115.不敬
連続投稿週間をやると言って数週間。
いまだできていない状況で申し訳ございません・・・。
来週再来週にはできるように頑張ります!
では本編へどうぞ!!
ハールティア様に兄様のことを話していると、中庭の中心にある木の下に誰かが見えた。
話をやめて、誰なのかを確認する。それはスズネちゃんだった。
そして、私たちが見たことを確認したかと思うと、急に悲鳴を上げる。
彼女は頭から水を被っていた。
ハールティア様と私がスズネちゃんに対して話しているところ、兄様がやってきた。
「カインせんぱ~い・・・。私、ハールティア様に水をかけられました・・・。」
兄様は私の方を見てきた。そして私はスズネちゃんから見えない位置に立ったまま、兄様に向かって頭を横に振った。
すると、兄様がスズネちゃんに向かって歩き出した。
「スズネといったか?我が婚約者と弟が悪戯をしたのか?」
「えっ?やったのはハールティア様だけです!!レンド君は止めようとしてくれてて・・・。」
「そうか・・・。レンド!彼女の言っていることは本当か?!」
「・・・私は知らない!けど、確実にお姉様は何もできないって言うことは証言できます!!」
スズネちゃんは私がハールティア様に付くと思っていなかったのか、わかりやすく焦り始めた。
兄様はため息をついてから、ハールティア様を自分の方に引き寄せ言葉を発する。
その間、ハールティア様は林檎のようになっていた。
「スズネ。お前は不敬罪で捕まりたい。そう言いたいのか?」
「な、何で悪役につくの・・・?私の方がいいよね?!ハールティア様には呆れてるんでしょ?」
「・・・はぁ。我が愛しの者に、不敬を働いたこの者を捕まえろ!!」
兄様がそういうとラインがどこからか現れ、スズネちゃんを押さえつけようとした。
しかし、スズネちゃんは咄嗟にうっすらと金色を放つ球体のバリアを作った。そのせいでラインは弾き飛ばされ、二階の壁にぶつかったのち落ちてしまった。
「ラインっ!!」
兄様が急いでラインの方に向かう。
スズネちゃんはこんなことになるなんて思わなかったのか、混乱しているようだった。
私もラインの元にいき、状態を確認する。そして医療に向いている鑑定をイメージして、容態を確認しようとする。
しかし私も動揺しているのか、うまく表示することができない。
とりあえず脈と見てわかる怪我を確認した。
脈はちゃんとある。怪我は全身打撲と擦り傷。そして一番ひどいのは、ラインの足だ。
意識を失いながらの着地だったからか、足を思いっ切り打ったのだろう。
足が・・・あられもない方向に曲がっている。
・・・見るも絶えなく、本当に見たくない。血も靴下にしみこんでおり、黒い靴下がより黒くなっている。
私は混乱している私に状態異常回復のスキルを使ったらしい。
すぐに落ち着かせ、さっきはうまくできなかった鑑定をもう一度使う。
状態:全身打撲。膝や肘、顔に擦り傷。左足の複雑骨折。気絶。
鑑定の結果出たのは、私が見た感じとほぼ同じような結果だった。
私は次にラインを仰向けにし、目を瞑った。
医療の知識はない。回復系のスキルも使ったことはない。
しかし、私がやらなきゃ。お世話になったラインに恩返しをしなければ。
その思いで、私は魔力を最大限使うことを意識した。
その瞬間。私の周りは金色の光に覆われた・・・
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