第72話
コウガは、レストランのドアを開けた。
中に入ると、ドアの近くには、観葉植物の植木鉢が5鉢ほど、置いてある。小さいテーブルが数個あり、それぞれに、白色やピンク色や赤色の色とりどりの花が、活けられていた。赤いじゅうたんが敷かれていた。
支配人らしき男性が現れた。黒色のスーツを着て、蝶ネクタイをしていた。長身で、見るからに、頑固そうだった。
支配人は「いらっしゃいませ!ようこそ、レストラン・ベラコスタに、お越しくださいまして、ありがとうございます!何名様ですか?」
コウガは「4人です!実は、これをもらったんです!」
コウガは、商店街からもらった、賞品の目録を支配人に、見せて、渡した。
支配人は「はい!承りました!では、お席に、ご案内いたします!」
コウガたち4人は、誘導する支配人に、従って、彼の後ろを歩いて行った。
4人掛けのテーブルだった。白い綿製品のテーブルクロスがかけられていた。テーブルも、重鎮で、素晴らしいものだ。
席に座った。コウガの隣りは、クマタンで、向い合わせの席のフローラの隣りは、エレノアだった。いつも通りだった。
支配人は、1人ずつ、白色のランチョンマットを敷き、そして、スープスプーン、ナイフ、フォークを置いた。
膝用の紙ナプキンを置いて行った。
壁には、高価な油絵がかかってあった。至る所に、花瓶の花が活けてあった。素晴らしいレストランだった。
支配人は、フローラに近寄り「失礼ですが、椅子の座り方がおかしいです!もう少し、姿勢を真っ直ぐとお座りください!私どもが、サービスいたします時に、手が触れて、失礼をしては、申し訳ありませんので。」
支配人は、低姿勢で、フローラに指示した。
フローラは「ああ、そうなの?ごめんなさい!」
支配人は「こちらこそ、失礼しました。」
フローラは「すごいレストランがあるもんだねえ!」と、辺りを見まわした。
支配人は、フローラに近寄り「お客様、他の方のご迷惑になりますので、お静かに、願います。」
フローラは「ごめんなさい。」
しばらくして、支配人とウエイトレス3人が現れた。ウエイトレスは、メイド帽を被り、黒のワンピース、白のエプロンを付けていた。
支配人は「膝の紙ナプキンを膝に、お乗せください!」
支配人は、テーブルに置かれている膝用の紙ナプキンの指示をした。
コウガたちは、指示通り、従った。まごまごしているフローラに支配人は、チラッとフローラを見た。フローラは、慌てて、紙ナプキンを膝に乗せた。
支配人が、次の行動をしたので、フローラは、自分が、見られる対象に外れたので、ホッとした。
支配人とウエイトレスたちは、スープを皿に入れて、運んでいた。スープは、コンソメスープだった。
支配人は「どうぞ、お召し上がりください!コンソメスープでございます!」
コウガは、スープを飲んだ。まったりとした、コクがあって、食欲をそそるスープだった。




