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2話 まだ居た 伊達依知子side

「達也。昨日の配信も面白かったなー」

「おい、やめろよ~」

「えー、田中君配信してるのー?」

「おいぃ。声デケーよ」

「コイツの配信めっちゃオモシレーよ?」

「そうなの?何て名前でやってるの?youtube?」

「そうそう、名前は~」

「いいってー。面白くないからー」

「えー。観たーい」


田中君も配信やってるんだ。


「ゲームしながらテキトーに喋ってるだけだし」

「でも、面白いんでしょー?」

「普通だって」

「オモシレーよ、マジで」

「ID教えてよー」

「そのまんまだぜ?」

「おい、いいって」

「そのまんま達也」

「そうなの?」

「でも、ちょっとヒネってて「た」が半角小文字のtaで「つ」が数字の2。「や」がまた半角小文字でya」

「へぇ~。調べよ」

「このちょっとヒネってるのが」


ふ~ん。

時間あったら今度観てみよ。


「オシャだよな」

「あ、あったあった」

「もー、いいってー」

「登録しとこっ」

「登録者増えて良かったじゃん」

「いや、別にそんなんでやってねーから」

「増えて損はねーだろ。収益化したら奢ってくれよなー?」


収益化しても出ていくお金の方が多いからそんな余裕なんて無いと思うけど・・・。


「収益化なんて無理に決まってんだろ」

「オモシレーから絶対いけるって」

「私、皆にも教えとくねっ」

「いや、マジでホントに止めてっ」

「いいじゃん。登録者増えんだし」

「だーかーらー、そーゆーのでやってんじゃないんだって」

「だったら何で配信なんてやってんだよ」

「親戚に一式貰ったから。試しにやってみただけなんだよ」


もしかしてその親戚も同業者なのかな?

良い機材に買い替えてお古を田中君にあげたとか?


「へぇ~。なぁなぁ」

「ん?」

「今度、俺も出してくれよ」

「えー、ヤダよ」

「なんでだよー。登録者増やすのに協力してやってんじゃん」

「だから、そーゆーのはいいって」


うわぁ~・・・。


「仲間内でやってるから無理だよ」

「俺は仲間じゃないってのかよー?」

「ゲーム仲間って意味だよ」

「アレあんじゃん。雑談配信?そーゆーのに出してくれよ」

「マジで無理だって。雑談配信とかしないし」

「大丈夫だって。俺、オモシレーから絶対に盛り上げるし」


山田君って個人情報とか普通に喋りそうで怖いなぁ・・・。

私だったら絶対にコラボしたくない。


「あー、もー、この話はこれで終わりっ」

「そういや駅前にタピオカの店出来たんだけど皆で行かね?」

「えー、今更タピオカー?」

「えぇ・・・古い?」

「古ーい」


と、配信の話から別の話題へと移行したので読みかけの本へと意識を戻した。

するとスマホが震えた。


あ!!!

私がずっと追いかけてるVtuberのあきなちゅ事、春夏冬中君の今晩の配信の告知が着たっ!


個人勢だけどちゃんと人気イラストレーターがママでビジュも良いし企画も面白い!のに・・・何故か分からないけど登録者数は伸びない。

でも、私だけの推し感があってそこも良い・・・。

だから、伸びて欲しくない・・・けど、最近は数字に悩んだりもしてるみたいだから手助けになればと思ってコラボの話をマネちゃんに投げたけど良い返事は返って来ない・・・。


私みたいに大手の箱に入ったってだけで登録者数増やしたVtuberよりもあきなちゅみたいに本当に良い配信者にこそ報われて欲しい。

私の登録者なら全部あきなちゅにあげても良いのにっ。

全部は言い過ぎたかも・・・半分くらいならっ。半分の50万人なら全然あげても良いっ!


あ、そうだ。

配信時間被っちゃったからリスケしとかないと。



伊達ごっこ(@itachi_gokko)

22時から予定してた虎が如くだけど、繰り上げて19時からにしても大丈夫かな?

直前の変更でごめんねっ!お詫びに今度歌配信やりますっ!!



これで良し・・・と。


「そういや達也」

「んー?」

「今日も配信やんの?」

「一応、やる予定だけど・・・」

「何時から?」

「えー・・・19時くらいからの予定だけど・・・」

「んじゃ、観に行くわ」

「いいって・・・あ、お前マジでコメントとかすんなよ?」

「なんでだよー」

「な・ん・で・も!」

「皆で観に行って、コメントして盛り上げよーぜー?」

「あ、私、無理」

「え?なんで?」

「今、Xで告知あって。いたちちゃんが19時から配信するから」


え・・・渡辺さんって私のリスナーだったの・・・?


「誰?」

「え?いたちちゃん知らないの?伊達ごっこちゃん」

「知らねー。面白いの?」

「面白いよー。めちゃ可愛いしー」

「でも、達也のが面白いだろ」

「な訳ねーだろ。向こうはプロ。俺は素人も素人なんだから比較にならんって」



クラスにも自分のリスナーが居たのは嬉しいけど・・・バレたら本当に面倒な事になりそうだからこれまで以上に気を付けないと・・・。


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