『 プロローグ 』
【 ??? 】
俺の目を見て、一緒に生きるといってくれただろ?
水辺にいくときは……俺が先にいくからと伝えたよな?
だからさ……。
なぁ。
目を開けて……俺を見て笑ってくれよ。
俺の名前を呼んでくれよ……。
なぁ、セリア……。
俺と一緒に沢山の思い出を作るんだって笑ってたよな?
俺の背中に乗って空を飛ぶことから始めようって。
結婚の祝いで、俺と初めてのダンスを踊る約束もしていただろう……。
今からでも踊ろうという俺に頬を膨らませながら、
初めてのダンスは特別だっていったのはセリアだったはず……。
それから……。
俺が空を飛ぶ姿が好きだから、
一生そばで見ていてくれるっていったこと忘れてないよな?
あの日から目を閉じたまま動くことなく、
容姿が変わることのないセリアにそっと手を伸ばす。
セリア。
セリア。
セリア。
俺の番になることに、沢山の葛藤と涙をみせた君を、
俺は命を懸けて守ると……幸せにすると誓ったのに……。
「わイ、は……」
体に生じる激しい痛みと、
意識が絶望の淵に沈みそうになるのを必死に耐える。
苦しい。
苦しい。
苦しい。
それでも、狂えない、狂うことはできない。
セリアと約束したから……。
『貴方の元に帰って来るから、待っていてね……』
セリアが目を細めて、はにかんだように笑って、
俺にそういったから……。
セリアが戻るまで……。
俺は待っていると約束したから……。
だから、セリア……。
早く……目を覚ましてくれよ……。お願いだから。
俺の……体と心がバラバラになる前に……。
「ハヤク、君の……声ヲ、きカせて……。セリア……」