50話 つまり・・・どういうことだってばよ
いつもお読み頂きありがとうございます。
50話達成です(`・ω・´)v
「これから配信するんだけど、7時に終わる予定だから」
「うん」
「もしかしたら押して遅れるかも」
「分かった」
「めるとも」
「ん?またコラボ?」
「う、うん・・・」
「お母さんも混ぜてよっ」
「えぇ・・・」
「何時から?」
「6時から」
「まだ時間あるから間に合うじゃん」
「いや、問題はそこじゃないっ」
「なによ?」
「ほら?マネージャーさんにも確認取らないとだし」
「ちょい待ち」
「え?」
「確認取る」
「マジか・・・」
藪をつついたらドラゴンが出て来たよ・・・。
「良いって!」
「マジか・・・」
「ねねっ」
「ん?」
「準備手伝って」
「なんでだよっ」
「いや、ほら。今、あたるくんの絵描いてて忙しいからさ」
「断りにくい理由持ってきやがって・・・」
そして、当然断る事が出来ずに母親の配信の準備をするという謎な状況に陥ってしまった。
「カメラ用のスマホは?」
「あー、そこの棚に入ってる」
「あ、あった。ホルダーとアームは?」
「それも同じ棚のどっかにあったと思う」
「あぁ、あったあった」
「ここに付けて」
「はーい」
アームを机に取り付けながら作業中のモニターを覗き込んだ。
「おぉ!もう仕上がってんじゃん」
「背景はねー」
「すげー」
「まぁ、背景は外注だし」
「おいっ」
「そこそこお高く付きました」
「ちょ・・・」
「それは私が被るから気にしなくて良いよ」
「そうなの?」
「時間無くて楽しようと思っただけだから」
「赤字じゃん」
「まぁ、そこはスパチャしたって思えば良いかな?って」
「う、うん・・・ありがと」
「登録者も伸びたし申請したら収益化通るんじゃないの?」
「え?あ、僕か」
「うん」
「なんか炎上商法みたいで嫌なんだよね・・・」
「それはそれ。これはこれ。割り切らないと」
「そういうもの?」
「そういうもの」
「んー・・・考えとく」
そんなこんなで準備は完了した。
「後は自分で出来るよね?」
「うん、ありがとっ」
「んじゃ、めるとにも言ってくる」
「あいよー、それじゃ、後でね」
コンコン───。
ガチャ───。
「なに?」
「お母さんも配信するって・・・」
「聞いた・・・」
「あー、マネージャーさんから?」
「うん」
「どうすんの?」
「どうしよ・・・」
どうしよう。と、言われても・・・。
コラボ経験の少ない僕にはどうしようも無い。
「あ、こないだと同じで良いんじゃない?」
「え?」
「僕とめるとでお母さんに質問。コメントからも質問を拾ったりして」
「んー・・・また?って思われない?」
「その可能性は否定出来無いけど・・・」
「あ、でも、逆にシリーズ化させるのもアリかも・・・でも、そうなると・・・」
めるとはブツブツ言いながら考え込んでしまった。
「おーい・・・」
「よし!!」
「!?」
「それで行こう!」
「お、おう・・・」
「シリーズ化決定ね?」
「え、うん。好きにしたら良いんじゃない?」
「違う」
「え?」
「私とあきなちゅでゲストに質問していく感じでシリーズ化するから」
「いや、そんなん誰が来てくれんだよ・・・」
とは言ったけど、シュウさんと伊達さんは喜んで来るだろうな。
「一応、私がまだ箱内しかコラボ解禁されてないから」
「あ、そっか」
「あきなちゅとお母さんは例外」
「だね」
「そういやさ・・・」
「うん?」
シュウさんと伊達さんの名前を出して思い出した。
「僕の配信に来てくれてる常連さんでさ」
「うん」
「まるたさんって居るんだけど・・・」
「・・・・・・」
「あれ、めるとだよな?」
「だったら?」
「いや、別にどうもしないけど・・・」
「そうだよっ!」
「やっぱりかー・・・」
「なんか文句でもあんのっ!?」
「いやぁ・・・僕のリスナーって身内と知り合いだけなんだなー。って・・・」
「うん・・・うん?・・・どういう事っ!?」
「えっ?」
「ディーティックさんとティーナカさんって知り合いなのっ!?」
「え、うん・・・知り合いって言うか何て言うか・・・」
「あー、もう!ハッキリしてっ!」
「ディーティックさんはクラスメイト」
「はぁ!?」
「ティーナカさんはクラスメイトの従姉弟」
「はいぃ!?」
まぁ、それだけじゃないけど・・・。
「それから・・・」
「それからぁ!?」
「なんでキレてんだよ・・・」
「うっさい!それからなにっ!?」
「う、うん・・・ディーティックさんはVtuberの伊達ごっこで」
「はぁ!?」
「ティーナカさんもVtuberの兎合シュウ」
「・・・・・・」
「おーい・・・」
「ど、どういう事・・・?」
「さ、さぁ・・・?」
それは僕にも分からない。