101.様子が・・・?
連続投稿週間5日目!!
少しばかり、前回の話を見ていないとわからなくなっていますので忘れてしまった方や初めて見る方は前話を見ていただけると嬉しいです。
それでは本編へどうぞ!!
「君に気があるのかもね・・・!!」
私とリックが顔を合わせ冗談のように笑っている。すると、笑っているとジェイドが怒鳴ってきた。
「そんなわけない!!スズネ嬢は俺に気があるはずだ!!」
そんな急に態度を変えられ、焦った私は一歩後ずさりする。そして、しりもちをついてしまう。
リックは「どうしたの?!?!」とジェイドを私から一歩ずつ遠ざけていく。
ジェイドは大好きな弟に傷をつけてしまいそうな剣幕で私を見てる。
私が止めようと近くに行こうとするが、リックは苦しそうな声で「こっちに来るな!」と言ってくる。
私はどうしようもなくなった行き場のない手をあわあわと動かしていた。
その瞬間。リックが唸る。私がバッとそちらを見ると、リックの首からはひっかいたような跡が残っており、そこからつぅーと血が流れていく。
ジェイドはそこで気が付いたようで、リックを抱きしめ「ごめん!ごめん!」と言い続けている。
その目からは涙がこぼれているようで、私はどうしようもなくリックに話をかけた。
「リック先輩?だ、大丈夫ですか?保健室に向かいましょう。」
私が声をかけると、リックは少し辛そうな笑顔で「大丈夫だから。」と言ってくる。
こんな時まで笑顔を絶やさないのはなんでなんだ・・・!!私がグッと言いたい気持ちを抑え込み「わかりました。とりあえず包帯をもらってきます。」というと、ジェイドが泣きながら人間の言葉ではなく私の耳では聞き取ることが不可能な音を発しだす。
すると、リックの傷跡が金色に光ってゆく。
あっ!これは・・・!そう。これはジェイドにしかできない精霊魔法の一部だろうと推測する。
傷口が完全に塞がっているリックはジェイドに優しく微笑み、「ありがとう!」といった。
まだ、泣き止むことはなかったがジェイドは「頭を冷やしてくる。」と言って、温室から出て行った。
リックは私に向き直り、ヘラッと笑った。
「いや~心配かけてごめんね~!」
「・・・ジェイド先輩は今までもあんなことが?」
「いや。初めてだ。あいつが・・・?」
そういった、リックの表情は怖く恐ろしい者へと変わっていた。しかし、その表情もほんの一瞬だけだったので安心した。
私は、あまりにもジェイドの雰囲気が違ったものになっていたので、心配した。だが、それよりも怒りに震えてしまう。
もしも、本当にスズネが原因だとしたら・・・!そう思いながら、リックの方に改めて向き合った。
「リック先輩。スズネのことは私が調べておきます。同じクラスですし。なのでジェイド先輩にあいつが近づかないように見張っていてくれると嬉しいです。」
「それは命令?まぁ、言われなくてもするよ。あいつのお兄ちゃんで片割れだから。」
リックは私をからかうようにニヤッとした。
私たちは「何かあったら、報告で。」と言って握手をし、その場を後にした。
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