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一話 〜告白〜

「なあ空、若井さんのこと見てにやつきすぎ。きもいぞ?」


こいつの名前は工藤亮太(くどう りょうた)。去年同じクラスになって仲良くなった親友だ。


「うるせっ! あんなにかわいい天使のような若井さんを見てにやつかないほうがおかしいだろ!」


「おぅおぅそんなに怒んなって。お前に若井さんは高嶺の花すぎる気がするけどな〜」


亮太はいつもこうやって茶化してくるが、こいつが僕の恋路を応援してくれてるのはよくわかる。


その証拠に、初めて若井さんと話すきっかけをくれたのもあいつだからな。


そう考えるとあいつにはほんとに感謝しかない。


本人には絶対に言わないけど。


「ねえ聞いた? 石井蒼汰くんが若井さんのこと狙ってるって話」


「えっ! まじ?! めっちゃショックなんですけど〜。私、結構真面目に石井くんのこと好きだったのに〜」


「まあでもしょうがないよ、だってあの若井さんだもん」


······え?


石井が若井さんのことを狙ってる?


それってやばくね? 僕が石井に恋愛関係で勝てるわけがない。


「な、なぁ亮太、僕······」


「これまで時間を無駄にしたお前が悪い」


「そんなこと言うなよ~! どうしよう、このままじゃ若井さんが石井と付き合っちゃう!」


「この際もうこくっちまえよ。多分だけど若井さんはもうお前の好意に気づいてると思うぞ? 毎日飽きもせず話しかけられてるしな」


そんな馬鹿な。ぼくがそんなへまをするはずがない、よな?


まあそれはおいておいて、今は石井だ。


石井みたいなイケメンにコクられたら若井さんは恐らくOKを出すだろう。


嫌だ、想いを伝えられずに失恋なんかしたくない。


「わかった、僕若井さんに告白してくる!」


そう言って僕は若井さんの席に歩き出す。


「おはよう! 若井さん!」


「あ、おはようございます天心くん」


僕の挨拶に気づいた若井さんはそう言って優しく微笑んだ。


あぁ、天使だ。彼女はやっぱり本物の天使だったんだ。ってそんなこと考えてる場合じゃない!


「あのね若井さん、その、えっと」


「どうしました? 天心くん顔が赤いですよ?」


「きょ、今日の放課後体育館の裏に来てほしい!話があるんだ!」


しまった、声が大きかった。周りにも聞こえてしまった。でも今はそんなことどうでもいい。


「放課後ですね、分かりました。楽しみにしていますね!」


「うん、ありがと。それじゃあまたあとで」


そう言って僕は自分の席に戻った。


「どうだった?約束取り付けたか?」


「う、うん何とか。今から緊張するよ~。これじゃあ授業に集中できないや」


「まあ今日一日はなんてコクるか考えとけよ」


「そうするよ、じゃないとたぶん本番で失敗するし」


七時間後。


「起立、礼」


よし学校終わった。若井さんに告白するぞ!授業中に何て言うか考えたし大丈夫なはず!


「亮太、僕行ってくる!」


「お~がんばれよ。応援してる」


僕は何ていい友達を持ったんだ。よし行こう!


「あ、天心くんお待たせしました」


「大丈夫!全然待ってないよ!!」


「それなら良かったです。それで私にお話とは?」


大丈夫だ。言える、これまでの想いを伝えるんだ!


「あのね! 若井さん!!」


あ、やばい。僕何て言おうとしたっけ。授業中にせっかく考えたのにど忘れしちゃった!やばいどうしよう。


お、落ち着け、これまでの、これまでの想いを!!


「ぼ、僕と、僕と結婚してください!!!!!!」


、、、ん?


あれなんかおかしいな。結婚、ケッコン??、、、、、、、、?!


「あ、違うんだ! これは! 、いや違わないんだけど! 付き合ってって言おうとしたんだ!そしたら、、」


「一日。一日だけ時間をください。明日の朝私から話しかけますから」


あれ? いいのかこれで?


「天心くん? どうしました? もしかしてこの場で返事がほしいですか?」


「えっ、あっいや、大丈夫!それじゃあまた明日、ばいばい!!!」


僕は恥ずかしくてその場にいれなくて、大急ぎで帰った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 告白するつもりが(笑) ある、のかな?? こういうのって 告るのってテンパるのは、わかる! [一言] 一話一話が、短くてさくさく進むのいいですね! 次も楽しみです。
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