6 L2:潜入、L3:盗聴、L5:尾行、L8:先回り、L10:開き直りで世界一周(ゴキブリ視点)
これはあくまで自称主人公視点の話……以下略。
引き続き「夏のホラー2021」に協賛しております。
私がこの世界に来て5年が過ぎた(補足1)。卵鞘を巡る帚母・高校生コンビとの闘いは(補足2)私の11勝317敗(補足3)。私が卵から育て上げて、交尾に至ったメス30匹は全滅(補足4)。手許には助けたばかりの卵(推定メス)が3個残されるばかりだ(補足5)。
そんな6年目、帚母・高校生を含む大集団が邪神封印の旅に出た。7大陸(補足6)のうちの北西大陸で信者が10人以上発生したとの報が入ったからだ。邪神封印に協力するつもりの私は、こっそりついていく(補足7)。だが私の尾行は想像以上に大変だった。海はもとより、川でも船を使い、馬車移動がほとんど無いなのだ(補足8)。船は荷物も沢山積めるというだけでなく、下りなら馬車より速いかららしい(補足9)。
連中と同じ船に乗れば、川船のように小型船だと、見つかる可能性が高くなる(補足10)。かくれんぼや尾行で解決できる問題ではない。そこで閃いたのが、先回りだ(補足11)。
こうして真っ先に向かった先は、予想通り北西大陸だった。ただし東海岸でなく西海岸だが(補足12)。
孫孫孫……娘ゴキブリを守りつつ、苦労して着いてみると(補足13)、遥か南の街で邪神教が発生したとの報告があった。なので、こんどはそちらに向かうらしい(補足14)。とはいえ、召喚した「勇者」達を披露し、邪神の怖さを住民に説法するので、コンビは10日程滞在するようだ(補足15)。
今度は少人数での海路なので、危険なコンビと同じ船になりかねない。だから、私は先回りしたが、それでも卵の保護で苦杯をなめた(補足16)。
しかし、先行した先で得た情報も、邪神が地球でいうカリブの島々に移動したという話だった。そして、カリブ(仮名)では、南西大陸で信者発生との報がはいった。こうして、邪神と封印チーム(+私)のイタチごっこが始まった(補足17)。
邪神の動きは不規則だった。数ヶ月行き先不明のあげく(補足18)予想外の街に現れることもあった(補足19)。その結果、いつまでも邪神の後ろを追う展開で、1年半後には7つの大陸と7つの海を渡っていた(補足20)。そして、いつしか、私は邪神封印よりも、旅行そのものに価値を見いだしていた(補足21)。
そんなある日(補足22)、到着した街で、妙な噂を聞いた。過去に邪神の発生した街の多くで、邪神発生の責任として、「勇者」「聖」の名のもとに、市郡全体に今までの倍の税金を掛けるというものだ(補足23)。 しかも「夢枕に立った」と話した人間を処刑したり暗殺したりしたとのことだ(補足24)。
このあたりのことは、帚母・高校生コンビは知らないだろう(補足25、補足26)。
実は、今までも、どうしてここまで邪神を目の敵にするのか正確には分からなかった。邪神復活後の2年半の間、邪神による直接的な被害者の具体的な話を耳にしなかったからだ(補足27)。私が邪神封印に協力する気になったのは、召喚の光で命を助けられた恩返しと、あと自己承認のためだけど(補足28)、本当に封印に協力すべきなのかどうか?
