『 使い魔達との交流 』
【アルト】
ご飯を食べ終わってから、みんなに何をしたいか聞くと、
この家を探検したいというので案内する。
家の中から、海が見えることに息を飲み、
大きな厨房に驚き、
高そうな楽器が並ぶ棚を見て、目を丸め、
家の中に転移魔法陣があることにかたまり、
図書室を見て閉口し、
地下の食料庫と酒蔵を見て絶句していた。
「ジャックの家半端ねぇ」
セイルがぼそっとそんなことを呟くと、
ワイアットとロイールが、同意するように頷く。
俺も初めてこの家を見回ったときは、
色々と驚いたので、セイル達の気持ちはすごく理解できた。
師匠の部屋は案内できなかったけど、
俺の部屋には案内した。
ただ、部屋の中にはほとんどものが残っていないので、
俺の部屋を見た、みんなは寂しそうな表情を浮かべていた。
今度帰ってきたときは、
この部屋で、みんなで遊ぼうというと、
笑うのに失敗したような顔で、頷いてくれた……。
その表現しがたい笑みを見て『寂しい』と思っているのは、
俺だけじゃないそう思った。
でも、誰もその言葉を口にはしなかった。
もちろん、俺も。
部屋を案内し終わって、次は何をしようかという話になった。
すると女の子達が「あの楽器の音を聞いてみたい」といって、
この部屋の中で存在感を誇っているピアノを指さした。
「あれは、楽器なんだよね?」
「どうやって奏でるの?」
「どんな音が出るの?」
ミッシェルとエミリアとジャネットが、
不思議そうにピアノを凝視している。
「俺も気になっていた」
「初めて見る楽器だしな」
クロージャとロイールも興味があるようで、
聞いてみたいと口にする。
セイルとワイアットも、
とくに反対することなく頷いていた。
ただ、問題はピアノをちゃんと弾けるのが師匠しかいない。
サーラさんも弾けるけど、
最近やっと簡単な曲を間違えずに、
両手で弾けるようになったといっていた気がする。
どうするか悩んで、
ピアノがどういう楽器か気になっているだけなら、
俺が、猫踏んじゃったを弾けばいいかと考えた。
師匠に教えてもらって、唯一弾けるようになった曲だ。
よし、猫踏んじゃったを弾こう、
そう決めて、ソファーに座ってアリアケ達に、
羽づくろいをされている?
師匠にピアノを弾いていいか聞きにいった。
アリアケとシノノメが気になっていた、
ミッシェル達が、2羽に話しかけ羽をなでているのを、
横目で見ながら、師匠にピアノを弾いていいか聞いた。
すると、師匠が「僕が弾こうか?」といってくれる。
師匠の申し出に、俺はすぐに頷く。
俺も師匠の演奏が聴きたい!
それに、間違わずに弾けるようになってから、
ピアノを触っていなかったので、
きちんと弾けるか不安だった……。
師匠が手を洗って戻ってくる。
みんなの質問に答えながら、
ピアノを弾く準備をしていると、
師匠がピアノを弾くと聞いた、チームのメンバー達が、
作業の手を止めて集まってきた。
セリアさんも指輪からでてきて、
ちゃっかりと師匠のとなりに座っている。
サーラさんは、
真剣な表情で師匠を見ていて、すごく怖い。
そんなサーラさんを見て、クロージャ達が、
ちょっとひいていた。
だけど、その気持ちはすごくわかる。
ここで生活している人達は、変わっている人ばかりだから!
