第82話
この日、リュウジンバーガーが休みなので、コウガとクマタンは、マリアンヌに、依頼されたハンバーガーの中身に入れるトリュフを探しに挑戦するべく、出陣していた。今まで、数え切れないほど、失敗をしていた。
コウガは「モールのみんなも、諦め気分が抜けきってなくて、やる気ないし、フローラとエレノアも、無関心だね!今日こそ、クマタンと見つけたいものだよ!」
クマタンは「僕は、マリアンヌの願いが叶って、トリュフが見つかったらいいけど、こうして、コウガと歩いて、デートみたいで、楽しいよ!」
コウガとクマタンは、シャンタン街の隣りのラスタン街の山手に向かっていた。その途中だった。
「よう!こんちわ~!」
聞き覚えのある声がした。
2人は、振り返ると、コウガは「あああああ!!!!!」、クマタンは「なんだ、お前!!!!!」
アレキサンダーだった!
アレキサンダーは、前後に庇があり、上げ下げできる耳覆いがある、そして、てっぺんには、黒のリボンがあり、ベージュ色の探偵帽子を被っていた。マント風のコートは、同じくベージュ色で、長い丈のコートに、ケープを合わせたデザインだった。探偵そのものだった。
ちなみに、この探偵服は、本屋の近くのゴミ捨て場に捨てられてあったものを拾ってきたものだった。
アレキサンダーは「お探しの物は、見つかりましたか?」
クマタンは「何を探してるか、知ってるのか?」
アレキサンダーは「トリュフでしょ?君たちのことは、なんでも知ってるんだ!どうだ!怖いだろう!」
アレキサンダーは、以前、フローラがエレノアとトリュフのことを話していたのを盗み聞きしていただけだった。
クマタンは「どうせ、どこかで、盗み聞きでも、してたんだろ?お前の事だからな!」
アレキサンダーは「バレちゃったか!」
クマタンは「どうでもいいけど、今日のお前の衣装は、どう見たって、探偵だなあ。」
アレキサンダーは「形から入るのが、ワシなんだよ!ところで、トリュフは、豚の雌や犬が探し出すのが定番なんだよ!ワシは、別名、トリュフ名人犬と呼ばれた、犬なんだよ!」
クマタンは「この前は、盲導犬、騎士団犬、救助犬、今日は、トリュフ犬か!トリュフ犬は、コリーやトイ・プードル、ラブラドールレトリバーだ!」
アレキサンダーは「そうなんか?知らなかったなあ。チワワ犬だと思ってたよ!」
クマタンは「お前!語るに落ちたな!」
アレキサンダーは「しまった!口が滑った!」
クマタンは「ここから、帰るべきだな!温情なる提案だ!」
アレキサンダーは「後生だから、連れてって、くださいよ!ワシが、役に立つ時が、必ずくるから!」
コウガは「クマタン、これだけ言ってるんだから、連れていってやったらどう?」
クマタンは「コウガ!優しすぎだよ!こんなやつ、絶対に役に立たないよ!」続けて「チェッ!仕方がないなあ!アレキサンダー!コウガ様のお許しが出た!ついてこい!」
アレキサンダーは「は~いよ!」と、けったるく、返事した。




