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Chapter23-5

挿絵(By みてみん)





「デリバリ~よぉ~~ん!!はぁいエルミスちゃん」

「有難うコラーリさん。これ代金」

「ひいふう…はい丁度!お爺ちゃまが通信に出てたから、てぇ~っきりパパさんが店番、エルミスちゃんはお休みだと思ってたんだケド……パパさんは?お休み?」

「ん、母さんの看病」



 エルミスはそう言って用意した硬貨を筋肉女装達磨―――コラーリに渡し、注文したデリバリーの品を受け取る。バスケットから紙袋を取り出し、空になったバスケットをコラーリに返したエルミスは回転椅子をくるりと動かし、工房の中が見える特殊硝子をコンコンと叩いて作業している祖父に昼飯が来たと伝えると、再びコラーリの方へと椅子を向けた。



「あら、エルミスちゃんのママ、病気?」

「びっくり風邪」

「あれまぁもうそんな時期ィ?エルミスちゃんのママも大変ねぇ毎年。じゃあ暫くエルミスちゃん工房に寝泊まりね。フフッ、じゃあ朝ご飯ちゃ~んとお店に来て食べてねん?」

「ん、数日世話になるぜ」



 コラーリは毎年の事だと理解しているので、びっくり風邪だと聞かれたら自動的に"びっくり風邪が移らない様に、エルミスは工房に寝泊まりする"事を知っている。



「じゃあ帰るわね~。エルミスちゃんもびっくり風邪、気を付けてねん!」

「おう、有難うコラーリさん!」



 ぶんぶんと太ましい腕を振って人混みに消えていくコラーリを見送ったエルミスは、紙袋を持って工房の中に入ろうとすると、丁度ドアを開けて出てきた祖父が"外で食べようの"と言い出した。工房の中を覗くと、バラバラに分解された鎧のパーツが机の上に並べてあり、あれを崩したくないという祖父の考えを汲み取ったエルミスはそのままカウンターに引き返す。




 丁度長椅子は二つある為、クッションのよく効いた椅子を祖父に、そして木で出来た長椅子に座ったエルミスが"エルミスちゃん"と描かれていた紙袋から昼食を取りだしていると、既にホットドックを食べ始めている祖父が一度ごくりと飲み込み、持ち込んだ茶を飲みながら口を開く。



「朝、プリントを持って行くにしては随分遅かったの。迷子にでもなったか?」

「ん、いや。学校長とちょっとお喋りして、その後罠解除の授業みたいなのをちょっと見学。学校長から実力見せて欲しいって言われたから、学校長が設定した罠を解除するまでやって、帰ってきた」



 エルミスが祖父に説明しつつ紙製の袋から取り出したのは、半分に畳まれたピザが包まれた紙だ。カウンターに広げれば、トマトソースとチーズ、サラミとバジルが乗ったシンプルなピザだが、ラグダーキには窯が常備してあるためピザも本格的だ。

 予め切れ目が入っているガイドに沿ってワンピース取り、口に頬張る。生地の香ばしい小麦、トマトの甘さとサラミの良い塩加減、チーズのまろさを味わいつつ、バジルが後を追って口の中を一つに纏めている。


 もぐりもぐりと食べるエルミスの話を聞いた祖父は、納得の頷きを二回繰り返した後、ピクルスを摘まんでぽりぽりと音を立てながら、どこか懐かしい表情を浮かべていた。



「レオンの時もそうじゃった」

「え、父さんの時もこんなのがあったのか?」

「うむ。レオンも数回、今の学校長がまだ教員として働いとった頃に、レオンを魔法学校に入学させようとしよったことがあっての?」



 エルミスは祖父の言葉に思わずピザを取る手を止めて祖父の方を向きつつ驚く。そんな話は一度も聞いたことが無かったため、今回が初耳だったのだ。驚くエルミスに祖父は数回頷けば、思い出す様に目を瞑って語り出す。



「レオンもワシの手伝いをやっておったからの、それなりに魔法技術は良かった。魔法学校の卒業だって簡単に出来る魔法技術を持っておったが、鍛冶学が無いから入らんと言っておったでの……来たんじゃ」

「教員の時の学校長が?」

「そうじゃ。店番をしとったレオンにな?"是非ともうちの魔法学校に入ってほしい"て言いよったんじゃ」



 エルミスは母親から勧誘を受けていたが、昔の父親は直接教員時代の学校長から勧誘を受けていたらしい。断った理由が全く同じだったという事に、子であるエルミスはピザを頬張りながら聞いていると、ふとある考えが脳内に浮かんだ。



「でもよ、魔法学校って優秀な生徒が多いのに、なんでオレや父さんみたいな魔法学校に入らなくてもいい奴を勧誘してたんだ…?」



 そうだ。態々"優秀な人材"を外から集めずとも、入学するのも一定の技術や知識が無ければ入れない魔法学校に入れる時点で"優秀"な生徒が揃っているのだ。そういった存在では足りない何かがあるのか、そう考えたエルミスに、祖父は茶で喉を潤しながらエルミスの疑問に答える。



「"教師の質を上げる為"じゃよ」

「……質?」



 祖父の回答に首を傾げたエルミスは、付け合わせのサラダに手を伸ばしながらそう返事をすると、祖父はこっくり頷いて残りのホットドックを口に放り込んだ。




業スーで大きいクリームチーズを買ったので、暫く困らない。こんばんは!!


とりあえずクリームチーズ使ったお菓子作りたい。昨日はスフレパンケーキ作りましたが、もうちょっとふくらましたかったなぁ、という反省点のある結果に…。



そういえば、卒業式等が前倒しになったり、自粛した学校もあるとか、、、卒業生の皆さん、おめでとうございます。


卒業式がなくとも、クラスの皆と会える機会はあります。同窓会とか、成人式とか。でもまじすかはどっちかと言えば同窓会やら飲み会とかに顔を出しといたほうがいいと思っています。卒業式よりも、卒業した後の方が大事というわけです。まだ分からんわ!という卒業ほやほやの方々、だまされたと思って同窓会ぐらいには出席してみるのもいかが。


しかし、クラスの皆とはあんまり、、、って方は、行かずにゲームしましょう。無理していくこともない。二次元は裏切らないぜ!!


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