普段は普通? なのに、バルタスさんは料理、
エレノアさんは鍛冶、アギトさんは戦闘、
サフィールさんは魔法……そしてサーラさんは音楽。
それぞれがこだわっている分野の話になると、
ちょっと、近寄りたくない雰囲気が漂うんだ……。
ビートさんに「準備はいいの?」と聞くと、
「今度いつ、あいつのピアノを聞けるかわからないからな」と、
苦笑しながらそういった。
そうか。俺やクロージャ達だけでなく、
ビートさん達もチームのみんなも『寂しい』と、
思ってくれているんだ……。
じっと、ビートさんを見る俺を、
ビートさんが苦笑を深くしながら、
わしわしと俺の頭をなでてくれた。
「そろそろ、弾くようだぞ。
しっかり聞いとけよ」
「うん」
師匠が準備を終え、周りを見渡し苦笑する。
だけど、何も言葉を紡ぐことなく、軽く深呼吸してから、
静かに演奏を始めた。
師匠が演奏している間、誰も声をださなかった。
集中してピアノの音に耳をかたむける。
師匠が弾くヴァイオリンも好きだけど、
俺はピアノの音も好きだった。
一曲目は、以前も聞いたことがある「月光」という曲。
二曲目からは、俺達やサーラさん達が聞きたいものを弾いてくれた。
演奏が終わり、サーラさん達があと一曲とお願いしていたけど、
師匠が首を横に振って断る。
サーラさんのお願いを断った理由は、
師匠の後ろでアリアケとシノノメが、
ちょこんと座って、じっと師匠を見つめて
待っているからだろう。
アリアケ達のその姿を見て、
サーラさん達も諦めていた。
「どうしたの?」
師匠がピアノの蓋を閉めてから、
優しい声でシノノメ達に話しかけた。
アリアケとシノノメは、
つぶらな瞳で師匠をじっと見つめている。
その2羽の姿に、ミッシェルが小さな声で、
「可愛すぎる」といって目を輝かせていた。
ミッシェルのその呟きに、
デスがピクリと反応しているのは、見ないことにした。
「お腹がすいた?」
師匠の問いかけに、アリアケ達は小さく頷く。
「一緒に、果物を採りにいこうか。
食べたいものを採ってあげるから」
「ピッ」
師匠の提案に、アリアケとシノノメは、
喜びを表現するように羽を広げた。
シノノメ達の後ろで、
セセラギがしょんぼりしているのを師匠が見つけ、
セセラギにも一緒に行こうと声をかけて、
師匠は家の外へと足を向けた。
師匠がアリアケ達を連れていったことで、
チームの人達も準備に戻っていった。
「俺達はどうする?
果物食べれる?」
セイル達が師匠についていきたそうにしていたから、
尋ねてみると「食べられる」と返事がきたから、
俺達もいくことにした。
転移魔法陣を使って、
果物が実っている場所へと移動した。
この庭に植えられているものは、全部収穫しても、
次の日には元通りになっている。
最初の頃はそれが面白くて、
酒肴の人達と収穫しまくったのだけど、
倉庫に積み上げられることになって、採るのをやめた。
今は、食べたくなったら木からもいで、
食べるぐらいになっている。
だけどここ最近は、師匠がまめに収穫して、
木箱に詰め、鞄の中にしまっているのを見ていた。
何に使うのかは、わからなかったけど、
一人より二人の方が早く終わるに決まっているから、
俺も手伝うつもりでいたのだけど、断られた。
今は、友達との時間を大切にといわれたんだ。
だから、手伝うことはできなかったのだけど、
果物を収穫している理由は教えてもらった。
旅の間の、シノノメとアリアケのご飯だった。
先についていた師匠が、
アリアケ達のために果物をもいで、
皮をむいてから、お皿に入れてあげている。
その次に、セセラギにも果物を渡す。
セセラギは、果物をもらって一瞬悩んでから、
アリアケとシノノメのそばに移動し、
そっと、自分の果物を2羽のお皿へとおいた。
その態度から、セセラギはちゃんと反省して、
謝っているのだとわかった。
シノノメ達はお皿の上に、新しく置かれた果物を見て、
「ピピッ」と鳴くと、セセラギに体をピトリとつけて、
許していたのだった。
2羽と1匹の仲直りした姿に、ほっこりしていると、
師匠が今度は、俺達に果物の皮をむいて渡してくれる。
