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第75話

この日、コウガたち4人は、リュウジンバーガーで、働いていた。


フローラがいつも通り、応対していた。カップルの客が現れた。


フローラは「あっ!ヒルデグランドさん!それに、ジェニファーさんじゃないですか?」


ヒルデグランドは、リュウジンバーガーに、いつも現れる時の黒い服装で、ジェニファーは、魔王城の衣装だった。


フローラの声で、コウガは、カウンターに近寄った。


コウガは「前回は、ラオドールさんに、お越しいただき、ありがとうございます!」


ヒルデグランドは「その節は、風邪をひいていて、おぬしに生姜チューブをもらって、すっかり風邪がよくなった!レティシアちゃんも、喜んでいた!」


ジェニファーは「先日は、無理に魔王城に来ていただき、その上に、生姜チューブまで、お心遣いいただき、ありがとうございます!」


ヒルデグランドは「ありがとう!礼を言うぞ!」


ヒルデグランドは、礼を言うというものの、その態度は上から目線だった。それが、ヒルデグランドというものだった。


コウガは「役に立ってよかったです!ところで、店内で、お召し上がりですか?それとも、お持ち帰りですか?」


ヒルデグランドは「チーズ2倍バーガーを10個もらうぞ!持って帰る!」


コウガは「ありがとうございます!」と代金を受け取ると、調理に取り掛かった。


素早く、チーズ2倍バーガーは、すぐに、出来上がった。


ヒルデグランドは、それを受け取ると、「また、買いに来るぞ!ありがとう!」


ヒルデグランドにしては、ありがとうと礼を言ったのも珍しかった。


ジェニファーは「やっぱり、あなたのTシャツを買いたいから、2階の洋服屋に買って帰りましょう!」


ヒルデグランドは「あ~ダメダメ!今日は、ジェニー(ジェニファー)ちゃんのワンピースを買いに来たのだから、それだけ買うんだ!」


コウガは「ヒルデグランドさん、愛妻家ですね!」


クマタンは「うらやましい!!!」


ヒルデグランドとジェニファーは、仲良く帰って行った。


コウガは、カウンターにカレーポットが1個置かれてあるのに気が付いた。


コウガは「これ、ヒルデグランドさんのじゃないか?」


フローラは「たぶんそうよ。」


コウガは「追いかけていくよ!」と店外を探したが、ヒルデグランドは、見付からなかった。


コウガは、フローラに「魔王城に帰るために、必要なアイテムなのに、どうしたんだろう?まあ、また取りに来るだろう。」


フローラは「たぶん、引き返して来るだろうね。」


コウガとフローラが、こう予想していた通り、ヒルデグランドは、すぐに、現れた。


ヒルデグランドは「ここに、カレーポットを忘れているだろう!」


コウガは「これですか?」


ヒルデグランドは「すまん!すまん!これだ!じゃな!」


ヒルデグランドは、軽いノリで帰って行った。


クマタンは、コウガに「あの2人、幸せそうだね!僕も、コウガと一緒で幸せだよ!」


コウガは「ありがとう!!!」


クマタンは「あ~幸せ!ヒルデグランド夫妻もラブラブだけど、この頃、夕方に、たまにだけど、セーラー服を着た可愛い女の子と学ランの男の子のカップルが来るね!僕とコウガみたいに、WinーWinな関係だねえ!」


コウガは「このスローライフは、手放せないね!クマタンが言うように、時々来るセーラー服の子と学ランの子が来てから、一段とツイてるような気がするね!移動式ハンバーガーショップも何度やっても盛況だしね!それはそうと、あれから、アレキサンダーが現れないけど、元気にやってるのかな?やっと、あのお金持ちの家で落ち着いたのかな?」


クマタンは「どうかな?あいつのことだから、本屋を飛び出して、あのお金持ちの家でも、ぐーたらして、嫌われているんじゃないかな?」


コウガは「まあ、幸せだといいけどね。」


クマタンは「こっちに迷惑をかけられなければ、いいんだけどね!あいつのことだから、今に、追い出されるんじゃない?」


クマタンの予想は、後日、見事に的中した!


次に、客が来た。とても美しい女性で、茶髪の髪をまとめ髪にしていた。濃紺のメイド服を着ていた。


メイドの女性は「コルディア家のメイドリーダーです!本日は、奥様のお遣いで、チーズバーガーを2個買いに来ました!」


続けてメイドは「ここのハンバーガーが、とても美味しいと世間では、評判なので、買いに来ました!」


フローラは「ありがとうございます!オーナーを呼んできますね!」


フローラは、あまりにも褒められたので、オーナーのコウガを呼んだ。


コウガは「リュウジンバーガーのオーナーのコウガです!お褒めいただき、ありがとうございます!」


コウガは、代金を受け取ると、チーズバーガーを2個、大急ぎで、調理した。


それをメイドに渡した。


メイドは「では、失礼いたします。」と丁寧に挨拶して帰って行った。

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