七夕
幼女
「ねぇママ~♪ 寝る前のお話して~!」
ママ
「分かったわ幼女ちゃん。丁度今日は七夕だし、そのお話をしましょうか。さぁ、お布団に入りましょう」
幼女
「七夕! わぁ~い、楽しみ~」
ママ
「じゃあ始めるわね。昔々、あるところに彦星というとっても誠実な男性と、織姫というとっても美しいお姫様と――」
幼女
「わぁ、お姫様! わくわく!」
ママ
「ギャル男のマサオがいました」
幼女
「え?」
ママ
「ギャル男のマサオがいました」
幼女
(あっ、これ絶対気になって眠れないやつだ)
ママ
「なんやかんやあって付き合う事になった織姫と彦星ですが、なんやかんやあって一年に一度しか会うことを許されなくなりました」
幼女
(そのなんやかんやが大切……いや、ギャル男の方が気になる!)
ママ
「けど若い身の二人が一年に一度しか会えないなんてそれだけで胸が張り裂けそうな程辛い出来事です。気づかぬうちに心に大きな穴が空いしてしまうのも、決して責められることではなかったのかもしれません……」
幼女
(あ~、やっぱりそういう方向性にいくか~。まぁ仕方ないよね)
ママ
「そんな彦星の元にある日現れたのがギャル男のマサオでした」
幼女
「待って! ギャル男そっち行くの!? 織姫様じゃなくて、彦星の方行っちゃうの!?」
ママ
「ちょっとどうしたの幼女ちゃん、折角眠ってくれたと思ったのに大声出して。良い子にしないとお話してあげないわよ?」
幼女
「す、する! するから! するから早く続き教えてママ! お願い!」
ママ
「そうね~。どこまで話したかしら? 『七夕の日に天の川じゃ無くて裁判所で三人が会うところ』だっけ?」
幼女
「ネタバレーーー!!! ってかド修羅場ーーーー!!!」
ママ
「もう! だから静かにしなさい幼女ちゃん! 続き話さないわよ!」
幼女
「ごめんなさい! ごめんなさい! 良い子にするから続きを!」
僕も続きが気になる終わり