一つの果物をみんなで分けるから、食べ過ぎることもない。
一つ食べたら、師匠が「次は何を食べる?」と聞いてくれる。
ワイアット達は、最初は遠慮していたけれど、
途中から、聞かれたら食べたいものを指さしていた。
そんなまったりとした時間を過ごし、
一通り、クロージャ達が知らない果物を食べたあと、
師匠が俺達一人一人に、大きめの木箱を渡していく。
「全部収穫しても、明日には元通りになっているから、
好きなものを好きなだけ、収穫するといいよ。
その箱に入っている限り、果物が腐ることはないからね。
あと、箱に詰められた果物は、みんなの家に届けるよ」
「え?」
木箱を渡されて、戸惑っているジャネット達に、
笑ってそう告げてから、
師匠はアリアケ達を連れて、家に戻っていった。
「果物を家に持って帰っていいのか?」
ワイアットが、信じられないといったように、
瞬きをしてから俺を見る。
「師匠がいいっていったから、大丈夫」
「だけど、ここに実っている果物は貴重なものなんだろう?」
そういってセイルが首をかしげる。
「うーん……。確かに貴重かもしれないけど、
今はもう、誰も食べていないし」
「どうしてだ?」
「毎日、実がなるんだ……。
毎日毎日食べていると、飽きるよね?」
「ああ……確かに」
クロージャが苦笑しながら頷いた。
「だから、好きなものを収穫してお土産にしたらいいと思う」
「お土産か……。セツナさんは優しいな。
きっと、俺達が弟妹達にも食べさせたいって、
考えていたことを気付いてくれたんだよな?」
ばつが悪そうに、そう口にしたクロージャ達に、
俺は首を横に振った。
クロージャ達がいつも、自分達の幸せとか喜びを、
孤児院にいる弟妹達と、分かち合いたいと思っていることは、
俺も知っている。
セイル達も兄姉達から、
そうやって普段食べることができなかったものを、
食べさせてもらったのだと、それが本当に嬉しかったのだと、
だから、自分達も弟妹達に同じことをしたいのだと、
話していたから。
でも、今回はそれだけじゃないと俺は思った。
孤児院に渡すだけなら、
一人一人に木箱を渡さなくてもいいはずだから。
「それもあるかもしれないけど、
多分、師匠はクロージャ達に、
もっと食べて欲しいと思ったんだ」
「え?」
「今日は、このあとも色々食べるから、
一口だけで我慢したでしょう?
でも、もっと食べたいって思った果物があったよね?」
俺の言葉に、みんなが頷く。
俺でさえ、わかったのだから、師匠がわからないはずがない。
美味しいと思ったものを、
一口だけしか食べられないのはすごく辛い!
お昼のことを考えなかったら、
食べることができると思うけど……。
食べたことのない肉と魚を、
食べないという選択肢はないはずだ!
俺なら、迷わず両方食べる。
だけど、ロイール達には絶対に無理だと思う。
「だから、家で思うぞんぶん食べることができるように、
一人一人に、木箱をくれたんだ」
自分の好きな果物を選べるように。
「それに、初めて酒肴の人達がここにきたときも、
師匠は、今と同じことをいっていたし」
「そうなのか?」
「うん。『好きなものを好きなだけ食べて下さい』ていってた。
師匠にそういわれて、毎日収獲して食べていたから飽きたんだ」
「そうか。正直、俺も、もっと食べたいって思った。
でも、もう食べれないんだろうなって諦めてた。
だから、本当に嬉しい……」
クロージャがそういいながら、
木から果物を採って、すごく嬉しそうに笑う。
「俺はこれを、もっと食べたいと思った!」
「私はこれ」
みんなも同じ気持ちだったようで、
ロイールやミッシェルも笑って、
自分の好みの果物を採って箱の中に入れた。
そこからは、どの果物が一番美味しいかとか、
果物の収穫が終わったら何をするかとか、
お昼ご飯はどんな料理が並ぶんだろうとか、
みんなで楽しく話しながら、果物を収穫していった。
俺の分は、酒肴の人達に渡すことにした。
きっと、ジゲルさんが喜んでくれるような気がするから。
「なあ、アルト」
「なに?」
ロイールが果物を片手に俺を呼んだ。
「珍しい果物が毎日実をつけるんだったら、
どうして、売らないんだ?
