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新刊

エルフ

「コミケの季節がやってきたわ……」


オーク

「そうだな」


エルフ

「今回も私はエルフ×オーク物の薄い本を出そうと思うの!」


オーク

「また? 本当に飽きないよな……。けどどうすんの? ありふれていてきっと売れないぞ」


エルフ

「確かにエルフ×オーク物はありふれている。古来より受け継がれた気丈なエルフが傲慢なオークによって蹂躙されると言う様式美はもはやありとあらゆるパターンがやり尽くされていて読み手も食傷しているわ」


オーク

「そのせいか最近は穏やかなオークが変態エルフに逆に襲われるなんて物が流行ってるしな」


エルフ

「そう、そうなのよ! 私達が目指すのはそういう物なのよ!」


オーク

「おい、落ち着けおい。でもよ、それもすでに多くの作品が書かれていて正直面白みが無いぞ?」


エルフ

「わかっているわ。だからこそ私達は新しいパターンの開拓者、つまりジャンルのリーダーにならないといけないの。まだまだオークとエルフには可能性が残されていると証明しなければいけないの!」


オーク

「けどなぁ、正直どっちも襲い手になってしまってるし、これ以上のパターンは無いんじゃねぇか?」


エルフ

「甘いわよ。発想の転換よ。暴力的と平和的、オークとエルフ。そのパターンは最大で2×2=4! まだ私達が試していないパターンがあるのじゃなくて!?」


オーク

「……なるほど! そういう事か!!」


エルフ

「わかったようね! さぁ、とりかかるわよ!」


オーク

「おうっ!!」


………

……


エルフ

「よし、出来た! これが私達の新刊よ! 刮目しなさい!!」



『平和なエルフの村に突如穏やかなオークがやってきてひとしきり歓談して帰る』



 もちろん売れなかった。


 終わり。

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