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無音の言葉  作者: 真夜
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第一話 ~再恋~

今回は、前回の反省みたいな感じです。一応長編にしようと思います。

 俺には昔好きな子が居た。だけどその子はもうこの町に居ない。

今日もまたつまらない学校に通うべく一人で通学路を歩く。

いつもと何も変わらない風景、変わらない日常。そんな毎日だった。本当に、昨日までは……。


 学校に着き校門をくぐる。校門をくぐって最初に見る光景はいつも同じだ。あいつがいる花壇。そう、花壇で花の手入れと水を上げている女の子、青木あおき 紗枝さえだ。

「おはよ、今日も花壇の手入れか?」

 毎日の日課。それはこの会話から始まる。

「あ、おはよ♪ うん。今日も花壇のお世話だよ」

 彼女はニコッっと笑って答えた。しかし、彼女の笑顔は一瞬で、こっちを見るなり少し悲しげな顔をした。何故そんな顔をしたのか、俺にはわからない。女の気持ちなんてさっぱりわからない。そんなことを考えていた時に彼女から話かけてきた。

「今日も浮かない顔だね。そんなキミには夾竹桃キョウチクトウをプレゼント♪」

 またも笑顔で渡された。

「はぁ……。持って無いじゃん。で、その花がどうした?」

「インドの花で用心しなさいって意味なんだよ」

「用心って何にだよまったく」

 彼女は少しクスッっと笑みをこぼし時計を見つめる。

「あ、もうすぐ学校始まっちゃうよ。早く教室いかないと」

「そうだな、じゃあそろそろ教室に行くわ」

 いつも通り、何も変わらない。そんな本当に何も変わらない他愛も無い会話。普段通り、下駄箱へ向かう。そういえば、昔あいつのことを男だと思ってたんだっけ。中学になって女子の制服着てくるまでまったく気付かなかったけど。人って結構変わるんだな。


 そう、昔会った頃はあいつ公園のベンチで泣いてたっけ。たしか数日前に母親が亡くなって、更に仲良くしてた友達が引っ越してしまったんだ。

そんなあいつに俺は声を掛けたんだ。

「おい、お前。男ならそんなに泣いてんじゃねぇ、そんなんじゃ強くなれねぇぞ!」

 今考えるとバカだな俺。相手は女の子じゃないか、男物の服着てたからまったく気付かなかったから仕方がないけど。

「わだじ……、わだぢ……」

 ひっくひっくということが当てはまるだろうか、そんな感じで全然泣き止まない。そんなあいつになんて言ったんだっけ。

「おいおい、男がわたしなんて言うなよ。俺か、せめて僕にしろよ気持ち悪い」

 さ…最低だ。俺最低。そのせいか、そのことであいつずっと自分のことボクなんて言ってるのか。

「え、でも私…女の」

「はぁ。そんななよなよしてたら女に嘗められるぞ!」

「でも……、でも……」

「でもじゃねえ。男ならしゃきっとしてて堂々としてろよ」

 泣き止んだものの何故かおどおどし始めた。

「泣き止んだみたいだな。何があったか知らないけど一人じゃ寂しいだろ、あっちで俺たちとサッカーしないか?」

 そんな何気もない誘いにあいつも『うんっ♪』と答えて一緒に遊んだんだ。その後、毎日毎日一緒に遊んで今じゃ腐れ縁となっている。


『ガチャ…』っと下駄箱を開け、すぐに上履きに履き替える。教室へ向かう廊下で女子生徒がいつも通りくだらないおしゃべりをしている。

くだらない。そう思っていたけど少し耳に会話が入ってきた。

「ほら…あの人でしょ。会長と付き合ってるんじゃない」

 会長って、紗枝あいつかよ。そんなんじゃねぇよ、あいつとは腐れ縁なんだって。

「え~、ショック。私あの人好きだったのに」

 何がショックだよ。あいつのどこがいいんだよ。そんなことを考えながら廊下を歩く。次の角を曲がったらすぐに俺のクラス(2-A)だ。

『…ッ!?』

「ふぎゅっ」

 曲がったところで何かにぶつかった。周りには何も無い。一体何にぶつかったのか、それになんか『ふぎゅ』って聞こえたような。気のせいかと思って前に進もうとしても何かあって進めない。何故だろうと思い回りを見渡し、最後に下を向いてみるとそこには小学生のように小柄な女の子が居た。

「あ、えっと。ごめん」

 そう言って、すぐにその場を退く。そこには高宮学園ウチの制服を着た小さい少女が居た。サラサラのロングヘアーに加え、その身長に似合わない制服。でも何故か懐かしい。

「ふぁ」

 拍子抜けの声がする。

「あれ、えっと……やっちゃん?」

 やっちゃん?そう言ったか。昔好きな子にそう言われてたけど、最近になって呼ばれたことなかったな。やっちゃんとは、九条くじょう 靖久やすひさつまり俺のことだ。昔呼ばれていたあだ名にびっくりしたがゆっくりとその少女を見る。

「あ!? みぃちゃん?」

 疑問っぽい感じになってしまったがかなり自信はある。そう、昔引っ越してしまった俺の好きだった女の子。植野うえの 未郁みいくだ。 

「久しぶりだね♪」

 彼女は満面の笑顔で答えた。変わってない、本当に何も変わらない。小さいままの彼女、昔のままの彼女、この気楽なしゃべり方……全然変わってない。そう、俺は彼女にまた会ってしまった。忘れかけていた女の子、初恋の相手。俺は、今日また彼女に恋をした瞬間だった。


とりあえず、最後まで読んでいただけたらうれしいです。

できれば感想などいただければもっとうれしいです。

読み手になって考えながら…実は構想なんて全然考えてなかったりw

そんな駄目駄目な小説ですがよろしくお願いします。

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