68話 チェンジ
「あの・・・もしかしてなんですけど・・・」
「はい?」
「ゆめさんってシュウさんのオタクだったりします?」
「そんな!滅相もないっ!!」
ん?
答えになってない?
「私なんかがシュウ先輩のオタクだなんて烏滸がましいです!」
うん。
絶対にシュウさんのオタだ。それも、きっと厄介な方。
「あぁ、コメント欄にゆめさんはシュウさんのTOってありますね」
「そんなそんなそんな!シュウ先輩の事は尊敬してますし好きですけど私如きが烏滸がまし過ぎます!」
めっちゃ早口だな。
「まぁ、TO・・・トップオタかどうかは別としてかなり好きなんですね」
「大好きです!!」
「コメント欄にシュウさんが現れましたね」
「え・・・私も?」
「私もゆめちゃんの事好きだよー。ってコメントしてますね」
「おふ・・・」
ところで・・・同接かなり多いけど、シュウさん達が来る事は言ってないのにシュウさんのファンがかなり多い気がする。
「そういえば、急に決まったんで告知してなかったんですけど。シュウさんのリスナーさん達はどうやって知ったんですか?」
[兎合シュウ]私が告知しといた~
「あ、なるほど。シュウさんが告知してくれてたんですね」
[兎合シュウ]って、さっきしたばっかだけどね
「でも、やっぱりコメント欄が活発なのは見てて嬉しくなりますね」
最近まで閉じてたのもあって余計に嬉しい。
「今からでも僕も告知しておきますね・・・って、さっきからゆめさんの反応が無いんですけど・・・」
シュウさんとゆめさんは同じ箱だから。ゆめさんファンもある程度の人は気付くだろうけど、ゆめさんしかフォローしてない場合は気付けないんだよなぁ。
「ゆめさん?」
「え?はい!」
「良かった。どっか行ったのかと・・・」
「ちょっとだけ逝ってました」
「あぁ、やっぱそうなんですね。それで、ゆめさんも告知しておいた方が良いんじゃないですか?」
「告知?」
「急遽だったから今ゆめさんが配信に居るのを知らない人も多いと思うんで」
「あー、あー、あー、そうですね!告知します!」
ふと思ったけど、もしかしたら自枠でのコラボってこれが初かもしれない。
最初のコラボはみぃの3Dお披露目イベの時にサプライズ出演した時だけど。あれはコラボって言うよりもゲストとして参加したって感じだから、みぃの枠でやったのが初かな?
「今、気付いたんですけど。自枠でのコラボってこれが初な気がします」
[兎合シュウ]!?
「え?私が初めての相手で良かったんですか?」
[兎合シュウ]ダメ!!
ピロン───。
「ここからは私も参加するぴょん」
「え?シュウさん!?」
「ゆめちゃんありがとね~。ここからは私が引き継ぐから任せてっ」
「えっ?」
いきなりどうした・・・。
突然、シュウさんがVCに入ってきて僕とゆめさんは困惑しか無かった。
「分かりました!私はここまでです!!ここからはシュウ先輩にバトンタッチします!!」
「!?」
「お邪魔しましたー!!」
ピロン───。
が、思い他あっさりとゆめさんはVCから抜けていった。
「いやぁ~、あきなちゅの自枠初コラボは私かぁ~」
「え?もしかしてその為にゆめさん追い出したんですか?」
「人聞きが悪いぴょん」
「えー・・・」
「ここからは私がASMRの講師になるぴょん」
「い、いきなりですね・・・」
「それじゃあ、黒耳に向かって囁いてみるぴょん」
「いや、繋いでないですよ?」
「黒耳に囁いているのを今のマイクで拾えば良いぴょん」
「それバイノーラルマイクの意味は?」
意味というか存在意義を完全に否定してる。
「いや、待って」
「え?はい」
「耳ふーの方が良いかも」
「だから繋いでないですよ?」
「大丈夫。黒耳に向かって耳ふーするだけだから」
「別に良いですけど・・・」
フゥ~~~───。
「音、拾えてます?どういう状況なのか謎すぎるんですけど・・・」
「ありがとうございますありがとうございますありがとうございますありがとうございます」
「いや、怖い怖い怖い・・・」
「次は耳はむ」
「あんまり詳しくないから分からないんですけど、耳はむって何なんですか?」
「耳をはむってするの」
「口で?」
「口で」
「ちょっと抵抗が・・・」
「なんでっ」
「いや、これ借り物なんで口を直接つけるのは・・・」
「そんな些細な事は気にしなくて良い。耳はむからの耳舐めまでいってみよ」
「些細じゃないですっ」
「えー」
「それに、多少緩くなったみたいですけど・・・水音ってBANになったりしません?」
「即BANは無いんじゃない?あっても収益化剥奪くらい」
「いや、ほら、Youtube君から怒られるんじゃないですかっ」
「細かいなぁ~」
「だったら、細かいついでに・・・さっきから語尾忘れてますよ」
「!?」
「って事でやらないです」
「そんなー・・・ぴょん」
語尾の付け方忘れてるじゃん。




