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35話 布教

「なんとかクリア出来ました・・・」


[T-中]お疲れ様でした

[DTick]おつかれー


「クソゲーは当分やりたくないなぁ・・・楽しいけど疲れるっ」


ディーティックさんの正体がクラスメイトの伊達さんだと知ってからの初配信は中々に緊張した。


[DTick]そういえばー

[DTick]クラスにあきなちゅの配信見てる子居たよー


それってもしかして僕の事・・・?


「え、そうなんですか?」


[DTick]見てるってか名前知ってたから見るように言っといたから今も見てるかも?


「なるほど、そうなんですね。って、IDバレちゃって良いんですか?」


我ながら白々しい。


[DTick]その子にはこのアカ教えたから大丈夫

[T-中]子って事は女の子?

[DTick]男の子ですよー

[T-中]カレシ?

[DTick]全然そんなんじゃないですよー

[T-中]そうなの?


どうしよう・・・話に割って入れない・・・というか無言になって事故ってる。


「男の人にも観て貰えてるんですねー。嬉しいです」


[DTick]女じゃダメってことー?


「いやいや、女性でも嬉しいですよ。でも、同性に観て貰えるのって嬉しいじゃないですか」


[T-中]確かにっ

[DTick]たしかし


「ディーティックさんさんはそのクラスメイトに無理に布教とかしない様にして下さいねー」


[DTick]無理にはしてないよー


「布教して貰えるのはありがたいですけど、強要とかはナシで!」


[DTick]はーい

[T-中]はーい


「それじゃあ、今日の配信はこの辺りで。本日もご来店頂きありがとうございました。またのご来店をお待ちしてまーす」


[DTick]おつかれー

[T-中]お疲れ様でした



それにしても・・・ディーティックさんの中の人が伊達さんだとは未だに信じられない。

石倉先生がお母さんで、ぬいぐるみぃがめるとで・・・ここ最近、僕を含めて身バレが続き過ぎている。

ティーナカさんとまるたさんも実は知り合いとか無いよな?

何かフラグになりそうだから考えないようにしよう・・・。


目を瞑り、大きな溜め息を一つ吐いた。

そして、エンディングが終わったのを確認してから配信画面を閉じた。


防音室から出て伸びをする。0.8畳の防音室から出るとこの6畳の部屋がかなり広く感じる。

防音室の所為でかなりの圧迫感は感じるけど・・・。


でも、それでも体感で部屋が広くなった感じがある。

理由は簡単。部屋の至る所にあった配信関係の機材やゲーム等々、それが纏められて防音室に詰め込まれたから、元々の部屋が広くなった様に感じる。

というか・・・この部屋には防音室、ベッドに勉強机。それしか無い。

当然、服とかカバンとか細々とした物はあるけど、この部屋にはほぼ配信関係の物しか無かった事に今更ながら気付かされた。


すると、隣の部屋の扉が開き妹が階段を下りていく音が聞こえた。


またトイレのタイミングが被った。

いや、トイレかどうかは分からないけど部屋を出るタイミングが妙に被る。


配信のタイミングが被ってたら動きも被るだろうから。と、思い。ぬいぐるみぃの配信履歴をチェックしてみたが僕が配信するよりも前に今日の配信を終えている。

作業の時間絡みで被るんだろうか?

まぁ、これもドッキリをかました後に色々聞いてみよう。


あ、そうだ・・・。

前に皆から聞いておいて欲しいって言われてたのを忘れていた。

そう思って母親にメッセージを送った。


「ちょっといい?」

「いいよー」

「貰った防音室ってさ。めるとが使ってたののお下がりって話だったじゃん?」

「うん」

「防臭剤とか消臭剤みたいのって何使ってたか聞いといてくれない?」

「あー、コメントでお嬢さん方が言ってたね」

「うん」

「それ聞いたんだけど」

「うん」

「なにも使ってないって」

「そうなの?」

「あんたら兄妹だから体臭も似てるんじゃない?」

「そんな事ある?」

「さぁ?でも、家の匂いと同じって事なんじゃない?」

「そうなのかな。じゃあ、皆になんて言おう・・・」

「そのまま言うしか無いんじゃない?」

「なにも使ってませんでした。って?」

「うん」

「無理ない?」

「じゃー、ウソつくの?」

「んー、それもそっか・・・」



後日、配信でその事を伝えたが誰も納得してくれなかった・・・。


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