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第92話

翌日、リュウジンバーガーは、休みだった。


コウガの髪の毛が伸びていたので、クマタンが散髪をすることにした。アルフレッドにしてもらってもよかったが、クマタンが散髪のプロ級なので、クマタンにやってもらうことになった。


椅子に座ったコウガに踏み台に登ったクマタンは、コウガの首にカットクロスを付け、少しずつ、毛をピンで留めた。1つピンを取っては、クシで、目測し、カットした。次々と、繰り返した。


すると、適度な長さのカットができた。


クマタンは、鏡を見せて「コウガ、どう?どこか、長いとこはない?」


コウガは「いや、ないよ!クマタン、何をさせても、うまいねえ!ありがとう!」


クマタンは「喜んでもらえて、うれしいよ!」


コウガは「すっかり、気持ちよくなったよ!」


クマタンは「よかった!じゃあ、ついでに、お顔のひげをそっておくね!」


クマタンは、ひげそり用のカミソリと泡立てた石けんの入っている小さな容器を取り出した。


クマタンは「ちゃんと用意しておいたんだ!コウガが拒否っても、僕は、やるつもりだったんだよ!嫌とは言わせないよ!」


コウガは「クマタンには、お任せするしかないね!なんか、世話女房みたいだなあ!」


クマタンは「いやだぁ~!照れるじゃないか!お前さん!」


クマタンは、すっかり女房気取りだった。


クマタンは、クリーム状の泡立てた石けんを少しブラシに付けると、枕で、寝かせたコウガの顔に、それを薄く伸ばすと、次にカミソリをその上から滑らせた。そして、お湯で温かくして、かたくしぼったタオルで、顔を拭いて、石けんを拭きとった。


クマタンは「きれいになりましたよ!てんかふんを拭いておくね!この道具は、みんなアルフレッドさんから、借りたんだよ!」


コウガは「何から何まで、ありがとう!」


クマタンは「ついでに、耳垢を取っておこうかな?」


コウガは「お願いします!」


クマタンは「しっかり、気をつけて、取っておくからね!」


クマタンは、眼鏡をかけて、耳かきをやりだした!


クマタンは「いっぱい取れたよ!」


コウガは「ありがとう!」


クマタンは「コウガ、手の指の爪が伸びているよ!切ってあげるよ!」


クマタンは、眼鏡をかけたまま、コウガの手の指の爪を切った。とても綺麗に切った。


コウガは「ありがとう!すごいね!クマタン!」


クマタンは次に「足の指の爪も切ってあげるよ!」


クマタンは、コウガの履いている靴下を脱がせて、足の指の爪を切った。


クマタンは「綺麗に切れたよ!靴下を履かせてあげるね!」


コウガは「いやぁ~、申し訳ないね!何から何まで!」


クマタンは「日頃、コウガは、お疲れなんだから、マッサージをしてあげるね!」


クマタンは、コウガを寝かせて、全身マッサージをやった。


クマタンは「どこか、凝ってるところはないかな?」


コウガは「とても、気持ちよかったよ!ありがとう!クマタンは、世話女房みたいだね!こうなると、もう、人間の女の子は、結婚対象にならないよ!」


クマタンは「やったー!コウガは、僕のものだ!誰にも渡さないぞ!」


コウガは、至れり尽くせりで、大満足だった!


コウガとクマタンは、ゆっくり過ごせる休日の日になった。この日は、久々に休日で、その上、営業中は、何かとお騒がせ虫で迷惑な客のアレキサンダーがいないので、ゆっくりした休日を過ごせた。


この時、アレキサンダーは、配達の途中で、歩いていると「くっしゅーん」と、くしゃみが出た。


「さっき、配達先の家で、可愛い女の子がいたな。ひょっとしたら、ワシが一目惚れされたのかな?モテる男はつらいよ。」


今日もまた、うぬぼれの強いアレキサンダーだった。

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