表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンダーグラウンド・サンクチュアリ:49歳の穴掘りから始まる異世界再生  作者: 盆ちゃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/108

第69話:鉄のクジラを繋ぎ止めろ(パーマネント・ムーアリング) ―49歳、海の「基礎打ち」を指揮する―

第69話:鉄のクジラを繋ぎ止めろ(パーマネント・ムーアリング) ―49歳、海の「基礎打ち」を指揮する―

1. 漂流する巨大都市

 浮力は確保したが、次なる問題は「固定」だった。

 全長5キロのレヴィアタンは、海流に流されるままでは巨大な「凶器」となり、サンクチュアリの地上拠点や沿岸の村々を破壊しかねない。

「……監督、このデカいもんをどうやって止めるんだ? いかりを下ろしても、この深さじゃ底まで届かねえぞ!」

 ガムリが、波に揺れる甲板で踏ん張りながら叫ぶ。

 盆山は、手に持った海図をじっと見つめ、一箇所を指差した。

「……海底山脈の頂上だ。……ここに『恒久的な係留ムーアリング』を施す。……アイリス、ルナ。……月から重力ビームで、このレヴィアタンをピンポイントで押し下げろ。……海底に『杭』を打ち込むまでの数時間、こいつを不動の重石にするんだ」

2. 施工:大深度・吸引式基礎サクション・パイル工法

 盆山が選んだのは、超巨大な「吸盤」で海底に固定する**『サクション・パイル工法』**の魔導進化版だった。

「ベア、直径50メートルの魔導鋼管パイルを海底に突き刺せ。……中の水を魔法で抜き去り、真空圧で海底地盤に食い込ませるんだ。……摩擦力だけじゃねえ、地球の重力そのものを味方につけるんだよ!」

 盆山は自ら潜水艇に乗り込み、暗黒の海底でパイルの水平度を確認した。

「ガムリ、地上から持ってきた『超高張力・魔導ワイヤー』をパイルと船体に繋げ。……テンション(張力)は均等にしろ。……一本でも緩めば、この鉄のクジラは暴れ出すぞ!」

 バベル・シャフトから送り込まれる電力と、月の重力制御が噛み合い、ついにレヴィアタンは海底と一体化した「動かぬ島」となった。

3. 49歳の職人談義:『止める』技術こそが一流

 「……ふぅ、ようやく揺れが収まったな」

 盆山は、海上都市の広大なデッキから沈む夕日を眺めた。

「監督。……これ、もはや都市じゃねえ、一つの大陸じゃねえか」

「……ああ。……でもな、ガムリ。……作るより、止める方が難しいんだ。……勢いに任せて進むのは簡単だが、責任を持ってその場に留まり続ける。……それが一番の重労働なんだよ。……さあ、ここを拠点に、世界中の『海』を綺麗にする工事を始めるぞ」

 49歳の現場監督が海に打った「杭」。それは、不安定だった世界に、もう一つの不動の「安全地帯」を築き上げた。

69話~完~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