表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/108

48話 詰問

前日にどれだけショッキングな事があろうと、どれだけ嫌な事があろうと翌日には学校がある。

そう。

早寝しようと、どれだけ夜更かししようと大体同じ時間に目覚める。

毎日、決まった時間に決まった行動をしていると無意識にでも普段の自分を(なぞ)った動きが出来る。


気付くと校門を(くぐ)り抜けていた。


ガラガラ───。


「はよーっ」


教室に入ると同時に伊達さんが駆け寄って来た。


「お、おはよう」

「ちょっと良い?」

「え、うん。あっ・・・」


手を引かれ、いつもの屋上へとやって来た。

相も変わらず風が四方八方から吹き荒れている。


「あー・・・昨日は途中で抜けてごめん」

「ディスコ見た?」

「え?あ、見てない」

「秋乃さんからも行ってると思うけど」

「秋乃さん・・・?あ、シュウさんか」

「うん。あの後、2人で話してね」

「うん」

「3人でコラボする事が決定しました!」

「え?」

「みぃちゃんはリアル妹だから特別として。私達は抜け駆け禁止って感じで落ち着いたの」

「う、うん?」

「まず最初に秋乃さんの枠で3人コラボして、その次は私の枠で3人コラボね」

「え、あ、うん」

「あきなちゅの枠でもやりたいけど、コメ封鎖してるからやるとしたら先かな?」

「え、あ、うん」

「で、みぃちゃんがまるたさんなのか聞いた?」

「え、あ、聞いてない」

「まるたさんなんだったら4人でもコラボしたいなー。って、話してたから聞いといてね?」

「え、うん・・・」

「そろそろ戻った方が良いかな?」

「あ、かな?」


3人コラボか・・・。

2人コラボもめるととしかやった事無いのに・・・って、思ったけど、親子コラボが3人だった。

めるとは早々に離脱してほぼ2人コラボだったけど。


そんな事を考えていたら教室まで伊達さんに手を引かれていた。


「石神くん?」

「え?あ、なに?」

「着いたよ?」

「あ、うん」

「何やってんだー?もうチャイム鳴ってるぞー」


と、後ろから先生の声がした。


「はーい」


その後、何事もなく授業を消化していきお昼休みになった。


「石神」

「ん?」

「ちょっと良いか?」

「うん、なに?」

「ここじゃ難だから、ちょっと」


と、田中君に呼び出され恒例の屋上。では無く、階段の踊り場に連れて来られた。


「お前、シュ・・・秋乃さんと知り合いだったのか?」

「あー、ネットの知り合いって感じかな?」

「ふーん、それで秋乃さんがVやってるのも聞いてたって事か」

「まぁ、そうかな」

「伊達さんは?」

「ん?伊達さんが何?」

「なんであの時、伊達さんも着いてったんだよ」

「あー、伊達さんもネットで繋がりがあるから」

「伊達さんも知ってたのか・・・」

「あ、いや、僕もだけど秋乃さんと会ったのはあの時が初めてだし。あの時に発覚したって感じだよ」

「そっか・・・で、ネットって何?」

「え?インターネット?」

「ネットの意味じゃねーよ。ネトゲで知り合ったとか、そーゆーの」

「あー、なんだろ・・・SNS?になるのかな?」

「ツイ・・・エッキスとかか」

「まぁ、そんな感じ」

「あの後、俺の事なんか言ってた?」

「いや?なんにも」

「マジか・・・」

「田中君は何であの時秋乃さんと一緒だったの?」

「あー、いや・・・ちょっと相談事があって」

「そうなんだ?邪魔しちゃったみたいでごめん」

「いや、いいけど・・・」

「そろそろ良いかな?お弁当食べる時間が・・・」

「あー、だな。悪かった」

「いいよ」


ウソは言ってないけど、本当の事も言ってない。いや、そこそこウソも吐いてる。

でも、別に本当の事を言わないといけない筋合いでも無いし。なんで問い詰められないといけないのかってのもある。


そして、配信に使ってる機材ってシュウさんから貰ったっぽいし・・・。

タダでプロスペックの機材貰えるとか・・・僕がどれだけバイト頑張ったと思ってるんだ・・・!


という、(ねた)(そね)みも多分に含まれているからこそ本当の事を教えてやる義理なんてこれっぽっちも無い!



お弁当を食べながらディスコをチェックすると。シュウさんからは長文のメッセージがあり読むのにかなり苦労した。

対象的に伊達さんからは「コラボ3人でする事になったから」と、簡潔に一言だけ送られていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