ここは恩というしがらみを捨てるほうが、来世への功徳になるかも(補足29)。もしかしたら邪神を助けるのが、巻き込まれた者として正しいかも知れないのだから。
真相解明と、封印への対処を考えるべく、開き直った私は、あえて帚母・高校生コンビと合流して、邪神探しの旅を続けた。
以下の補足は補足26を除いてゴキブリ君によるもので、筆者はその内容に関知しません。
(自称主人公視点による補足2-1)
転生特典は確かにあったようで、5年経った今も、私は健康そのもので、まだまだ長生きしそうな気がする。
(自称主人公視点による補足2-2)
この世界の人間はゴキブリ退治には殆んど役に立たない。病原菌を運んだりアレルギー性の糞をまき散らすなどのゴキブリの害を知らないし、魔法の発達で「たたく」という軽い物理行為をあまり行なわないからだ。たたく代わりに「魔法で撃つ」ことを試みるが、小型の魔法ごときで、生命力の塊たるゴキブリがやられる筈が無い。
(自称主人公視点による補足2-3)
私が卵鞘を見つけるのとほぼ同時に、連中も卵鞘を見つけており、その時の救出戦が大きく負け越している。11勝というのは、メスが全滅したあとの最後の卵鞘を巡っての攻防であり、ここで負けたら種族絶滅なので、命を賭けて救出に向かった結果だ。いずれもギリギリで卵を回収することに成功した。
というか、他の時は「下手に繁殖しすぎるんも悪いなあ」と思って、我が身の安全を最優先にするから、負けているのだが。
私が先に見つけられない理由は、おそらく私が人間の思考で卵鞘の位置を推定しているからだろう。一方で、帚母・高校生コンビが数日ごとに行なっている「ゴキブリ殲滅会議」に潜入して、内容をこっそり聞いているから、連中だけが一方的に卵鞘を見つけるということも無いのだが。
(自称主人公視点による補足2-4)
世代を重ねるごとに、この街の気候と植生に最適のゴキブリとなったが、同時に生命力が低下しつつある。それ故に、寿命の前に駆除されているのではあるまいか。
実は繁殖力も低下しているが、こちらは近親相姦のせいかもしれない。昆虫類ではあまり問題にならない筈だが、弊害はゼロではあるまい。
(自称主人公視点による補足2-5)
私にはメスの卵がなんとなく分かる。これも転生特典かも知れない。
(自称主人公視点による補足2-6)
地球の大陸分布と瓜二つで、ナウロッパ大陸、アジア大陸、灼熱大陸、北西(北アメリカ)大陸、南西(南アメリカ)大陸、北極大陸、日本大陸を7大陸と呼ぶ。ユーラシアが2つに分かれているのは、黒海-カスピ海-アラル海–オビ川低地の標高が、地球より200mほど低く、海水が入っているから。つまり地中海が北極海に繋がってるのだ。海水が入っているお陰で、アラル海の東側(アジア大陸西岸)も緑の沃野になっていて、文明が発達しており、ナウロッパとの間には船による交流がある。
他の違いはアラビア半島がアジアでなくアフリカの一部らしいことと、インドが島であること、ヒマラヤではなく天山山脈が世界最高峰であることぐらいか。どうやら、地球よりマントル流の強さがちょっとだけ違い、プレートテクトニクスのタイミングも遅れているらしい。だからだろうか、大西洋が地球より狭く、かなり昔から存在が知られていたそうだ。
ちなみに南極大陸は存在がまだ知られていないし、オーストリア大陸は「砂漠とサソリしかいない悪魔の島」と伝わっているので、ナウロッパ人は無視している。きっと、過去の勇者が原住民を守るべく、リスクを誇張して伝えたのではないかと思う。日本が大陸として扱われている理由は分からないが、どうせ黄金の国とか、巫女魔法の国とか過大評価されているだけなのだろう。
(自称主人公視点による補足2-7)
今までは隠れるだけで済んでいたが、これからは尾行という、より高い隠密技術が必要となる。もっとも、今までも「ゴキブリ殲滅会議」を盗み聞きするぐらいには近くまで行っているから、そこまで難しくないだろう。移動だけなら馬車の底にでも張り付けば楽勝だろうし。