俺、市場でここにある果物を見たことがない」
「これだけ美味しかったら、絶対売れるはずよね」
ロイールの言葉にミッシェルも、そういえばと首をかしげた。
「面倒くさいからだって」
「面倒くさい?」
「面倒だから?」
「そう。一度売りに出したら、
ずっと売ってくれといわれるだろうから、
その対応が面倒だって、師匠達が話してた」
「なるほどな。我が儘な人もいるしな……」
「すごくわかる。期間限定で売っているものを、
ずっと売れとかいってくる人もいるしね……」
ロイールとミッシェルが、げんなりとした表情を浮かべて、
深くため息をついた。
「商売って大変そうだね……」
どんよりとした雰囲気のロイールとミッシェルを見て、
エミリアが小さな声で呟いた。
その呟きに、ジャネットが同意するように、
そっと頷いていたのだった。
果物の収穫が終わると、
木箱の下に魔法陣が現われて、俺達の前から消えた。
きっと師匠が回収したのだと思う。
次はトランプでもしようかという話をしながら、
家の方へと歩いていくと、
家から離れた場所で、師匠が使い魔達に囲まれていた。
トキア、ギルス、ヴァーシィル、セセラギ、アリアケ、シノノメ……。
ここに、シルワとレウスがいれば、昨日の夜と同じになる。
「うわぁぁ……使い魔がいっぱいいる!」
ミッシェルが嬉しそうに声を弾ませて、
師匠と使い魔達をじっと見つめている。
「ギルスとヴァーシィルは、
古代神樹の守りにいくんじゃなかったのか?」
ワイアットが不思議そうに、ヴァーシィルから視線を俺に向けた。
「うん。でも、ギルスとヴァーシィルにのりたいって、
大会のときに話していたでしょう?」
「え? あのときの話を覚えていてくれたのか?」
「そう。だから、師匠に頼んでおいた」
「そっか! ありがとうな!」
「うん」
「アルト、アルト、
ギルス達と遊びたいから、早くいこう!」
急かすように、俺の腕をミッシェルが引っ張る。
少し早足になった彼女に合わせるように、
自然とみんなも早足になった。
ふと、デスはまた嫉妬しているんじゃないかと思って、
ミッシェルの頭の上に視線を向けると、
デスは、その体を小さくして、
ミッシェルの髪の中に隠れるように埋もれていた。
「あれ? デス?」
デスが小さくなったことで、頭の上に違和感を覚えたのか、
ミッシェルが頭の上をペタペタと触る。
「あれ? あれ? デス? どこかに落としてきた?」
足を止めて、ミッシェルがおろおろしながら、
デスを探す。
「落としてないよ大丈夫。
すごく小さくなって、ミッシェルの髪に隠れてる」
「ギャギャ」
デスが俺に同意するように、声をだした。
「よかった。驚いた。
どうして、急に小さくなったの?
