12話 降臨
今日は企画という企画は無く、珍しく雑談配信をしている。
「そういえば、もしかしたら今よりも良い防音室が手に入るかもなんですよね」
[DTick]いいじゃん
[T-中]でも、お高いんでしょ?
「でも、お高いんでしょ?それが今回はなんと・・・!中古のが貰えるかも?って話で」
[DTick]いいなー
「いいな?もしかしてディーティックさんも配信とかやってたり?」
[DTick]あ、いや、いいねーの打ち間違いwww
「あ、打ち間違いか」
[T-中]防音室手に入ったら出来る事の幅も広がるね
「そうなんですよねー。直ぐじゃないって話ですし、実際どうなるか分からないけど今から楽しみで話ちゃいました」
[石倉-ishikura-]取らぬ狸のなんとか
[DTick]ママだ!
[T-中]石倉先生だ!!
「あ・・・えっと、石倉先生こんばんわ。そして、右へ回れでお帰り下さい」
[石倉-ishikura-]なんでーーーーーーーーーーー
[T-中]ママは大事にしないと
[DTick]あきなちゅ冷たい・・・
[石倉-ishikura-]もっと言ってあげて下さい
[石倉-ishikura-]この息子私に冷たいんです
[DTick]優しくしてあげてー
[石倉-ishikura-]ママって呼んでって言ってるのに石倉先生って呼ぶし
[T-中]ママって呼んであげて
[DTick]呼んであげてー
「そうですね。石倉先生お帰り下さい」
[石倉-ishikura-];;
[T-中]泣かしたっ
[DTick]マーマ!マーマ!
「くっ・・・ママ・・・ほら、これで良いですか・・・?」
[石倉-ishikura-]うむ。余は満足じゃ
[石倉-ishikura-]またね。お邪魔しましたノシ
「ふぅ・・・」
[T-中]あー、もう帰っちゃった
[DTick]ママの扱いが酷い
「石倉先生はあんな感じの人なんであれで楽しんでるんですよ」
[DTick]やっぱりママとは仲良いの?
「石倉先生との仲ですか?んー、悪くは無いですよ?」
[T-中]そうなんだ
「この間もちょっと相談に乗って貰いましたし」
この間というか昨日だけど。
[DTick]へぇー、いいねー
[T-中]普段からママに甘えてるの?
「普段からマ・・・甘えてないです。連絡取ったのも久しぶりでしたし」
[DTick]もっとママには甘えてあげてー
[T-中]石倉先生も甘えて欲しいみたいだったからもっと甘えてあげないと
「距離感って大事ですからね・・・」
[T-中]ママとのコラボとか観てみたいかも
[DTick]なにそれ!見たいっ!!
「石倉先生とのコラボは無いですね。やらないと思います」
[DTick]ママとじゃなくてもコラボとかしないの?
「コラボしてみたい欲はあるんですけどね。相手が居ないんで・・・」
[T-中]石倉先生はV化してなかったかもしれない
[DTick]してなかったら厳しいかー
[DTick]でも、絵師さんのV化も流行ってるから希望はある
「石倉先生はV化してないですけど、してもやらないですよ」
[T-中]石倉先生に対してはあきなちゅ冷たい
[DTick]本当のママにもそんな感じ?
「石倉先生の話はこれくらいにしときましょうか」
[T-中]はーい
[DTick]しょうがないにゃあ
石倉先生の登場でコメント欄は盛り上がったけど僕のメンタルは果てしなく盛り下がった。
授業参観じゃないんだから勘弁して欲しい・・・。
そして、その後は問題も起こらず無事に配信を終えた。
コンコン───。
「はーい」
ガチャ───。
「どうしたの?」
「いや、ちょっと良い?」
母が自室に籠もって居る時はよっぽどの用が無い時以外は部屋に行かないというルールが我が家にはあるが・・・。
「どしたの?」
「いや、ちょっと中で良い?」
「いいわよ。もうバレちゃったし」
そのルールはオタバレというかイラストレーターの仕事を隠す為だったようだ・・・。
「何?新衣装の相談とか?」
「いや、それもちょっと考えてはいるけど」
「けど?」
「配信観ないでくれない?」
「えーーーーー、なんでーーーーー?」
「恥ずいじゃん!」
「大丈夫!」
「なにがっ!」
「あたるくんの配信は母親としてじゃなく石倉ママとして観てるから」
「何が違うんだよ・・・」
「全然違うわよぉ~」
「僕としてはどっちも嫌なんだけど・・・」
「分かった分かった。もうコメントはしない。これで良いでしょ?」
「うん・・・」
出来れば観るのも止めて欲しいけど、ここが妥協点かもしれないな・・・。
「もしかしてそれが本題?」
「そうだけど?」
そんなんでよく配信なんて出来るわねー。と、笑って居たが・・・家族に観られるのは別だっ・・・!