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Chapter24-11(更新日は"4/9”!!)

挿絵(By みてみん)





「リーコス君は光属性の持ち主だから、この呪いを解くのに必要。けれど、この呪いは無属性の束縛魔法も使われているのよ、束縛魔法を掛けた相手に知られない様にしなきゃいけないから、その部分を私たちが上手く何とかする」

「まず俺が光属性で闇属性を打ち消せばいいですか?」

「そうして頂戴。イスティア、後は打ち合わせ通りに」

「分かりましたわ」



 てきぱきと進んでいく光景をハルコは見つめながら、本来であれば"己が死ぬ"と決めて進んでいた路へと続きが出来始めた事に、ふわふわとした浮遊感が訪れ始めた。




(自分は、生きて帰れるのか―――?弟の元へ、"皆の元"へ……)




 同じ血が流れる血族の顔が脳裏を過る。同じ顔を持つ弟の泣き顔を最後に死ぬ存在だと思っていたハルコは、互いに手を取り合うリーラとイスティアの背中を、眩しそうに目を細めて見つめた。



「よし、じゃあリーコス君お願い」

「分かりました」



 リーラの声にリーコスは魔法剣を鞘から抜いて構える。もし闇属性の魔法を解除した場合に備えた行動だという事は、以前殺されかけたエルミスもすぐに理解できた。思い出して背筋に嫌な寒気を走らせながら、三人の行動を見守る事に徹する。



『 神言 』



 光の使者による詠唱が始まる。エルミス以外間近で見る事が初めてであるという者が多く、黄金の魔力を纏って神代文字を描き出すリーコスに、微かに息を飲む音がドレスルームに響く。



『 我が聖なる断罪の剣 神の名代として意思を唱えよ 』



 くるりと回り始める黄金の魔法文字は、暖かな光を灯していたドレスルームに明るい輝きを与えるように光を放っていた。



『 悪しき呪いを絶ち向き 包む光は闇を葬る 』

『 闇の力を纏う者よ 神の光を持って闇の楔を打ち砕く 』



 パキン、パキン、とスロットに嵌められていたストッカーが割れる音と共に、三本の魔法文字がしっかりと描かれる。見事な魔法文字の制御にエルミスは笑みを浮かべつつリーコスから宝剣へと向けると、どうやら神代魔法に気付いた闇属性の魔力が魔法石から溢れて攻撃を仕掛けようとしているところだった。



「(だがおせぇ。リーコスの方が早い)」

『 全てを 神の意志を代行する者也! 』



 締めくくる呪文と共に三本の魔法文字が一つの束となって魔法陣がリーコスの足元、そして宝剣の上に描かれる。黒い魔力が魔法陣に吸い寄せられながら分解し消えていく様を見れるのは、リーコスとエルミス、そして下巻の書を持つ母親のみだが、膨大な魔力の渦によって発生された風に使用人たちの衣服やドレスがはためいている。



「「 斎戒 」」



 イスティアとリーラの声が、魔力の風が吹き荒れるドレスルームに響く。



「「 追うは光 楔を放て 転換せし不浄の階段 」」



 エルミスへと施した癖のある不安定な魔法文字とは違う、先鋭された魔法文字。適切な魔力と制御によって描き出される魔法文字を見たハルコは、なぜリーコスがリーラに頼ったのか、その理由が理解できた瞬間だった。



「「 十の魂 贄の楔 虚像の現身に反映せん 」」



 紫色を微かに帯びた宝石をイスティアが空に放り投げると、宝剣を飾っていた魔法石から一斉に溢れ出した(おびただ)しい量の魔法文字が、魔力によって宙に浮いた宝石へと群がっていく。その光景に使用人達の小さな悲鳴が上がった。無理もない、たとえ魔法大国アステラスと言えど、これほどの呪いを纏っている魔法石などそうそうお目にかかる事が無いからだ。



「「 全ては無に 全ては有に 平衡たる器に還幸せよ! 」」



 三本全てが揃ったと同時に、夥しい数の呪いの魔法文字が宝石に納まる。あれほど鮮やかな紫色だった宝石が赤黒く色づいていた。



「「 我が浄化 汝に宿命の楔を断ち切る者也! 」」



 三本の魔法文字が一つになると、魔力によって宙に留まっていた宝石を包む様に小さな魔力の箱が現れる。リーラはハルコの方を向いて人差し指を上から下に振り下ろして"断ち切る"様指示すれば、ハルコは机の上に置いてあった宝剣を手に取り大きくぶり被った。



「はぁぁぁぁ!!」



 綺麗な両断。上から下へと振り下ろされた宝剣は、とてもではないが祭事用の飾り剣として使用するには勿体ない切れ味だった。魔力の縦筋の入った小さな箱は、はらりと魔力残滓を帯びて宙を舞い消えていき、中にあった宝石は粉々に砕けていた。



「ふいー、上手くいったぁ!」

「やりましたわねリーラ!」

「イスティアも!」



 いえーい!ぱっちん。と、きゃいきゃいはしゃぐ二人に使用人たちも一緒になってはしゃぎだす。ハルコは手に持ったままの宝剣に嵌っている魔法石に視線を落とせば、初めて見る美しい輝きに目を見開いた。



「(このような綺麗な色だったのか……)王妃、ミセス・ロドニーティス、そしてリーコスとミス・エリー。貴方達が居なければ、きっと私は終わりの扉を叩いていた」

「(エルミスだからエリーか、リーコスくん考えたわね……)束縛魔法を解いた事は、宝石が代わりとなって本元には伝わっていません」



 深々とお辞儀をするハルコに"顔を上げてください"とイスティアが言う。リーラは柔い絨毯に散らばっている宝石を手に取り浄化が上手く行った事を確かめた後、顔を上げたハルコに説明をした後、イスティアが杖を仕舞ってリーコスの元へと向かう。




「私たちはあくまで、息子のご友人を助けました。他大陸の事に首を突っ込む事は本来いけませんが、ご友人が困ったとなれば話は別です。……良い王様になってくださいね」

「―――はい」



 王妃としてではなく、母親の微笑みを浮かべるイスティアに、ハルコは今一度深く頭を下げた。




めちゃくちゃ体調悪くて森。こんばんは!!


昨日も体調悪いってみてみんの方で書いてたんですけど、その時は喉がちょっと痛い程度やったんです。


今日、鼻水、くしゃみ、咳。もうオンパレード。一年分ぐらいのくしゃみして鼻水垂らしてる。身内の中で風邪気味やったモンがおるんで、うつったかなぁと。流行のアレの症状を調べてみると、どうやらくしゃみは出えへんらしいので、風邪!……やと思って、お家でゆっくりします。


でも今日デビルマンをアマプラで見るんだ、、、初めて見る、ある意味逸材映画、、、楽しみです。


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