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五人揃わない

「がっはっはー! こうなりゃ戦隊物怪人にお約束の巨大化だー! 何とかレンジャー! 貴様等を踏み潰してやるー!」


「くそぅ、怪人め! 毎度毎度巨大化しやがって! よし! 俺達もロボを呼び出すぞ! 合体して対抗だ!」


「おう!」


「はいっ!」


「OK!」


「ちょっと待って。アタシ無理」



「えっ!?」


「ど、どうしたんだよ桃!? 合体しないと敵を倒せないぞ!?」


「そ、そうだよ桃ちゃん。私達が立ち上がらないと!」


「……アタシ白さんと合体したくない」


「な、何を言い出すんだ桃!? ふざけてないで早くしろ!」


「ふざけてるのはどっちよ!?」


「――ッ!!」


「アタシ知ってるのよ! 赤! アンタこの前の打ち上げの後、白さんと寝たんでしょ!? アタシとの関係はなんだったの!?」


「ばっ! こ、ここで言う事じゃないだろ!!」


「そ、そうよ桃ちゃん、今は落ち着いて敵を倒しましょう」


「アタシのとってはアンタ達が敵よっ!!」



「あのー、すいません。いろいろあると思いますけど、次の魔法少女さん達がこの現場使うんで、巻きで行ってもらえませんかね……」


「関係ない人は黙ってて!」


「あ、はい。すいません……」


「お腹に子供がいるの……」


「お、おい……それってまさか俺の――」


「スマン、赤。実は俺の子供なんだ……」


「えっ!? そ、そんな。だって桃は俺と婚約して……」


「婚約!? 聞いてないわよ赤君! 桃とは遊びじゃなかったの!? 私の両親に挨拶してくれたのはなんだったのよ!」


「遊び!? アタシとは遊びってどういう事よこの泥棒猫!」


「泥棒はどっちよ! ガキは黙ってなさい!」


「なんですって!!」


「あ、えっと、あ……そ、そうだ! それより青! お前、桃との子供ってどういう事だよ! そんな話聞いてないぞ!」


「青は悪くないの! 私に隙があったから! 赤がかまってくれなくて、それで寂しくて……そんな時に青が優しくしてくれたから。 けど一晩限りの関係だったの! だからね、もう一度やり直しましょう! ほら、青だって反省してるし。ねっ、青!」


「ごめん桃。俺、本当は女じゃなくて男が好きなんだ。そう……俺は赤の事が好きなんだよ!!」


「は!? え? ちょ! えっ!?」


「なんでよ! 青君は桃ちゃん狙いだったんじゃなかったの!? だから私も桃ちゃんに青君が貴方のこと気になってるって言ってけしかけたのに!」


「誰とでもホイホイ寝るような女の醜い部分を見せれば赤がなびいてくれると思って……。ちくしょう! なんでこんな事になったんだよ!」


「と、取り敢えず落ち着こう! まずは怪人を倒さないと! 世界の平和が危ない!」


「もう無理だよ! やっぱりアタシ合体なんて出来ない! こんな気持じゃ力合わせられないよ!」


「騙していたのね赤君! どうしてくれるの!? もう地元の友達に結婚するって言っちゃったじゃない!」


「赤! 俺は男だけど、お前に対する気持ちは他の誰にも負けない! お願いだ! 俺と一緒になってくれ!」


「あ、えっと……。その、えっと、なんていうか……」



緑・悪

「「うわぁ、これ凄く気まずいなぁ……」」



 最終的に赤は刺されて死んだ。

 悪と緑は何だかんだで気が合い、飲み友達になった。


 終わり。

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