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六話 〜夜中の電話〜

カチッカチッ


秒針が時を刻む音が微かに耳に入ってくる。


そして音を認識した瞬間に、僕の意識の浮上が始まった。


暫くして意識がハッキリしてきたので目を開けると、部屋はまだ月明かりしか受け入れない静かな空間だった。


一応時間を確認しておこうと思い枕元に置いている目覚まし時計を手探りで探し、二本の針の位置を確認する。


二時二十三分。


これが今の時間だった。


随分と中途半端な時間に目が覚めてしまったようだ。


どうしよう、もう目が冴えてしまっているから、いまからもう一度寝付くのは多分無理だろう。


少し夜風に当たるか。


ふとそんなことを思い付いた僕は、隣のベッドで寝ているまなの寝顔を確認してから静かに部屋を出た。


今日風邪を引くととても困るので、一応カーディガンを羽織ってベランダに出る。


外は優しい風が吹いていて、とても気持ちのいい気候だった。


ここからの夜景も意外と綺麗だな、父さんには感謝しないとな。


前にもいった気がするが、このマンションは父さんが保証人となって借りてくれた。


しかも、高校生が二人暮らしをするのは少し危ないと言うことで、エントランスに警備員が常駐しているというセキュリティ面でとても安心できる家だ。


はぁ~、夜風が気持ちいい。


何気にこの家でこんな長時間一人で居るのははじめてかもしれない。


まだ結婚したてほやほやの僕たち、というより僕は、ところ構わずまなにベッタリくっついていた。


ふむ、一人になってこうやって考えてみると、なんか少し恥ずかしいことをしてる気がするな。


さっきも膝の上にまなを乗せて愛を囁いたり、、、、、、、、


うわ、やばいこれ。本当に恥ずかしいやつだ。


顔を中心に体全体が熱くなっているのを感じる。


でもしかたないだろ?


せっかく大好きな人と結婚できたのになにもしないなんて勿体ないじゃないか。


そう、結婚したんだよ僕たちは。


ピロン


ん?だれだこんな時間に。


不思議に思いながらスマホのロックを解除してトークアプリを開く。


メッセージの送り主は亮太だった。


「まだおきてるか?」


どうしたのだろう、何か急用だろうか。


「あぁおきてるよ。どうかしたか?」


「電話していいか」


本当にどうしたんだ?


「いいよ」


返事を送って暫くすると、亮太から電話がかかってきた。


「もしもし、急にどうした?」


「いやー、おまえ最近ずっと若井さn、じゃなくてまなさんにずっとくっついてたからよ、ぜんぜん話せなかっただろ?だからちょっと話してーなって思って」


なるほど。確かに最近僕はまなの引っ付きむしになっていた自覚がある。


それでこいつとの関係が疎かになっていたのは事実だ。


これはもうしわけないことをしたな。


「それはすまんな、最近は色々ありすぎてちょっと浮かれてたみたいだ。今日もさ、夜が明けたら二人で旅行に行くんだ」


「そーかい!まぁお前が楽しんでるなら俺はなんの文句もねえよ」


ふっ、いいやつだなこいつ。


「なあ亮太」


「んあ?どうした?」


「ありがとう、僕の背中を押してくれて。お前のそのひと押しがなかったらさ、僕は今ごろ後悔の渦に溺れていたと思うんだ。そうならなかったのはお前のおかげだ」


「なんだ急に水くせ~な。そんなの気にしなくていんだよ!俺がやりたくてやったことなんだから」


「あぁ、そうだな」


僕たちはこのあと、朝日が昇るまで話を続けた。


「それじゃあそろそろ時間だから切るよ」


「おっけ~。また声かけるわ。次はゲームな」


「あぁ、それじゃ」


亮太との電話が終わり、世界から音がなくなった気がした。


それから数分後、寝室からまなが出てきた。


「おはよ」


「おはようございます空くん。ちゃんと起きられたんですね」


そういって微笑むまなの姿に、僕は幸せを感じた。

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