百獣の王
ライオンさん
「ガオオオオオオッ!!」
幼女ちゃん
「きゃあ! ライオンさん凄いです! 怖いです」キャアキャア
ライオンさん
「ガウガウッ! ガルルルルッ!」
幼女ちゃん
「こんなに凄くて怖いライオンさんなら、きっと怖い物もないはずです!」感心
ライオンさん
「あるよ」
幼女ちゃん
「えっ!?」
ライオンさん
「あるよ、怖い物……」
幼女ちゃん
「えと、それはなんでしょうか?」
ライオンさん
「それはね……」
飼育員さん
「何サボってんだゴラァ!!」
ライオン
「――ッ!」ビクリ
飼育員さん
「テメェ、ライオンさんこらぁ! またサボってやがるなぁ! 言ってた『わくわく動物ふれあい年間パス』の売り上げノルマ、ちゃんと達成してんだろうなぁ!?」
ライオンさん
「ひっ! い、いえ! まだちょっと、今週はは調子が――」
飼育員さん
「テメェ! それでも百獣の王か? やる気あんのか!? 同期のダチョウさんはもうノルマ達成して今月も営業トップなんだぞ! 恥ずかしくないのかコラァ!!」
ライオンさん
「すいません、すいません……」ビクビク
飼育員さん
「謝る暇があったら外回り行ってこい! ノルマ達成するまで帰ってくるんじゃないぞオラァ!!」
ライオンさん
「ひ、ひぃぃぃぃぃ!!」
ガチャガチャ檻の扉ガチャリ――ダッシュ!
幼女ちゃん
「…………」
幼女ちゃん
(ってか檻から出たらダメなんじゃ……)
突っ込むところはそこなんですね終わり




