オープン戦やわ
セイバー難しい
オープン戦の出だしは悪くはない。移籍加入した山崎レイは好投しており、若手の清水まゆは出番は少ないながらも順調に成長している。
嬉しい誤算は東條有香がかなり結果を出していることだ。ほぼ無名の存在から入団させ、育成に成功したのは、GM瞳子の眼力であろう。
「でも石井ユメは微妙な感じね。」
移籍加入した三塁手は低打率に苦しんでいた。
「しかし選球眼は当たりました。出塁率は悪くはありません。」
昨年、主砲が抜けた影響でチームの長打は減るだろう。しかし計算上は出塁率でそれなりにカバーは出来る予定ではあるが。
「まあ計算は全てが当たるわけではないわ。今はこの戦力で二部リーグ優勝を目指すしかないでしょ。」
「新しい機械?」
緒方レナは主人公から依頼を受ける。セイバーメトリクスの発展には必要な機械を。
「そうです。一つは投手のピッチングを正確に測れる機械。例えばボールの回転量、リリースポイント、手が離れた瞬間からキャッチャーのミットまでの距離などです。」
これは前の世界ではPitch f/xと呼ばれた機械で、投手のあらゆる事象を数値化出来るものである。他にもボールの変化量や軌道なども数値化出来る。
「そしてもう一つは守備陣の動き、打者のバットスピードや軌道や飛距離を測れる機械を作って欲しいんです。」
こちらはStatcastと呼ばれる機械である。フィールド上の選手のあらゆる動きを数値化する機械である。
「難しいこと言ってくれるじゃない。」
「でもやるわ。私のコネも使って作ってやろうじゃない。」
主人公は難しい仕事だとは重々承知している。しかし他の球団を出し抜き本当は価値の高い選手を安価で獲得するためには必要不可欠なシロモノである。
それまでは捕殺かエラー数ぐらいしか指標のなかった守備評価。それまでは数値化出来なかった指標を作り、主人公は前の世界で守備指標を生かして結果を残したある球団を参考に計画を立てていく。
「守備指標?」
主人公は守備に関する指標のコンセプトを肇ちゃんと文香さんに話した。過去の試合の画像解析により、ある程度のデータは蓄積出来た。そして主人公はそれらのデータを基にある指標を作ろうと考えている。
「難しい仕事ですね。」
肇ちゃんは不安視する。運動音痴な自分に正確に判断出来るのかと。
「大丈夫だよ。」
「前に私たち二人で投手のデータを作ったんだよ。今回も大丈夫。私たち二人が頑張れば出来ないことはないよ。」
「それまでは守備は測れなかったんだ。実現すればすごいことを成し遂げられらよ。」
「そうですね。文香さん。」
「これは私たちにしか出来ないこと。私たちならきっと出来ることだね。」
なかなか主人公のチーレムが完成しそうにない




