16話 ママ母
ちょっと短めです(´・ω・`)
「掃除と片付けは済んだ?」
「うん、ほとんど終わった」
「ほとんど?」
「うん・・・ほとんど・・・」
「本当は?」
「もうほとんど終わってるよっ?」
「ほ・ん・と・う・は?」
「半分くらい・・・」
「はぁ~・・・まだ何もやってないのね?」
「だって!!配信とか忙しいしっ!学校とか塾だってあるからっ」
「めるとが自分で出来ないんだったらお母さんがやるよ?」
「やる!自分でやるからっ!!」
「明日までに目処が立ってなかったらお母さんがやるからね?」
「わかった・・・」
本当にウチの子達は・・・自分の好きな事は言われなくてもトコトンやるクセにそれ以外はからっきしなんだから・・・一体誰に似たのやら・・・って、私かっ!私にソックリだわ・・・。
自分の悪いトコが似過ぎてて可愛いやら腹立たしいやら・・・。
子育てって難しいわー。
さてと・・・次は望の方にも。
コンコン───。
「なにー?」
ガチャ───。
「お母さん。なに?」
「ちょっと入って良い?」
「え?なんで」
「気になるじゃーん。思春期の男の子の部屋」
「ぜってー入れない」
「採寸とかあるのよ」
「え?あ、防音室?」
「そ」
「じゃ、じゃあ・・・」
中学に入った辺りから部屋に入られるのをいっちょ前に嫌がる様になって、その頃以来に息子の部屋にはいる。
「ふ~~~ん。へぇ~~~~。なるほどねぇ~~~~~~」
「なんだよ・・・」
「これが防音室ね」
「しょーがないだろ・・・金無いんだからさ」
「触って良い?」
「別に良いけど・・・」
「意外と重いのね」
「吸音材とか遮音シートも貼ってるしね」
「自作でここまで出来るモンなのね」
「自作でもっと凄いの作ってる人も居るけど、工具にも金掛かるから諦めた」
「でも、本当に配信部屋って感じね。壁中に吸音材貼ってあって」
「これでもまだ音漏れが気になるんだよね」
「そうなんだ?」
「うん。こっちが出す音はある程度カット出来るんだけど」
「うん」
「外からの音は意外と拾っちゃうし」
「なるほどねぇ」
「で、採寸は?」
「んー、どこに置きたい?」
「え?んと・・・0.8畳だよね?」
「うん」
「中が0.8畳でもガワ自体はもっとあるはずだから・・・ここかな?」
「来週か再来週くらいには来るはずだから」
「え?マジ?」
「マジマジ。望が学校行ってる間に設置して貰うから。その時は全部どけて貰うわよ」
「うんっ」
「PCの設置とか配線はどうする?」
「え?業者の人ってそんな事もやってくれるの?」
「お金払えば?」
「金かーーーー」
「どうする?」
「設置は自分でやるからそれはいいや」
「わかった。それじゃ、お邪魔しましたー」
「え?採寸は?」
「久しぶりに部屋見てみたかっただけ」
「なんだよそれっ!」
次は・・・めるとの3Dイベントの打ち合わせ。
契約書に判子を押したりもしないといけない為、事務所に行かなければならない。
妻として、母親として、イラストレーターとして、更にはVtuberとして。
全て自分が望んで始めた事とはいえ多忙を極めていた。
「いい加減、分身でも出来る様にでもならないとやってられないわ・・・」