(自称主人公視点による補足2-8)
地中海が拡大して、アジアとナウロッパが分かれ、さらにインドが島となってペルシャ湾から海峡経由で東南アジアまで移動できる地形なので、地球の地中海文化以上に海洋交通が発達して、船が半日で移動できる距離ごとに宿場街が発達していた。
船運搬が中世地球より発達した結果、内陸交通すら、川が移動経路として重要になっている。地球でもライン川やエルベ川、ドナウ川などの沿岸では船運搬が主流だったし、中国の随に至っては大運河まで作っていたが、この世界では、より小さな河川でも荷物だけでなく人の移動に使われ、運河も多い。
その反動で陸上交通は、馬車の技術も街道の整備が地球よりも遅れているようだ。都市間の街道は、大河の分水嶺を越える所以外は狭くて凸凹が多い。馬車も地球のようにサスペンション(16世紀から存在している)は未だに発明されておらず、荷馬車に壁とホロ屋根をつけた程度のレベルだ。
(自称主人公視点による補足2-9)
馬車技術と街道整備の遅れで、駅馬車のような高速移動(18世紀末までだと平均時速8kmで一日平均100km)は望むべくもなく、近年のトレイルラン程度の1日60kmぐらいしか移動できない。
一方、大河の場合、中央部の流れ自体が時速5kmほどあるうえに、風魔法や水魔法で加速できるし、休憩が要らないので、一日平均150kmほど移動できる。風魔法が使えるから、帆船が主流だ。風魔法や水魔法の上級者ともなると、力任せに風を吹かせたり水流を作ったりするのではなく、水や空気のもともとの動きを少しだけねじ曲げることで、効率よく順流を作るらしい。川の場合だと、水魔法は流れの一部を淀ませて、本流を強化すする。淀ませるという効果が非常に重要で、魔法は、実は下りより上りで重宝されている。
このあたりの効率の工夫を見ていると、エネルギー保存則、つまり魔力とエネルギーの総和が一定という保存則があるような気がする。愚考するに、魔力の大きな人間というのは、グリコーゲンを魔力に変換できるとか、脂肪の代わりに魔力としてエネルギーを貯めることが出来る人間とかではないだろうか? もっとも、魔法の為に科学や技術の遅れたこの世界では、エネルギー保存則どころかエネルギーという概念もないので、参考になるような話がないから、私の想像はあくまで想像に過ぎないが。
(自称主人公視点による補足2-10)
ネズミのように、船員に駆除されずに大洋を渡るような連中もいるから、船の中にも隠れ家自体はある。しかし、そういう隠れ場はネズミに占領されていると思うべきだろう。ネズミが私に危害を加えるかどうかは分からないが、雑食性で何でもかじるので、君子としては近づくべきではない。
それでも大きな船なら、隠れ家も多いからどうにかなろう。問題は川船で、それこそ簡単に誰かに見つかってしまいそうだ。仮に見つかった場合、他の封印チーム員はともかく、帚母・高校生コンビのどちらかが同乗していたらは、船の中を徹底的に捜すだろう。
(自称主人公視点による補足2-11)
帚母・高校生コンビの移動先は他大陸だから、川の移動の間はひたすら河口を目指すだろう。それなら、ゴキブリの体なら流木の乗っても出来る。その流木が浅瀬などに引っかかっても、短い距離なら飛んで次の流木に移れるから、帚母・高校生コンビが宿で休んでいるうちに移動することで先回りは可能だ。そこで情報収集して、同じ方面に向かう船を捜すのが賢いだろう。大洋間移動となれば、おそらく貿易も兼ねて船団を組むだろうから、それでコンビと別の船に乗って、危険を出来るだけ減らすという訳だ。その間に繁殖できればもっと良い。
と思っていたら、大船団だった。なので別の船に乗るのは簡単だった。
(自称主人公視点による補足2-12)
邪神が封印されていた氷の大陸(地球のグリーンランド)から一番近い大陸であり、実際「信者」と「夢枕に立つ」の両方が一番はじめに報告された。ただし直接経路か、それともアジア大陸北部(地球のシベリア)を通って来たのか分からず、船乗り達も、両派に分かれて議論していた。ついでに今回の封印がどの大陸で為されるかの賭けも行なわれていた。
