52話 パックマン・フィーバー
いつもお読み頂きありがとうございます。
気付けばもう12月ですね・・・(´・ω・`)早過ぎる。
配信でテンションが上がって暴走気味の母親にペースを乱されながら始まった2度目の親子3人コラボ。
と、思ったけど、普段からあんな感じだから配信バフは関係無かった・・・。
「気を取り直して・・・石倉先生への質問を始めて行きたいと思います。みぃからは何かある?」
「うーん。無難な質問だけど、なんでVtuberになろうと思ったの?」
「なんとなく?」
「そうなんだ?じゃ、次あきなちゅからの質問」
「いやいやいやいやいや「なんとなく?」じゃ理由になってないだろ!」
「えー?」
「しかも、それを流すなっ!」
「えー」
「えー。じゃないっ!ほら、ちゃんと答えてっ」
「んー、でも、本当になんとなくなんだよねー」
「いや、ほら?イラストレーターさんのV化も増えてるからそれに影響されたとか」
「じゃ、それで」
「適当すぎるっ!」
「えー?」
「ほら・・・僕達とコラボしたかったからとか」
「みぃは知ってたけど、あたるくんが息子だったのは最近知ったから違うしね」
「まぁ、そっか・・・」
「理由はなんとなく。昔から勘が良い方だからなんとなくこうなるのが分かってたのかも?」
「こう。とは?」
「親子コラボとか」
「あー」
勘か。
別に親子コラボが実現するなんて未来を前もって予見していたとかでは絶対に無い。
自分でも言っていたけど、この母親は妙に勘が良い。
抜けてる所もあるしミスしないとかでも無いけど、ここぞという所では何故か正解を引き当てる。
それが今回も炸裂したのかもしれない。
「予見していた訳では無いけど、なんとなくVの体を作っておいた方が良い気がした。と」
「うん」
「まぁ、僕達家族はこうゆうなんとなくに振り回されて日々生活を送っているというのがリスナーさんにも理解して頂けたかと思います」
「えー、結果良かったでしょ?」
「こういう所ですよね」
「えー?」
「次は僕からの質問ですね」
「どんと来い!」
「僕達以外にもコラボの予定とかはありますか?今決まってるとかでは無く将来的にでも」
「うーん。今の所は無いかな。でも、イラストレーター仲間とかでもVになってたり興味持ってる人は居るから」
「ふむふむ」
「タイミングが合えばそうゆうのもアリかも?」
「なるほど。作業通話をそのまま配信されてる先生もいらっしゃいますからね」
「そそ。企画立ててーってのは億劫だからさぎょいぷをそのまんま配信出来るならアリ」
「さぎょいぷ?」
「作業しながらフライプで通話。略してさぎょいぷ」
「へー」
「あれ?言わない?」
「言わない」
「えー」
「フライプは知ってる?」
「名前は知ってる。使った事は無いけど」
「まぁ、そっか。私もずっとディスコだし」
「次はみぃから質問ある?」
「ない」
「無いかー。じゃあ、コメントから質問を拾っていこうかな」
「えー、ほら?もっと私に質問あるでしょ?ママに興味津々でしょ?」
「あ、コメントに興味シーン。って、あった。ふひひ」
「面白くない帰れっ」
「ちょ、リスナーさんになんて事言うんだっ」
「ウチのリスナーMだから喜んでるよ。たぶん」
「いやいやいや・・・って「ご褒美です」って言ってる人いっぱい居るな・・・」
「ほらね」
ほらね。じゃない・・・。
中学生が配信でMとか言うなっ。
「皆さん、石倉先生への質問ありませんか?」
「何でも答えますよー」
「罵倒して下さい。とか要望じゃなく、質問をお願いします・・・」
「質問だって言ってんだろうが、このブタ野郎っ!」
「ちょっ・・・要望に応えんな・・・」
妹のリスナーがこんなのばっかりだと兄として心配になる。
「あ、どうやったら先生みたいに絵が上手くなりますか?だって」
コメント欄が罵倒して欲しい勢の所為で加速していたからこそ、このまともなコメントが光り輝いて見えた。
「ありきたりだけどいっぱい描く事かな?」
「コツとかは?」
「好きな絵を真似する事」
「でも、それだと言い方悪いけどパクりっぽい絵になっちゃわない?」
「1人の絵だけを模写し続けたらそうなるかもだけど」
「ふむふむ」
「色んな人の色んな絵をいっぱい真似して描き続けたら自分の絵が出来上がるんじゃないかな?」
「石倉先生もそうやって練習していったんですか?」
「そうだねー」
「へぇ~」
「色んな人の良い所をパクって寄せ集めた結果が今の私の絵かな?」
「良いの?それで」
「なにが?」
「パクりの集大成が今。って聞こえるけど」
「そうだよ?」
「良いんだ?」
「100%の模倣は無理だし、それがオリジナルって事なんじゃないの?たぶん」
「なるほど?」
「良く言えば先人達から学んで自分の物にするって感じ?」
「最初からそう言ってよ・・・」
パクりって聞こえが悪すぎる。