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刹那の風景 第四章  作者: 緑青・薄浅黄
『 闇に沈みゆく竜 』
2/43

『 プロローグ 』

【 ??? 】


俺の目を見て、一緒に生きるといってくれただろ?

水辺にいくときは……俺が先にいくからと伝えたよな?


だからさ……。


なぁ。

目を開けて……俺を見て笑ってくれよ。

俺の名前を呼んでくれよ……。


なぁ、セリア……。

俺と一緒に沢山の思い出を作るんだって笑ってたよな?


俺の背中に乗って空を飛ぶことから始めようって。


結婚の祝いで、俺と初めてのダンスを踊る約束もしていただろう……。

今からでも踊ろうという俺に頬を膨らませながら、

初めてのダンスは特別だっていったのはセリアだったはず……。


それから……。

俺が空を飛ぶ姿が好きだから、

一生そばで見ていてくれるっていったこと忘れてないよな?


あの日から目を閉じたまま動くことなく、

容姿が変わることのないセリアにそっと手を伸ばす。


セリア。

セリア。

セリア。


俺の番になることに、沢山の葛藤と涙をみせた君を、

俺は命を懸けて守ると……幸せにすると誓ったのに……。


「わイ、は……」


体に生じる激しい痛みと、

意識が絶望の淵に沈みそうになるのを必死に耐える。


苦しい。

苦しい。

苦しい。


それでも、狂えない、狂うことはできない。

セリアと約束したから……。


『貴方の元に帰って来るから、待っていてね……』


セリアが目を細めて、はにかんだように笑って、

俺にそういったから……。


セリアが戻るまで……。

俺は待っていると約束したから……。


だから、セリア……。

早く……目を覚ましてくれよ……。お願いだから。

俺の……体と心がバラバラになる前に……。


「ハヤク、君の……声ヲ、きカせて……。セリア……」




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2025年3月5日にドラゴンノベルス様より
『刹那の風景6 : 暁 』が刊行されました。
活動報告
詳しくは上記の活動報告を見ていただけると嬉しいです。



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