(自称主人公視点による補足2-13)
移動中に卵が3個とも孵化したが、2匹は海水に落ちてお陀仏、最後の一匹も、旅の疲れで衰弱して、繁殖どころではない。この街で回復させて、やっと卵鞘を一つだけ作ることが出来たのだ。それで孫孫孫……娘ゴキブリの寿命が尽きた。
(自称主人公視点による補足2-14)
大西洋(仮名)を渡ったのは600人程の軍団だったが、西海岸まで来たのは300人程で、ここからは、封印チームと世話役の約50人程だけの移動らしい。専用船もちゃんと準備されている。そして、次の目的地で、残り300人は大陸東海岸を南下しながら待機しているらしい。どうやら、邪神が移動する可能性を見越していたらしい。
(自称主人公視点による補足2-15)
目先の利益を惜しみなく与えることで油断させて次第に心を縛り、縛った後は心を搾り取って魂を地獄に落とすという説法だった。邪神が与えた「目先の利益」というのがどういうものかは分からないが、話を聞く限りかなりヤバい邪神だと感じた。というのも、価値1万円以内のモノやサービスを群衆の前で「無料」とか「格安」とかで釣って、集団心理を作り上げて高いモノを売るという半詐欺商法と同じだから。
クリーンオフ制度が出来た今も被害者が跡を立たない。私も前世の人間だった頃にクリーンオフ制度でギリギリ助けられた経験があるからよくわかる。
(自称主人公視点による補足2-16)
孫孫孫……娘ゴキブリの命の結晶たる卵鞘のうちの半分以上をネズミにやられた。まさかの伏兵だ。かろうじて3個だけ確保している。
(自称主人公視点による補足2-17)
何かに似ていると思ったらCOVID-19の追跡だった。そういえば、大西洋(仮名)を渡る時に分隊長が「邪神は人間に憑依して教え広める」と言ってたな。そうか、邪神はウイルスと同じなのか。
(自称主人公視点による補足2-18)
この長期潜伏期間も、封印チームは、次の「予想出現地」に向かって移動を続けていた。
(自称主人公視点による補足2-19)
灼熱大陸の南端から、いきなり北端(アラビア半島の付け根)に現れたのは意外だった。というのも、コンビを召喚した国の神様と、その兄弟神たちの本拠で、邪神の入る余地がないと思われていたからだ。
(自称主人公視点による補足2-20)
世界を回ったゴキブリって、きっと私は初めてだね? あ、オーストラリアがまだだったし、そもそもこの世界はゴキブリがいないんだった。
邪神は風光明媚な土地の近くの街や、街なみの美しいところを好むようで、その点だけは邪神に感謝している。それは帚母・高校生コンビも同じではあるまいか。
(自称主人公視点による補足2-21)
子孫を絶やさないように、卵や孫孫孫……娘ゴキブリの保護に努めていたのは言うまでもない。もっとも、常にギリギリの闘いだったが。というのも、ネズミと塩水と気候の急変の他に、途中から帚母・高校生コンビも参戦して来たからだ。どこかの滞在で見つかってしまったらしい。
(自称主人公視点による補足2-22)
1年以上も場所を変えて新しい「信者パンデミック」が始まり続けるなんて、やはりウイルスと同じだな。これを止めるにはワクチンしか無いけど、それって、もしかして、コンビを召喚した国の国教の熱心な信者にするということかな?
とここまで考えて、ちょっと妙だと気付いた。邪神って、そこまでして殲滅すべきものなのか、と。
(自称主人公視点による補足2-23)
その土地は、ナウロッパの何処かの国の植民地か経済的属国なので、こういう経済弾圧ができるようだった。それにしても邪神教徒だけでなく、住民全員ということは、えげつない。これで住民達は、今後、お互いを監視するだろう。自粛警察の恐ろしさを知っている身としては身の毛もよだつ。弾圧は、コンビが次の目的地に向かった後に行なうらしい。ということは、毎回、合流した軍をその街に残すのは、移動の効率化のためというより弾圧のため?
