪の雰囲気を纏った悪魔がいた。
私たち4人の方へ攻撃をしてくる。
とっさにルナを守ろうと庇う体制に入る。攻撃が当たる覚悟をしたのだが、私たちに攻撃は来なかった。
そして、背後で「うっ」という声が聞こえる。
すぐさま振り向くと、倒れこんでいるステン先生がいた。
「なっ!!ステン先生?!」
「レンド君・・・あれは悪魔だ。すぐさま君らだけでも逃げろ。」
「悪魔・・・。」
その言葉には覚えがあった。
聖女が呼ばれた理由は、悪魔討伐のためだ。実際ゲームの中では様々な攻略対象と一緒に悪魔の住む森に行くなどのイベントがあった。
悪魔は聖女じゃないと倒せない。
その瞬間絶望してしまった。聖女と悪魔が手を組んだら、もうどうにもならない。
私はルナの方を見て、ぎゅっと抱きしめる。そしてハイツに頼む。
「ルナを助けて。」
「レンド様。嫌です。レンド様も一緒に安全なところへ。」
「ダメだ。ルナを連れて行ってくれ。」
「いや・・・です・・・!!」
ハイツは涙ぐみながら、まっすぐ私を見てくる。
「・・・わかった。」そういうと、ハイツは少し喜んだ表情を見せる。
「・・・この手は使いたくなかったけど、これは命令だ。ルナを連れて安全なところへ行け!」
私がそういうとハイツの耳飾りがぽわっと光る。
ハイツはルナの方に向き、ルナを丁寧に持ち上げて会場の外へと行く。
その横顔には涙があふれていたように見えた。
私は覚悟を決め、悪魔の方を振り向く。
「レンド君・・・やっぱり私を選んでくれたんだね・・・!」
そういって殴りかかってくる。
明らかに好きな人にする行動じゃないでしょ!!
私はそんな事をおもいながら、自分に身体強化の魔法をかけ、攻撃を避けていく。
兄様はステン先生とハールティア様を外へと連れていく。
会場にいた人達も避難ができたようだ。
よそ見していると、攻撃が当たってしまう。床に打ち付けられ、背中と腕が痛くなる。
あまりにも衝撃が強く、立ち上がることが辛い。しかし、ゆらゆらと立ち上がり威嚇を使う。
今まで使ったことがないほどの威嚇をし、自分にもピリピリと響く。
悪魔も少しひるむ。しかし、容赦なく攻撃をしてくる。
「クッソ・・・。数が多い・・・。」
「ねぇ。もうやめて、彼女と結婚しよーよ?」
横から声が聞こえ、バッと振り向くとそこにいたのは、私の形をした悪魔だった。
「そうすれば、君が愛する?ルナとかいうやつも、この国も何事もなく終わるよ?君が犠牲になれば。」
「私のルナを気安く呼ぶな。私の形を被った化け物め。」
「化け物・・・化け物か・・・ハッハハハハハハ!!」
悪魔は急に狂ったように笑い始める。
私はその隙に逃げようとする。
しかし、悪魔はどこからか生み出した剣を私の首元に置き、少しずつ首にあてていく。
「お前が少しでも動けば首が切れる。まぁ、もう切れてるかもしれないけどねぇ?」
私は声を出せずに息をのんだ。覚悟はしていた。
だけど、いざ死ぬってなるとやっぱり怖いな・・・。
こんなことなら、ルナに指輪を渡せばよかった。
・・・もうちょっと生きたかったな。私の視界は徐々に涙でぼやけていく。
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