123.卒業式
本日は普通投稿ですが、最終回に向け、連続投稿とさせていただきます!!
12月31日の20時は、最終回投稿日となっております!!
ぜひ見てください!!
では本編へどうぞ
あれから数週間。
きっぱり彼女の誘いも拒否し続け、他の攻略対象にも近づけないようにしていった。
そして、三年生つまり兄様たちの卒業式が近づいていた。
卒業式の準備ということで、学園はいつにも増してざわめいている。
それもそう、今回は第一王子の卒業式なのだから、例年よりも気合を入れている。
私は行きの馬車に兄様と揺られながら考える。
悪役令嬢。つまり兄様の婚約者である、ハールティア様の追放は卒業パーティの時だ。
あれから、私の努力は実ったようで、二人は仲良く過ごしている。
しかし、ゲームの強制力というものに怯えている私がいる。
「・・・二人で学園に行くのも、もう少ししかないな。」
「・・・はい。」
「ちょっと寂しいが、会えないわけではない。だから、いつでも悩みごとを相談してもらって構わない。俺もお前に助けられてばかりだからな。」
「・・・兄様。ありがとっ!」
兄様は微笑んで、私の頭をなでた。
それで怯えが消えるわけではない。しかし、軽減はされたようで気持ちが軽くなった。
そして学園に着く。
私たちの授業は卒業式の準備になり、役割を決めていく。
私とウィルは司会となり、一緒に練習していく。
そして、時間は去っていく。
卒業式当日。
私ははち切れそうな想いで、話を始める。
どんどんと進んでいく卒業式。その後のパーティに向け、激しくなっていく鼓動。
ついに卒業式終盤である卒業生の話まで進んでしまった。
今回の卒業生はもちろん兄様だ。
兄様の話が終わったら、国王の話。そして終わりの挨拶にる。
兄様が前に出て行く。
そして一礼をして、話し始める。
「今日は私達のために卒業式というすばらしい式を開いていただきましてありがとうございます。
卒業生を代表させていただきまして挨拶をさせていただきます。
そしてご来賓の皆様、お忙しい中、わざわざこの卒業式に参列していただいたことを感謝し、また温かいお言葉をいただきましてありがとうございます。
皆で過ごした日々は儚く一瞬のことでした。そんな中でも、これだけの生徒と交流をできたことを嬉しく思います・・・・・」
そして兄様の話は5~10分ほどで終わり、次に国王の話だ。
お父様はほんの少し話した後、「世に羽ばたく青年たちよ!!世界を愉しめ!!」と言って締めた。
「では、最後になりました。卒業式終わりの挨拶。」
そして、学園長が締めの挨拶をして、ぞろぞろと卒業生が退場していく。
それと同時に私たちもパーティの準備をする。
机を並べ替え、椅子を撤廃し、私たちの恰好も着替える。
今回の卒業式は親族や兄弟も招待可能のパーティだ。
そのため、私はルナを招待した。
危険なことに巻き込むかもしれないが、それでも私の近くにいて欲しい…。
私は学園の前でルナを待つ。
しばらく待つと公爵家の家紋が付いた馬車が目の前に到着した。
私は馬車を開け、手を差し出す。すると手は取られ、ルナが中から出てくる。
「ルナ!来てくれてありがとう!!」
「レイ様!ご招待頂きありがとうございます!」
「さぁ、早速中に入ろう!」
「はい!」
あぁ、やっぱり癒される……!!
そして私たちは仲良く手を取り合いながら、ホールに入っていく。
すると皆、既にわいわいとしており、楽しそうだ。
「ルナ!私達も楽しもう!!」
そう言って私はホールの真ん中の方へ連れていく。
そして流れている音楽に合わせ、踊る。
ルナの方を見ると楽しそうにしてくれている。良かった…!
1曲が終わり、礼をする。
その瞬間拍手で会場が盛り上がる。
それに圧巻されながら、私たちは見ていた方にも礼をする。
それが収まった後、2人でバルコニーに向かった。
「レイ様……楽しいですね!!」
「うん!!そうだね!」
そして2人で月を見る、
今夜の月は綺麗で大きな満月だ。
私は一人緊張しながら、ルナに向かって微笑む。
「月が綺麗ですね。」
ルナは頭にハテナを浮かべたあと、にっこりして「そうですね!」といった。
この世界にその意味は存在しないが、それでも私にとっては大事な想い出となった。
バルコニーから離れ、ルナはハールティア様に話しかけに行く。私もウィルと楽しく談笑する。
このまま、幸せな時間でいられればいいのに……。
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