第62話
店内で、声を掛けた主は、リュウジンバーガーの常連客のマサムネだった!
マサムネは「いらっしゃ~~~い!あれ?リュウジンバーガーの方たちじゃないですか!」
コウガは「あれ?マ、マサムネさん?ですか?」
マサムネは、いつも、リュウジンバーガーに現れる衣装で、ちょんまげに、黒の眼帯で、ドット柄の陣羽織に、白いエプロンを付けていた!
コウガは「マサムネさん!ここで、今日は、販売のバイトですか?」
マサムネは「いいや!拙者は、このケーキ店・マーサのパティシエだよ!」
コウガは「ええっ!?そうだったんですか!?失礼しました!改装記念で、マサムネさんがいつものお召し物で、客集めをされているのかと思いました!ちんどん屋というように・・・、いや、決して、バカにしているというのではなく、それぐらい、カッコイイというイメージで、思ったんですよ!マジで!」
コウガは、マサムネを褒め称えて、その場を繕った。冷や汗が出た・・・。
しかし、マサムネは、素直にコウガの言葉を受け取り、「そんなに、褒めていただき、かたじけないです!」
マサムネもコウガの褒め言葉に同調して、同じように、応えていた。
マサムネは「どんなケーキをお望みですか?」
コウガは「女の子たちもいるので、いちごが乗った可愛いケーキがいいと思うんです。4つ、ケーキが欲しいんです!」
マサムネは「やはり、ショートケーキですな!いつも、リュウジンバーガーで、お世話になっているので、今日は、拙者が、サービスする番でござるな!ショーケースに、入っているショートケーキがありますが、今、出来立てのケーキをカットするので、しばし、お待ちくだされ!」
マサムネは、一旦、奥に引っ込んだ。
すぐに、戻ってきた。直径21センチメートルの7号サイズのスポンジケーキを大皿に乗せて、運んできた。
それをテーブルに置くと、マサムネは「カットするので、しばし、お待ちくだされ!」
コウガたち4人は、ただ、見ていた。
マサムネは、右手を前に押し出す形で、刀を抜き、刀は片刃だった。そして、ケーキを次々と、8つに切った!
遠心力を活かし、素早い切り方だった!ケーキ切りの素早いパフォーマンスだった!
コウガとクマタンたちは、一斉に拍手喝采をした!
次に、クマタンは、“ピューピュー”と指笛をした。
マサムネは、今日は、愛想よく、「ありがとう!!!」と笑って応えた。
さすがに、ケーキの利益がかかわっているので、客に対しては、気を遣っていた。
マサムネは、ペーパーで、刀に着いたクリームを拭き取り、抜いた刀を非常にスムーズに鞘に収めた!
そして、マサムネは、ケーキを箱に入れて、紙袋に入れた。
マサムネは「お待たせしました!」
コウガは「また来ますね!」と言って、クーポン券と代金を支払った。
コウガは、しっかりと値引きするクーポン券を出し忘れすることはしなかった。
紙袋を受け取ろうとするコウガに、マサムネは「店外まで、お見送り致す!」と言って、紙袋を自分で持って、店の外まで、コウガたちを誘導した。
マサムネは「またのご来店をお待ちしております!では、これにて、御免!!!」と言って、紙袋をコウガに渡して、手を振りながら、見送った。
帰り道に、クマタンは、コウガに「驚いたね!マサムネだけに、ケーキ店・マーサだったんだね!」
コウガは「本当だね!マサムネだけに、マサカネ!語呂合わせだね!」
クマタンは「コウガ!いいぞ!座布団10枚!!!」
フローラとエレノアも、拍手だった。
こうして、ケーキを買って、帰宅した。
アパートで、食べた、コウガたちの感想は、全員が、「エクセレント!!!」だった。
ちなみに、次回、リュウジンバーガーに来店した、マサムネに、ケーキの感想を言ったコウガに、マサムネは、納得するように、うなずき、喜んでいた。




