今から千三百年以上前、世界をほぼ滅ぼす寸前の〈大戦争〉が起こりました――異世界からの侵略です。彼らは、より進んだ技術と常識外の霊的な力を持ってやってきました。彼らは簡単に大陸を分断し、世界中の地形を自在に組み替え――彼らの意のままに配置しました。また、彼らの移動を容易にするために、切り離した大陸の一部に二つの世界をつなぐポータルを作りました。
両方から数十億の犠牲者が出ました――もちろん、二つの世界での犠牲者の割合は非常に不均衡でした。その時点で人類の人口の半分以上が失われた後、世界中で抵抗が次々(つぎつぎ)と速く止まり始めました。戦争はついに終わりました。彼らは一年足らずで世界全体を支配することに成功しました。
しかし、異世界からの住民の移住が行われようとしていた時、予期せぬ事態が発生しました。二つの世界をつなぐポータルが突然閉じてしまったのです。両世界の連絡は跡形もなく断絶し――それ以来何年も再びつながることはありませんでした。このため、この世界に存在する軍隊は元の世界に戻れなくなり――異世界に帰ることができずに永遠にこの世界に留まらざるを得なくなりました。
この世界の人類が明らかに彼らに対して怨恨を抱いているため、彼らは自身の超自然的な力を使って全ての人類――自分たちも含めて――の記憶を消しました。彼らは、過去を忘れて新しい生活を始めたいと考えたのです。大戦争についての記憶だけでなく、それまで存在していた国々(くにぐに)の記憶も消されました。
十三世紀前の世界初めての政府の崩壊以来、人類全体は政治、技術、教育、経済、そして人類の特殊な能力であるマニピュレーションに至るまで、数百年の退化を経験しました。黄金時代を失ったものの、幾度となく浮き沈みを繰り返した末に、ついに人類は黄金時代に戻りつつあります。今、人類は数十世紀にわたる分裂の後、七つの国々(くにぐに)によって統一された政府の下に再び結集しています。
しかし、世界は人類が平和に生きることを許さないかのようです。西では戦争が再び起こり、西北では疫病が蔓延し、南では食糧危機、社会、経済危機が発生しています。それだけではありません。反時計回りに進むかのように、五年前、地球の軌道近くで彗星が崩壊し、東部や南東部で地震や津波を引き起こしました。過去百年の間に、人類の人口は半分以下にまで減少しました。