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58話 女子会+1

炎上騒動も落ち着きを見せ、制限を掛けていたコメント欄もようやく開放する事が出来た。

そして、更には・・・めるとに強制的にやられた事だけど収益化の申請も行われ・・・思いの外すんなりと申請も通ってしまった。


そこで、今日は作戦会議。


「今日はあきなちゅの収益化記念に私が奢るから何でもドンドン頼んでね~」


そう。

ここは以前、シュウさんに連れられて来たちょっとお高いお店だ。


「私も出します」

「高校生にお金出させる訳にはいかないわよ」


そして、僕は上座に座らされ。シュウさんと伊達さんのやり合いを正面から眺めている。


「っても・・・伊達さんも稼いでるか」

「はい。なんで私が奢ります」

「でも、後輩だからなぁ」

「え?秋乃さんってウチの高校だったんですか?」

「あぁ、じゃなくて。Vtuberとしての後輩ね」


それを言い出したら、シュウさんよりも先輩なんてほとんど居ない。


「前回も割り勘だったし、今回は先輩の顔を立てると思って。ね?」

「だったら、もう1回やりましょう」

「なにを?」

「あきなちゅの収益化記念のお祝い」

「あ、良いわね」

「それで、その時は私に出させて下さい」

「分かったわ」


と、僕の存在は完全にスルーされている。

一応、財布には2万円入れて来たから割り勘ならなんとか耐えられるはず・・・。


「いや、僕としては割り勘でも良いんですけど・・・」

「主役なんだから細かい事は気にしなくて良いのよ?」

「いや・・・お祝いというか相談があって2人を誘ったんで・・・」

「そういえば、その相談って?」

「えっとですね・・・」


今回、相談したかった内容は・・・みぃのファンが僕の配信を観に来ていたり、シュウさんや伊達さんとのコラボ後は2人のファンも僕のチャンネルを登録したりしている様で・・・。

そんなVtuberファンが居る場でこれまでと同じ様にコメントをしていると身バレに繋がる恐れがある。

それで2人に声を掛けた所・・・いつの間にかオフで会う事になり。しかも、それがまたいつの間にか収益化記念のお祝いオフに変貌していた。


「んー、私達はもうコメントしない方が良いかもね」

「えっ、そんな・・・あきなちゅ・・・」

「そこで良い考えがあります!」

「「おおぉぉぉ」」

「メンシ始めれば良いのよ」


メンシ。

youtubeにあるチャンネル毎の月額会員制のシステムをメンバーシップと言う。


けど・・・メンシでどう解決するんだろう?


「それ良い考えですね!」


そうなの?


「メンシの料金を月額6000円にしたら興味本位の人は入らないだろうし」

「うんうん」

「いやいやいや、メンシですよ?6000円とか誰が入るんですかっ?ってか、そんな高く出来るんですか?」

「上限が確か6000円だったはず。それに、私達3人は入るんじゃない?って、事ですよね?」

「うん。そしたらメン限ではこれまで通りに出来そうじゃない?」

「って、普通500円くらいですよね?メンシって」

「私は480円。伊達さんは?」

「私もそれくらいだったと思います」

「2人の10倍以上はヤバいでしょ」

「「だって私達は登録者多いから」」


くそう・・・。


「だからって1人当たりの単価上げるのは違くないですか?」

「ってよりも、他の人が入りにくくして私達だけでメン限を楽しむ?みたいな?」

「でも、そこまで高いと逆に誰か入って来そうじゃないですか?」

「どうかな?」

「愉快犯は居るかも?アンチで」

「アンチで6000円払う・・・?」

「だって、ほら?収益化して最初の配信でうん百万飛んだって言ったでしょ?」

「うん」

「配信者側も金銭感覚狂ってくるけど・・・リスナー側の方がおかしくなってると思うんだよね」

「それは・・・たしかに・・・」


だったら尚の事、6000円メンシはナシだ。


「まぁ、やるとしてもメンシは安くするかな」

「90円だっけ?1番安いのって」

「あ、そんな安く設定も出来るんだ?」

「たしか」

「まっ、高くても安くても、そのほとんどがyoutubeに取られるんだけどね」

「更に事務所にも取られて、税金まで・・・」

「本当にそう・・・」

「しかも、手元に残ったお金も機材とか歌みたの依頼料とかメンシ用の壁紙とかスタンプとか・・・」

「何も残らないよね・・・」


人気Vtuberのはずの2人もお金の話になるとそんな感じなのか・・・。


「しかも!親がお金の管理してるからなーんにも買えないんですよ!」

「貯金してくれてるんでしょ?その方が良いよ」

「たまにはパーっと使いたいじゃないですかっ」

「今度、服とか買いに行く?」

「え?良いんですかっ?」



気付くと向かいの席だけで盛り上がっていて僕は孤独にスマホをイジり始めた・・・。


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