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第78話

リュウジンバーガーで、調理していたコウガは、悩んでいた。


リュウジンバーガーの営業の日でも、朝からトリュフを探しに行ったが、見付からなかった。休みの日ももちろん探したが、どうしても見付からなかった。クマタンは、同行したが、フローラとエレノアは、リタイアしていた。


バージルモールのオーナーたちにも、トリュフ探しを持ちかけたが、みんな、乗り気ではなかった。以前から、トリュフ探しをしたらしいが、いずれも、失敗したので、行く気が全くなくなっていた。


そんな時だった。クルトが来店した。


クルトは「おかしいんだよ!コウガさん!うちのドーナツ、また無くなってるんだよ!前日の売れ残りだからいいけどね。」


コウガは「いつもですか?」


クルトは「ここ最近なんだ!フェリックスさんも同様に言ってるんだ!腕時計が複数無くなってるらしいんだ!それで、フェリックスさんが、帰る時にも、厳重にモールの鍵を閉めてもらっているのに、おかしいなあ。なんでだろう?」


コウガは「そういえば、うちのハンバーガーのバンズ、無くなったりしてますよ。」


クルトは「やっぱりそうなんだ!コウガさんのところも無くなっているんだね!それで、今、シャーロットさんが、モールの中を今、チェック中だよ。シャーロットさんが言うには、お化けじゃないかって疑ってるんだ!だって、そうだろう?入り口の鍵が閉まっているのに、入れっこないしね!やっぱり、シャーロットさんの言うように、お化けかな?」


コウガは「もしそうだったら、怖ろしいですね!じゃあ、今、客がいないうちに、クマタンを誘って、僕たちも一緒に、見に行くとしましょう!」


クルトは、コウガとクマタンと3人で、一緒に、モールの2階に行った。


シャーロットがいた。鎖のついた水晶をぶらぶらさせて、その周辺を歩いていた。


コウガたち3人に、気付いたシャーロットは「ダウジングして、どうもないから、死者の霊もなさそうだわ。」


コウガは「お化けじゃなくて、よかったです!心配しましたよ!」


クマタンは「お化けなんかいたら、夜中にトイレ行くのに、コウガについて行ってもらわないと困るよ!よかった!いなくて!」


シャーロットは「もっと、詳しい陰陽師の人を呼んでもいいけどね。」


コウガは「ええっ!?そんな人、いるんですか?っていうか、どんな人なんですか?」


シャーロットは「彼女は、仕事で、やっているのよ。その人は、1度目の結婚相手は、借金魔で、子連れ再婚したものの、2度目の夫もひどい人で、生活費を稼がず、おまけに、嘘つきで、彼女は、溜まり兼ねて、とうとう、ご主人を追い出したのよ。ご主人の荷物は、そのままだったので、強制的に、ご主人の実家に送ったものの、その宅配便代も踏み倒されたままなの。それでも、めげずに、プロの陰陽師をやっている人なのよ。」


コウガは「質問ですが、そんなご主人と結婚するほど、自分の事を何も予想できないのに、そんな人に任せて大丈夫でしょうか?一抹の不安があります!」


シャーロットは「それもそうね!」


そこに、フェリックスが現れた。


フェリックスは「では、私が、以前から、対害獣用のゲージを作ってあるんです!もしかしたら、イノシシかもしれないので、それを仕掛けておきます!おとりの餌は、やはり、うまい香りがするリュウジンバーガーのハンバーガーしかないですよ!」


コウガは「はい!わかりました!」と、二つ返事で引き受けた。


こうして、モールが閉店時間になってから、リュウジンバーガーのハンバーガーをおとりに、ゲージは、仕掛けられた。ゲージは、モールの1階に設置された。


ゲージは、イノシシが入るぐらいの大きさで、中に入ると、強制的に、入口が閉まる仕掛けだった。


コウガは、クマタンに「考えたら、モールのドアの鍵がかかっているのに、どうやって、モールの中に入っているんだろう?」


クマタンは「それもそうだよね!まあ、ゲージに何者かが捕まったら、わかるけどね!」


フェリックスは、各オーナーが、モールから出たのを確認して、この日も、しっかり、モールのドアの外の鍵は、かけた。


そして、朝になった。


「うわぁぁぁぁぁぁん!うわぁぁぁぁぁぁん!」と大きな声で、泣いている叫び声がする!


バージルモールの各オーナーたちが集まってきた。


何事かと、みんな恐れた!

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