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「私たちはデジタル広告を活用したソリューションを提供し、クライアント企業のプレゼンス向上にー」

周りの学生が目を輝かせて頷く。不透明な事業内容が、響きの良い横文字の羅列で彩られてゆく。俺は式を目前に控えた9月、マーケティング会社に内定をもらった。就職活動が振るわず、エージェントを経由し、志望業界を変え、企業規模を妥協しやっと貰った内定だった。そしてこの頃から真理を避けるようになった。将来を妥協した俺は、とっくに将来に光を見つけて研究に打ち込んでいる真理との対比に苦しむようになったのだ。はじめは楽しく聞いていた真理の研究室での日常も、今は聞きたくない。わいわいと集まって飲み会の約束をする将来の同期を横目に素早く式場を離れた俺は、最寄りの駅から山手線に乗り、とある待ち合わせの約束をしているスクランブル交差点のハチ公銅像前に向かう。到着から程なくして、

「…昴さん?」

と呼ばれて周りを見渡すと、花柄のワンピースを身にまとった女性の姿があった。背丈は低く華奢だが、顔立ちははっきりしており大人っぽい印象を受ける。

「そうです。店は予約しておいたので、向かいましょうか」

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