25話 応酬
「やってくれたね」
「でも、トレンド1位にもなったし・・・」
「私のメンタルはボロボロになったけどね」
「でも、登録者数もめちゃくちゃ増えてるよ?」
「あー、モチベーションも下がっちゃったなー」
「3Dお披露目したばっかでしょ!」
「まぁ、そのお披露目が大事故だったからねー」
「こんなんじゃ配信なんて出来ないなー」
「みぃ?」
「運営にもお母さんにもハメられてさー」
「ごめんって・・・何か食べたい物とかあったら連れてくよ?」
「食べ物ごときで釣られると思ってるんだー」
「ごめんって」
お母さんの次はマネちゃんに文句の1つも言わないと気が収まらない。
そして・・・!
「だったらさ」
「うん」
「私のやりたい企画やってもいい?」
「え?なに?」
「普通のコラボだけど?」
「誰と?」
「いいよね?」
「誰と?」
「ダメ?」
「だーかーらー誰と?」
「春夏冬中くん」
「前に言ってたVの人?」
「うん」
「今の所、事務所の方針としては箱内のみコラボok。箱外は禁止」
「ふーん」
「みぃ」
「なに?」
「仕事なんだから無茶言わないで」
「無茶な事したのはどっちだと思ってるの?」
「それは本当にごめん。だけど、それはやっぱり難しいと思うの」
「だったら辞める」
「なにを?」
「事務所」
「みぃ!」
「私はコラボがしたいだけ。で、それが出来ないなら居る意味がない」
「分かった」
「ホント?いいの?」
「私にはそんな決定権無いから上に掛け合ってみる」
「ホント?」
「でも、多分無理だよ?」
「とりあえず聞いてみて?それからまた考える」
「分かった。でも、みぃ」
「ん?」
「そんな簡単に辞めるとか言わないで」
「簡単じゃないよ?なんで分かってくれないの?」
「そう・・・分かった。私もその気で掛け合うから」
「うん」
「でも、かなり難しいと思う」
「うん」
「だから、期待せずに待ってて」
「だから、無理だったらその時また考える」
「うん、頑張るね」
「お願いします」
「じゃあ、ちゃんと予定通り配信してね?」
「分かってるよー」
うふふふふ・・・あきなちゅとのコラボに1歩近づいたっ。
そんなぬいぐるみぃ事、石神めるとの思惑がどうなるのか。
それは神のみぞ知る・・・かもしれないし、某ママの掌の上かもしれない。
「お疲れ様です。石倉です」
「お疲れ様です。イベントへの参加ありがとうございました」
「いえいえ、楽しかったです」
「また何か面白い企画があれば仰って下さい!」
「当分は止めといた方が良いですね。みぃがヘソ曲げてるはずなんで」
「そうなんですよ・・・」
「あ、もうマネージャーさんに凸っちゃいました?」
「ついさっき」
「あちゃー、どうでした?」
「詳細はお伝え出来無いのですが・・・引退を引き合いに出されまして・・・」
「おぉー、大きく出ましたね」
「楽しんでません?」
「まぁ、自分の意見は曲げない子なんで。ヘソは頻繁に曲げますけどwww」
「上手い事言わないで下さい・・・かなり困ってるんですから・・・」
「しばらくは腫れ物に触る様に接するか放置して下さい」
「はい」
「そしたら寂しくなって折れて来ますから」
「なるほど・・・」
「大抵はそれでいけます」
「分かりました。ありがとうございます」
「ただ、本気の時は絶対に折れないですね」
「なるほど・・・」
「面倒な子ですがよろしくお願いします」
「いや、待って下さいっ」
「はい?」
「本気の時の対処法ってあったりしませんか?」
「んーーーーーーーー、基本的にめちゃくちゃ頑固なんでどうしましょうね?」
「どうしましょうね・・・」
「本気っぽい感じですかー」
「はい」
「頑張って下さい!」
「いや、あの・・・」
「頑張って下さい!!」
「何かアドバイスを・・・」
「頑張って下さい!!!」
「分かりました・・・」
「ではでは、イベントお疲れ様でしたー」
「お疲れ様でした・・・」
さぁてと・・・こっちからもご機嫌取りはやっておきますか・・・。