(自称主人公視点による補足2-24)
公開処刑にするか、暗殺にするかは、対象の街が、どのレベルまでナウロッパの支配下にあるかによるようだ。
(自称主人公視点による補足2-25)
私は自身のサバイバルのために、始めから語学習得に努めたから、船乗り関係者の「公用語」が分かるが、日本語を話すハニートラップ要員に囲まれたあの2人は無理だろう。話す相手が日本語ばかりだから。しかも、召喚当時は懐疑的だった帚母に至っては、魔法が使えるようになった途端に態度をコロリと変えて「邪神絶対封印する」教の猛烈な信者になっているみたいだし。
日本語教育を受けて来たハニートラップ要員は、穏健な日本人がこの手の強硬手段を嫌う事は知っている筈だから、弾圧情報は隠されているに決まっている。しかし、召喚国に悪意は感ぜられず、それどころか、善意にあふれていた。
ここまでするということは、邪神が悪心だと底から信じきっているのだろう。ありうる話だ。例えば1世紀近い前のことだが、大東亜共栄圏という(名目だけはEU同様に)崇高な目的があり、自分たちがリーダーだという強烈な自己意識があって、だからこそ、他国民の心情を無視する形の侵略を始めてしまった。善を信じきった善意ほど恐ろしいものはない。
(筆者による補足2-26)
箒女「邪神が街に現れた途端に、信者が現れるって、すごいなあ」
高校生「邪神って、結局何なのかなあ」
箒女「人々を支配して人の生贄を要求するとか聞いたけど」
高校生「それってどのくらい昔の話? そもそも何の生贄?」
箒女「封印は少なくとも千年以上前から繰り返しているそうよ」
高校生「それは知ってる。でも日本でも江戸時代までは普通に生贄とか人柱とかあったでしょ? 問題は何時まで続いたかなのだけど」
箒女「それは分からないわね。言葉があまり分からないから、そんな噂や、言い伝え、昔話があっても分からないだろうし」
高校生「そっか。……ん、最近まで続いていたなら、そんな話が俺達の耳に届くんじゃ?」
箒女「でも、現地語は分からなければ、そんな話があってもあたしたちには届かないんじゃないの」
高校生「うう、それを言われると弱い」
箒女「おばちゃんは歳だから、身近な人が日本語を話してくれる環境じゃ現地語なんて覚えられないけど、勇者クンは若いんだから、色々行動して覚えられるはずよね」
高校生「日本語を話せる子と仲良くなっちゃったからなあ」
箒女「美人局」
高校生「いい子だもの。
箒女「美人局! 美人局!!」
高校生「悪意がないから美人局じゃないよ。……あれ、もしかして美人局? (じゃあ、生贄の目的は? ブツブツ)」
箒女「冗談だから。気にしないで。いい娘なのはオバチャンも知っているから」
高校生「話をもどして、じゃあ、生贄の目的は?」
箒女「確か、流行病を起こしたり天候を不順にさせて、それらを止める代わり生贄を要求したとか」
高校生「それって、どちらかというと天災で、神様の所轄ではないような」
箒女「でも、この世界には正しい神様がいて、それを妬んだ邪神が、って昔話があるじゃないの。そういえば、これって神話なのよね」
高校生「そんな神様が、なぜ天気予報もできないのかな?」
箒女「あえてしない、って事はないかぁ。 でも、どうして勇者クンはそこまで気にするの?」
高校生「本当に邪悪なら、ほとんどすべての街で、邪神が現れるや信者が増えるとも思えないから」
箒女「信者の実数はそんなに多くないのでは? あるいは隠れ切支丹的な何かね」
高校生「それは分からないけど、常に250人の軍勢がいるって、ちょっとおかしくないかなあ?」
箒女「……たしかに。すこし気をつけて邪神情報を整理しくちゃね」
という会話があったとかなかったとか。なので、自称主人公のゴキブリの予想は外れているかも。
(自称主人公視点による補足2-27)
こういのは召喚直後か、遅くとも半年以内に気付くべきという突っ込みは、現実を知らない意見として無視する。私には恩があったのだ。
(自称主人公視点による補足2-28)
これって、行動原理として重要。だって私は「特別」なゴキブリのはずなのだから。
(自称主人公視点による補足2-29)
地球とそっくりな進化をした星なので、この世界にも閻魔様がいてもおかしく無い気がする。