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第55話

温泉を出て、コウガたちは、その周辺で、催されているお祭りに行った。


かなりの人が来て、にぎわっていた。屋台が、かなりの数が出ていた。


クマタンとフローラは、温泉場で、にらみ合いが続いていたが、ここでは、2人共、お祭りに浮かれて、すっかりと笑顔になっていた。


屋台からは、飲食店の匂いが漂って、食欲が進む状態だった。


焼きとうもろこしがあった。バター醬油の香りが快く、鼻にかおる。


クマタンは「香ばしい匂いだなあ!コウガ、これを買おうよ!」


コウガは「食べたくなるような匂いだなあ!よし!買おう!」


フローラとエレノアも買った。


4人で、焼きとうもろこしを食べながら歩いた。


クマタンは、焼きとうもろこしの両端を両手で持ち、歯を焼きとうもろこしの右から左へと、移動させて、食べた。


面白い食べ方だった。


それを見て、フローラは「笑わせているのかい!」


クマタンは「ほっといてくれ!香ばしい焼きとうもろこしは、こうやってダイレクトに食べるのが粋なんだ!知らなかったのか?それにしても、醬油がしょっぱく、バターの塩味とコクが活きてるねえ!」


次に、チョコバナナを買った。


コウガは「甘酸っぱいバナナに、甘いチョコレートが、合うものだね!」


エレノアは「美味しくて、やめられないわ!」


クマタンは「このチョコレートのように、世の中、甘くないなあ。なあ、フローラちゃんよ!」


フローラは「なぜ、次に、私に、ふるのよ!」


クマタンは「別に、他意はありませんな・・・。」


次に、たこ焼きを買った。


クマタンは「このたこ焼きのソース、甘口ソースで、うまいよ!生地も、中は、もっちり、外の皮は、カリッとしていて、なかなか、うまいねえ!」


フローラは「確かに、あんた、クマタンの言う通りだね!これは、美味しいわ!」


コウガは、ふと見ると、10歳ぐらいの女の子が母親と手をつないで歩いているのを偶然、目にした。


女の子は「いくら探しても、今、流行りのハンバーガーっていうの売ってないね。」


母親は「そのハンバーガーは、リュウジンバーガーと言って、シャンタン街で、売ってるのよ。ここから距離があるので、なかなか買いに行けないわ。近くにあるといいのにね。それに、代わるようなハンバーガーも売ってないね。」


女の子は「出来立ての美味しそうなハンバーガーを食べたいなあ・・・。」


コウガは、自分の店のリュウジンバーガーのことを親子が話題にしているので、自分の店も少しは、世の中に伝わったのかと思って、うれしかった。しかし、ここからでは、少し遠いので、買いに行けないのが残念だと思った。


未来のお客さんのためにも、是非とも、リュウジンバーガーを食べてほしいと思った。

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