何かあったの?」
ミッシェルがそっと、デスを手のひらにのせて、
視線を合わすように自分の目の前に持ち上げた。
「ギャ……ギャギャ……」
デスは葉っぱの手で、ヴァーシィルを指さして、
ガタガタと震える。
「そういえば、
デスは、ヴァーシィルに食べられそうになっていたな」
ロイールが苦笑して、ミッシェルの手の上にいるデスを、
慰めるように突いた。
「ギャ……」
ガタガタと震えるデスに、
ミッシェルが困ったように眉根をさげる。
「うーん。デスが怖いなら、
ヴァーシィルに近づかない方がいいかなぁ」
残念そうにしながらも、デスを選ぼうとするミッシェルに、
デスは首を横に振って、エミリアとジャネットを指さす。
「エミリアとジャネットと一緒にいるの?」
「ギャ!」
「そうか。エミリア達が怖がっているのを知っているから、
ギルスとヴァーシィルは、二人に近づかないもんな」
ワイアットが笑いながら、エミリア達を見る。
「だって、蜘蛛苦手だし。
それに、すごく大きくなってるし!」
「蛇も苦手だし……。
なんか、とても大きいし!」
魔物とは違うとわかっていても、
二人はもともと、蛇も蜘蛛も苦手だから近づくのが怖いようだ。
特に今は、俺達が全員乗れるくらいに体を大きくしているから、
余計に怖いのかもしれない。
「でも、近づかなかったら大丈夫だよ」
「うんうん」
「ミッシェル。エミリア達もデスも、
楽しんでこいといっているんだから、
気にせずに、ジャネット達に預けたらいいんじゃないか?」
クロージャが迷っているミッシェルの背中をそっと押すように、
言葉をかけた。
「デス、本当にいいの? 大丈夫?」
「ギャ!」
デスは大丈夫というように、
葉っぱの手で、人でいえば胸のあたりになるだろう場所を、
トントンと叩いた。多分「平気だ」といっているような気がする。
「エミリア、ジャネット、
デスと遊んであげてくれる?」
「うん、いいよ!」
「任せて!」
二人は、ミッシェルから、小さなデスをそっと受け取り、
震えるデスを安心させるように、
色々と話しかけていたのだった。
食事会の準備ができるまで、
ひたすらヴァーシィル達と遊ぶことになった。
デスをジャネット達にあずけたミッシェルは、
全力で走って、体当たりするように、
ギルスに抱きつきにいっていた……。
すごい勢いで走ってきて、
ギルスに抱きついているミッシェルを、
師匠は目を丸くしてみている。
ミッシェルに体当たりされたギルスは、
微動だにすることなく、じっとしていた。
俺達も走って師匠のそばにたどり着くと、
ミッシェルは、ギルスをなでながら、
「やっぱり、こんな毛布が欲しい」と、
呟いていた……。
そういえば、ミッシェルは大会で、
ギルスを触っていたときも、
同じことをいっていたような気がする。
ミッシェルらしいといえば、
ミッシェルらしい……。
師匠は、そんなミッシェルの呟きを聞いて笑い、
次に俺を見て「準備している近くで、
大きくなったギルス達がいると、邪魔になるから、
この辺りで遊んでくれる」と告げる。
師匠は俺達が戻ってくるのに合わせて、
ギルスとヴァーシィルを大きくしてくれたようだ。
「うん。この辺りで遊んでる!」
「危険なことはしないようにね」
師匠の注意に、全員が頷く。
頷いた俺達に、師匠も柔らかく笑いながら頷いた。
「さて、どうしてヴァーシィルは、
デスに執着しているんだろう」
ヴァーシィルがデスをじっと凝視しているのを見て、
師匠が困ったようにため息をついた。
エミリアとジャネットがいるから近づかないけど、
離れたら多分……ヴァーシィルは、
デスの近くに移動しそうな気がする……。
ヴァーシィルがじっと見ていることから、
エミリアとジャネットの顔色が少し悪い。
デスは小さくなって、
エミリアのポケットの中に入っていった。
そのポケットが微かに動いているのは、
デスが震えているのかもしれない。
「ヴァーシィル」
師匠の呼ぶ声に、
ヴァーシィルがデスから視線を外す。
「デスを食べないようにね」
師匠の注意に、ヴァーシィルは、
こくりと頭を動かして頷いたように見えた。
そのあと、のっそりと動き、とぐろを巻いてから、
舌をチロリとだした。
「多分……大丈夫だと思うけど、
デスから目を離さないようにしてあげてね」
師匠がもう一度ため息をついて、
やりたいことがあるといって、家へと戻っていく。
師匠がいなくなっても、
ギルス達は師匠のあとを追うことなく、
俺達と一緒に遊んでくれるようだ。
セイル達の願い通り、
ギルスやヴァーシィルの上にのって移動したり、
アリアケやシノノメと飛び跳ねたり、
セセラギを追いかけたりしながら、時間が過ぎていった。
知らない間に、食事会の時間になっていたようで、
クリスさんが俺達を呼びにきてくれたのだった。
楽しい食事会が始まる!
ヴァーシィルにデスが食べられている
シーンはこちら……。
刹那の風景第三章
『エレノアとセツナ』
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