意識高い系
友人A
「おい、聞いたかよB。なんかマサオの奴が最近『意識高い系』になったらしいぜ」
友人B
「うぇっ! マジかよ! クソ笑える。ちょっとからかいに行こうぜw」
友人A
「ああ、どんな感じになってるか笑ってやろうぜw」
………
……
…
友人A
「んー、最近はこのカフェでMacBookいじってるって聞いたんだけど、どこだ?」
友人B
「お? あれじゃねA。 ちょっと雰囲気変わってるけどマサオだわ」
友人A
「ホントだw 行こうぜ! おーい! マサオー!」
友人B
「どんな意識高いこと言ってくれるんだろうな。楽しみだわ――っておい、どうしたA?」
友人A
「い、いや。なんかマサオがおかしいんだよ。さっきから目をつむったままでさ、話しかけても返事しやがらねぇ。おい! おいマサオ! 返事しろよ! 大丈夫か? おいおい、マジでこれ救急車とか呼んだ方がいいんじゃね?」
友人B
「いや、これは違う! 別の理由だ!」
友人A
「どういう事なんだよ!?」
友人B
「マサオは意識が高くなりすぎるあまり、精神が上昇してこの場にいないんだ!」
友人A
「な、なんだって!? この場にいないってどういう意味だよ! 分かんねぇよ!!」
マサオ
『やぁ二人とも。よく来てくれたね。感謝するよ』
友人A
「あっ! マサオ! なんだこれ? 頭に響く!」
友人B
「コイツ、脳内に直接働きかけてやがる!」
マサオ
『今僕は肉体を離れて第五次元から二人に話しかけてるんだ。こっちの景色は最高さ。今度インスタに画像アップするから是非見てくれよ』
友人A
「うっせぇ! 上の次元から話しかけてんじゃねぇ!!」
友人B
「さっさとこっちの次元に戻ってこいやぁ!!」
マサオ
『これが第五次元から見た怒り……こうしてクリアな場所に来るとよく分かるよ。僕が今までどれほど無意味な感情に振り回されて来たかを――』
友人A&B
「「うぜぇ!!」」
意識高すぎてコミュニケーションが取れない系おわり




