73話 レベルA
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「お、もう学校行くの?」
「もうって普段通りの時間だけど?」
玄関で靴を履いていると後ろから母親に声を掛けられた。
「寝てないから時間の感覚が。ねー」
「お疲れ様です・・・んじゃ、いってきまーす」
「帰って来る頃には絵出来上がってると思うよー」
「マジ?」
「マジマジ」
なるほど。その為に寝ずに頑張ってくれてたのか・・・ありがたい。
「G.I編を読みたかったんだけど」
「うん?」
「最初から読んだら止まらなくて。ね・・・」
「HxH?」
「HxH」
「なにしてんの?」
「ホントにね・・・」
「お母さんって僕の想像の少し斜め上を行くよね」
「ヤメてっ!あ、でも、アレは短いから大丈夫か・・・」
「寝な?」
「うん。いってらー」
「いってきまーす」
あの顔はきっと読むな。
登校中もずっと考えていた。
それは、壁絵の配布方法。
以前なら概要欄かエッキスでURLを貼って。そこから無料でダウンロード出来る様にしていたと思う。
でも、登録者も増えて誰でも無料でっていうのはちょっと抵抗がある。
かと言って、その為にメンバーシップを導入して、メンバー限定で配布するのも・・・。
まぁ、まだ収益化申請の審査中でどうなるか分からないけど。
「伊達さんちょっと良いかな?相談したい事あるんだけど」
「はぁ~。別に良いけど・・・」
まだまだご機嫌は斜めらしい。
昨日のディスコでは良くなった様に感じたのに・・・。
「って感じで、どうするべきか悩んでるんだけど」
「メン限で配布したら良いんじゃないの?」
「やっぱそうかな?」
「壁紙の無料配布とか普通やらないし」
「だよね」
機嫌は悪いけど、相談にはちゃんと乗ってくれている。
「収益化は通ったの?」
「まだ」
「前は1ヶ月以上掛かってたみたいだけど。最近は早くなったって聞くから」
「そうなんだ?」
「早かったら1週間とかって」
「へー。でも、それって大手所属とかの場合じゃない?」
「だと思う」
「個人勢だからね。気長に待つ事にするよ」
「で、壁紙用の絵はどんな感じだったの?」
「あぁ、まだまだ。今も描いてる途中だと思う」
「そっか」
「それも気長に待っててよ」
「で」
「うん?」
「私とのコラボはいつになったらしてくれるの?」
「え?」
こないだしたじゃん・・・。
シュウさんと3人でだったけど。
「秋乃さんとはまたやったのに」
「あぁ、あれは何か流れで・・・」
「流れ?」
「うん」
「どんな流れになったらあんなコラボになるのよ」
それは僕の方こそ聞きたいよ・・・。
「配信は観てくれてたの?」
「見てるに決まってんじゃん」
「配信でも言ったけど、設定が上手くいかなくてね」
「うん」
「そしたらシュウさんからディスコが来て」
「うん」
「ゆめさんを紹介されたんだけど」
「うん」
「それで、配信中だからディスコでのやり取りを同時進行するのって難しいでしょ?」
「うん」
「そしたら、ゆめさんとコラボする事になって」
「・・・・・・」
「コラボしてたらシュウさんがゆめさんを退場させたんだよね。いきなり」
「なるほどね」
これで納得してくれたかな?
っても、配信観てたなら分かる事しか言ってないんだけど。
「代わりにマイク届けるって話」
「うん」
「無かった事にして」
「え?」
今の話のどこに地雷があった?
「え?でも、ジルは良いの?」
「うっ・・・いい」
「じゃあ、コラボの話は?」
「あの人は抜きで2人でやる」
「えー・・・良いのかな?」
「先に勝手にコラボしたのは向こうなんだし」
「あー・・・うん」
なるほど、そこか。
「じゃあ、僕からシュウさんにそう言っとくね」
「わざわざ言わなくても良くない?」
「そんな訳にはいかないよ」
「いつだったら出来る?」
「コラボ?」
「うん。2人なんだし、この場で決めちゃおうよ」
「そう・・・だね・・・」
「今日は?」
「今日?いきなり?」
「配信はするんでしょ?」
「するけど・・・」
「だったらコラボ配信でも良くない?」
「企画とかどうするの?」
「今日の配信は何する予定だったの?」
「今日は雑談配信の予定」
「じゃ、コラボ雑談で」
「何話すの?」
「んー・・・収益化の話とか?」
「あー、それはアリだね」
「バッジをどうするかとか。スタンプとかね」
「なるほど。その辺りって僕は疎いから配信の中で教えて貰えるのは助かるかも」
そう言うと伊達さんは「ふふん」と、ドヤ顔をキメてきた。
昨日、チャットであきなちゅは振り回され過ぎ。と、言ってきた本人に盛大に振り回されているけどここは突っ込んだら負けな気がする。
正確には突っ込んだら負けでは無く、突っ込んだらその後で負かされる・・・。




