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第79話

フェリックスは、モールのドアの鍵を開けた。


みんなで、中に入って、見ると、ゲージの中で、泣いているのは、なんと!アレキサンダーだった!


コウガは「あああ!!!お前!アレキサンダーじゃないか!なにしているんだ?そんなところで!」


アレキサンダーは「コウガさん!!!どうでもいいから、早く、出してくれー!!!」


アレキサンダーは、ゲージから出たい一心だったので、この日に限って、“コウガさん”と、さん付けだった。コウガ頼みだった。


コウガは「フェリックスさん、ゲージを開けてやってください!」


コウガに従い、フェリックスは「皆さん!ゲージを開けますよ!」と尋ねた。


フェリックスは、オーナーたちの異議がなかったので、ゲージを開けた。


アレキサンダーは、飛び出てきた。


クマタンは「おい!お前!こんなところで、何してたんだ?おまけに、この間、金持ちの庭にいて、無視した挙句、ホイーとアカンベェと、お尻ぺんぺんで、挑発してただろ!」


アレキサンダーは「本屋の店主に、追い出されて、こうなったんだ!しかし、あの庭の金持ちのババアも、ひどいもんだった!発端は、道端で、リュウジンバーガーの紙が落ちてたんだ!ケチャップが付いてたので、ペロペロ舐めて、ゴミ箱に捨てた時だった!あの金持ちのババアが現れて、ワシが、ゴミを捨てたので、感心だと言って、ワシを飼おうとしたんだ!ゴミ捨ての行為を感心したのではなく、自分の考えに同調していると勝手に解釈されたんだ!」


クマタンは「何を誤解されたって言うんだ?」


アレキサンダーは「ベジタリアンだったんだ!ハンバーガーは、肉なので、ボイコットしたと勝手に思い込まれたんだ!」


クマタンは「いいじゃないか!ヘルシーで!」


アレキサンダーは「お前はな、人の事だから、そんな風に、のんきに思えるんだ!当人にとっては、切実な問題だ!例えば、サラダは、野菜のみ!鳥じゃあるまいし!おまけに、スープは、豆スープ!ステーキは、豆腐ステーキ!シチューは、大豆ミートが肉代わり!牛乳は、豆乳!おやつは、サツマイモに、黄な粉がかかっている!ケーキは、ニンジンケーキ!どうだ!参ったか?ワシは、2、3日で、ギブアップしたぞ!」


クマタンは「ずいぶんとヘルシーだなあ。」


アレキサンダーは「本屋に帰ると、店主のおじいは、好きで出ていったからと言って、ワシを追い出したんだ!なんとかしてくれ!」


クマタンは「自業自得じゃないか!それにしても、おとりのハンバーガーを全部食べてあるな!」


アレキサンダーは「腹が減ってたから、食べてやった!だから、食べれたんだ!」


クマタンは「なんだ!その言い方!」


アレキサンダーは、腕時計を左前脚に3個装着していた。


フェリックスは「ああ!!!うちの腕時計じゃないか!」


アレキサンダーは「落ちていたから、拾っただけだ!」


クマタンは「それは、落ちていたんじゃなくて、置いてあるんだ!」


アレキサンダーは「いいから、もらってやる!」と恩着せがましい言い方だった。


クマタンは「なんだ!その物言いは!フェリックスさんに返せよ!」


アレキサンダーは、仕方なく、腕時計をフェリックスに投げつけた!


クマタンは「なんだ!その態度は!」


シャーロットは「それにしても、幽霊じゃなくて、あんた(アレキサンダー)だったのね!幽霊かと思って損したわ!どうやって、このモールに忍び込んだのよ!」


アレキサンダーは「モールの外側のドアに、鍵がかかっていた。それで、仕方なく、窓から、入ってたんだ!1階の美容院からだ!」


モールのオーナーたちは、美容院のアルフレッドを一斉に見た。


アルフレッドは「ごめんなさい!私の店から入ってたのね!知らなかったわ!これを灯台下暗しなんて言うのかしらね?」


コウガはじめ、オーナーたちは、相談して、アレキサンダーを本屋に連れて行くことにした。迷惑をかけるアレキサンダーが、再び、モールに忍び込んで、騒ぎを起こされるよりは、マシだと判断した。


本屋の店主は、迷惑そうで、アレキサンダーを引き取るのは、嫌そうだったが、元飼い主の責任から、しぶしぶ、アレキサンダーを引き取った。


数日後、フェリックスは、目覚まし時計の修理を依頼された客から、偶然、グローブ街の野原で、野牛が大量発生しているという情報を手に入れた。


フェリックスは、早々、かなり大きなゲージを作った。そして、そのゲージをヘルムートと一緒に行って、グローブ街の野原に設置して、見事に野牛を1頭捕まえた。そのゲージごと、ヘルムートが、馬車で運んだ。食品扱いセンターに、持ち込んだ。野牛は、1頭、5000ジオになった。


フェリックスは、ゲージを急きょ5個追加して作った。


オーナーたちは、ローテーションで、馬車で、ゲージを運んだり、捕らえた野牛をヘルムートの馬車で運んだ。


オーナーたちは、野牛を捕まえて、売る商売をした。

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