102.違和感
連続投稿週間6日目!!
ついに残り一日となりました…!
後、一日あるので見ていってください!
それでは本編てどうぞ!
次の日。
私はスズネと積極的に向き合うことにした。
明らかにこの子は何かをやっている。とりあえず、魅了のスキルを使った線を追っている。
「レンド〜!」
彼女が遠くから手を振って呼んでくる。周りの生徒はざわついた。まぁ、そうだろう。一国の王子を呼び捨てにして、大声を出すもんだから。常識的に考えるとかなり危ない子だ。
私はニコッと微笑み、そちらに近づいていく。
スズネちゃんはより早く走り、私の前で転ぶ。わざわざ体を張って、私と関わろうとするのに意味がわからず顔をしかめた。
しかし私はすぐ表情を笑顔に変え、手を差し伸べる。
するとスズネちゃんは手をギュッと握り、立ち上がる。立ち上がったにも関わらず手は離そうとしていない。
「………やっほ!どうしたの?そんなに急いで?走ると危ないよ!!」
「レンドが居たから思わず…。迷惑だった?」
「………そうじゃなくて!怪我したら、僕心配だからさ…。」
「心配?ありがとっ!!」
スズネは私の返答に満足したのか「じゃあね!!」と言って去っていった。
後ろにいたイズが笑いながら話しかけてくる。
「僕w?なんであいつの前でわざわざ一人称変えるんだよw」
「多分あいつが望んでいる私は僕だから。」
「……?何言ってるか、わかんねぇわ。まっいいや!ハイツのとこ帰ろっ!!」
イズは無邪気に笑いかけてくる。私もイズの方を向いて、一緒に笑った。
そして、前を向いた瞬間。私の顔は真顔に変わっていた。まぁ、しょうがないだろ。イズは除いて、愛想笑いをしたせいで疲れたんだ。
顔を休ませていると、何か自分に違和感を感じた。なんだ?そう思い、より繊細に感じてみる。
それはイズへの憎悪だった。なぜ?!イズの方をバッと振り返る。しかし、顔が動かない。何かが戦っているようだ。
私はとりあえず、部屋に戻ることを最優先した。
部屋につき、ハイツに助けを求めようと足を踏み込む。すると急にイズの方に足が向いてしまった。そして、イズの首を締めようと力を入れる。イズは一瞬困惑した様子を見せて、抵抗をしなかった。ハイツがどんな顔をしているかは分からなかったが、私をイズと離させようとはしなかった。
「た…す……けて……!!!」
私が何とか主導権を奪い、助けの言葉を放つ。するといきなりハイツは私の手首をトンッ!と強く叩いた。
そうすると、私の体は自由になった。
イズと私。互いに息を荒くしながら混乱していた。
イズの首はくっきりと赤く手の形が残っている。たまに咳き込んでしまっているイズは苦しそうだ。
私は涙を流した。「なん…え……?」はっきりと言葉が出てこない。
やってしまった。その言葉が脳内をグルグルと回り続ける。
私は何も言わず、フラフラとした足取りで部屋の奥に行く。
急に現実味が帯び、「ハァハァ」と息を一生懸命吸おうとする。酸素が欲しい一心で息をするが、上手く吸えない。脳が動いていない気がする。
視界がぼやけていく。徐々に暗くなってゆき、壁にドンッとぶつかる。
そのまま、意識を失った。
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